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スマイル27
涙・2
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それより話を戻すが、ライバル出現に対しては、本当に不安だ。何とか同意を取って、美羽をさっさと俺のモンにしちまわないと、誰かにすぐに奪われそうだ。
今日にでも結婚できないかな、と思う。
とりあえず婚約だけでもできれば、もう少し安心できるのに。
何とかならないのか。マジで。
勝手に婚姻届けとか、出したら怒られるかな。偽造書類なら、俺の財力をもってすれば、幾らでもそれらしいものは作れるんだけどな。
今後は危険を回避するためにも、見知らぬ男はできれば助けて欲しくない。男なんてのは頑丈に出来てるから、多少放っておいても、死なないから大丈夫だ。
男を助けるのは俺で最後にして欲しいし、施設にも俺のように、気軽に出入りさせないで欲しい。
今すぐ結婚が無理なら、今後一切、困った男は助けないように頼んでみようかと真剣に考えちまう。
あっ、そうだ。そうしよう!
男なら、俺が幾らでも助けてやるって言えばいいんだ!
キングフェザーでも、櫻井グループでも、困った男の解決になるなら、この際何でも使ってやればいーんだ。全総力を挙げ、絶対に、美羽には近づけさせねーからな!
知らない男がマサキ施設に入ったら、俺のパソコンとスマホ、警報なるようにセットしておこう。どんな仕事中だろーが、たとえ今進めてるプロジェクト遂行中の重要会議中だとしても、そんなの関係ねーぞ。すぐ飛んで行って、解決してやって、施設から追い出さなきゃいけねーからな。仕事よりそっちのが大事だ。
なんせ美羽を手に入れるっつーのは、櫻井王雅一世一代の大プロジェクトだからな。
櫻井グループのプロジェクトより、もっともっと大切だし、万が一にも失敗するワケにはいかねーんだ。
SPも施設近くに常駐させておいて、俺がどーしてもすぐ行けない時は、SPに向かわせればいいな。
よーし、そうしよう。これで当面安心だ。
名案を思い付いたことで、テンションが上がった。
チイとの辛い別れを何とかしたくて、あれこれ考えていたけれど、上手い具合に解決策を見いだせて良かった。
佳奈美の準備が整ったので、遊戯室に寝かせていたチイを起こして彼女に託した。
実の母親に久々に会えて満面の笑顔のチイを見て、やっぱり俺なんかの出る幕は無いと痛感した。
本当の親には、誰にも敵わない。他人の俺がどんなに大切に想っても、親子の絆は断ち切ることができないんだ。
チイの笑顔は、その事を浮き彫りにさせてくれた。
コイツもそのうち、俺の事なんか綺麗さっぱり忘れてしまうんだろーな――そう思うだけで、もの凄く辛い気分になった。
でも、感傷に浸っている場合じゃないんだ。チイの親父は、俺のSPがとっ捕まえてるから大丈夫だけど、さっさと護送して二人を安心させてやらなきゃな。
美羽がガキ共全員を集めて、突然だが事情があり、チイが今日でマサキ施設を去ることを説明した。
遠くに行ってしまうけど、何時でも仲良しの友達であることには変わりないからって。
それを聞いて、ガキ共が全員泣き出した。チイとの別れを惜しんで、いっぱい泣いた。
最後まで見送りたいって言うから、全員で俺の家まで行くことになった。自家用機の準備が出来ているのは俺の家だからな。
正直、俺一人だけでチイを見送るのは、辛すぎてムリだと思っていたから、ガキ共や美羽が一緒に来てくれるのは、本当に助かった。
俺の家は広いからガキ共や美羽が増えたところで問題ないから、見送りが大勢になってしまう程度のことは、別に構わなかった。それよりも、全員がチイを見送ってやれる方が、チイも嬉しいだろうと思う。
まだ小さくて良く解っていないとは思うけど、きっと、心の何処かに残るハズだ。
自分がこんなにも、沢山の友達から愛されていたことを――
今日にでも結婚できないかな、と思う。
とりあえず婚約だけでもできれば、もう少し安心できるのに。
何とかならないのか。マジで。
勝手に婚姻届けとか、出したら怒られるかな。偽造書類なら、俺の財力をもってすれば、幾らでもそれらしいものは作れるんだけどな。
今後は危険を回避するためにも、見知らぬ男はできれば助けて欲しくない。男なんてのは頑丈に出来てるから、多少放っておいても、死なないから大丈夫だ。
男を助けるのは俺で最後にして欲しいし、施設にも俺のように、気軽に出入りさせないで欲しい。
今すぐ結婚が無理なら、今後一切、困った男は助けないように頼んでみようかと真剣に考えちまう。
あっ、そうだ。そうしよう!
男なら、俺が幾らでも助けてやるって言えばいいんだ!
キングフェザーでも、櫻井グループでも、困った男の解決になるなら、この際何でも使ってやればいーんだ。全総力を挙げ、絶対に、美羽には近づけさせねーからな!
知らない男がマサキ施設に入ったら、俺のパソコンとスマホ、警報なるようにセットしておこう。どんな仕事中だろーが、たとえ今進めてるプロジェクト遂行中の重要会議中だとしても、そんなの関係ねーぞ。すぐ飛んで行って、解決してやって、施設から追い出さなきゃいけねーからな。仕事よりそっちのが大事だ。
なんせ美羽を手に入れるっつーのは、櫻井王雅一世一代の大プロジェクトだからな。
櫻井グループのプロジェクトより、もっともっと大切だし、万が一にも失敗するワケにはいかねーんだ。
SPも施設近くに常駐させておいて、俺がどーしてもすぐ行けない時は、SPに向かわせればいいな。
よーし、そうしよう。これで当面安心だ。
名案を思い付いたことで、テンションが上がった。
チイとの辛い別れを何とかしたくて、あれこれ考えていたけれど、上手い具合に解決策を見いだせて良かった。
佳奈美の準備が整ったので、遊戯室に寝かせていたチイを起こして彼女に託した。
実の母親に久々に会えて満面の笑顔のチイを見て、やっぱり俺なんかの出る幕は無いと痛感した。
本当の親には、誰にも敵わない。他人の俺がどんなに大切に想っても、親子の絆は断ち切ることができないんだ。
チイの笑顔は、その事を浮き彫りにさせてくれた。
コイツもそのうち、俺の事なんか綺麗さっぱり忘れてしまうんだろーな――そう思うだけで、もの凄く辛い気分になった。
でも、感傷に浸っている場合じゃないんだ。チイの親父は、俺のSPがとっ捕まえてるから大丈夫だけど、さっさと護送して二人を安心させてやらなきゃな。
美羽がガキ共全員を集めて、突然だが事情があり、チイが今日でマサキ施設を去ることを説明した。
遠くに行ってしまうけど、何時でも仲良しの友達であることには変わりないからって。
それを聞いて、ガキ共が全員泣き出した。チイとの別れを惜しんで、いっぱい泣いた。
最後まで見送りたいって言うから、全員で俺の家まで行くことになった。自家用機の準備が出来ているのは俺の家だからな。
正直、俺一人だけでチイを見送るのは、辛すぎてムリだと思っていたから、ガキ共や美羽が一緒に来てくれるのは、本当に助かった。
俺の家は広いからガキ共や美羽が増えたところで問題ないから、見送りが大勢になってしまう程度のことは、別に構わなかった。それよりも、全員がチイを見送ってやれる方が、チイも嬉しいだろうと思う。
まだ小さくて良く解っていないとは思うけど、きっと、心の何処かに残るハズだ。
自分がこんなにも、沢山の友達から愛されていたことを――
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