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週末のビジネスマン・1
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あれから、何事もなく再び週末が訪れた。
予想通り、土曜日は朝から施設に行くから、金曜日の夜は殆ど眠れなかった。毎度のことながらこの性格、もう少し何とかならないかと自分でも思う。
言うなれば――平日は出張で遠方に出稼ぎに行って、週末だけ家族の待つあったかい家に帰るビジネスマンのようなもんだ。
そうだよな。そのビジネスマンは、俺そのものだ。
週末が楽しみで楽しみで仕方なくて、平日の仕事を頑張っちゃうワケだ。
で、金曜日の夜は眠れない、と。
それよりも他の奴等は、お帰りなさいってどんな風に言われるんだろう。俺と美羽が夫婦になったと仮定して、ちょっと考えてみよう。
――――・・・・
――お帰りなさい、あなた。いつも私たちの為に、お仕事ご苦労様。先に朝御飯にする? それともお風呂に入って汗流す?
――聞くまでもねーだろ。まずお前だ。ずっと我慢してたんだ。お前が喰いたい。お前を喰わせろ。
――もう、今はダメよ。ほら、この子もお出迎えしてくれてるのよ?
――パパ、おかえりなさーいっ。
――ああ、ただいま。そうだな。今はコイツが起きてるもんな。よし、パパが今からお前といっぱい遊んでやる!
――やったぁ! パパだーいすきっ。
――じゃ、先にお前の飯食おうかな。腹減った。本当はお前が喰いたいんだけど、しょーがねーから今は我慢する。その代わり、今夜はメチャクチャ可愛がってやるからな。覚悟しとけよ――・・・・
うん、そーだ。きっと他のビジネスマンも、週末、家に帰ったらこんな感じだろーな。
ああ、いいな。早くそうなりたい!
俺も今日やってみようかな。美羽に、お帰りなさい、あなた、とか笑顔で言われてーな。やってくれるように、頼んでみようかな。
もし言ってくれたら、最高だな、それ。
でも本当にそんな事言われたら、俺は間違いなく夜まで待てずに、その場で喰っちゃうな。
朝から激しいの、ヤっちゃうぞ? 覚悟しとけよ?
あっ、でも、施設にはガキ共が大勢居るんだ。こればかりは流石に、アイツ等には見せられないからな。どうしようかな、えーっと・・・・ま、何とかなるだろ。成り行き次第だ。
今は仕方なく冷蔵庫みたいな自分の部屋に寝泊まりしてるけど、そのうち同意をもぎ取って、施設で暮らすのが俺の今の夢だ。
ん、世界一の男になるのが先か?
まぁ、美羽からの同意が取れるなら、この際どっちでもいーんだ。
待てよ。そういえばちょっと前、施設内では間違いが起こらないよう、どーのこーの、問題ないとか、大丈夫だとか、美羽のヤツ、千夏――サトルの母親に宣言してたよな。
あっ、でも、同意取って結婚してる旦那なら問題ねーよな。ヤラシー事したって間違いじゃねーし。うん、そうだ。ただの男女じゃねーんだ。ノープロブレムだ。
あっ。美羽と結婚したら、俺、櫻井家に出張なんて――自分の寒い部屋に帰らなくてもいいんだよな! やったぜ!!
平日の出張も、幕を下ろすっつーんだな。櫻井家への長い出張は無事終了です、ご苦労様でした、となるワケだ。
しかも、毎日施設に帰れたら、お帰りなさい、あなた、となって、玄関先で美羽を、毎日たべホーダイじゃねーのかっ。
それ、スゲーな・・・・たべホーダイか・・・・いいな。
それ、ヤバいな・・・・俺、メチャクチャ頑張らなきゃいけねーじゃねーか!
そーなったら、俺は心も体も満たされて、毎日満腹になるワケだな。
日照り続きで渇ききった身体に、おさらばできるんだな!
最高だ。早くそうなりたい。できる事なら、今日からそうしたい。
それにもう、この寒い部屋は嫌なんだ。何も満たされないどころか、余計心が黒く荒む。
よくもまあこんな寒い家で、二十三年間も暮らせたな。俺ってスゲーな。でも、もう無理だ。早く脱したい。
寒くて凍えそうだから、美羽やガキ共にあっためてもらわねーと、凍死しちまう。
っつーワケで、さっさと用意して、俺は早めに施設に行くことにした。
朝飯も、アイツ等と一緒に食おう。きっと美羽は、俺の為に朝飯作ってくれてるに違いねえしな。
予想通り、土曜日は朝から施設に行くから、金曜日の夜は殆ど眠れなかった。毎度のことながらこの性格、もう少し何とかならないかと自分でも思う。
言うなれば――平日は出張で遠方に出稼ぎに行って、週末だけ家族の待つあったかい家に帰るビジネスマンのようなもんだ。
そうだよな。そのビジネスマンは、俺そのものだ。
週末が楽しみで楽しみで仕方なくて、平日の仕事を頑張っちゃうワケだ。
で、金曜日の夜は眠れない、と。
それよりも他の奴等は、お帰りなさいってどんな風に言われるんだろう。俺と美羽が夫婦になったと仮定して、ちょっと考えてみよう。
――――・・・・
――お帰りなさい、あなた。いつも私たちの為に、お仕事ご苦労様。先に朝御飯にする? それともお風呂に入って汗流す?
――聞くまでもねーだろ。まずお前だ。ずっと我慢してたんだ。お前が喰いたい。お前を喰わせろ。
――もう、今はダメよ。ほら、この子もお出迎えしてくれてるのよ?
――パパ、おかえりなさーいっ。
――ああ、ただいま。そうだな。今はコイツが起きてるもんな。よし、パパが今からお前といっぱい遊んでやる!
――やったぁ! パパだーいすきっ。
――じゃ、先にお前の飯食おうかな。腹減った。本当はお前が喰いたいんだけど、しょーがねーから今は我慢する。その代わり、今夜はメチャクチャ可愛がってやるからな。覚悟しとけよ――・・・・
うん、そーだ。きっと他のビジネスマンも、週末、家に帰ったらこんな感じだろーな。
ああ、いいな。早くそうなりたい!
俺も今日やってみようかな。美羽に、お帰りなさい、あなた、とか笑顔で言われてーな。やってくれるように、頼んでみようかな。
もし言ってくれたら、最高だな、それ。
でも本当にそんな事言われたら、俺は間違いなく夜まで待てずに、その場で喰っちゃうな。
朝から激しいの、ヤっちゃうぞ? 覚悟しとけよ?
あっ、でも、施設にはガキ共が大勢居るんだ。こればかりは流石に、アイツ等には見せられないからな。どうしようかな、えーっと・・・・ま、何とかなるだろ。成り行き次第だ。
今は仕方なく冷蔵庫みたいな自分の部屋に寝泊まりしてるけど、そのうち同意をもぎ取って、施設で暮らすのが俺の今の夢だ。
ん、世界一の男になるのが先か?
まぁ、美羽からの同意が取れるなら、この際どっちでもいーんだ。
待てよ。そういえばちょっと前、施設内では間違いが起こらないよう、どーのこーの、問題ないとか、大丈夫だとか、美羽のヤツ、千夏――サトルの母親に宣言してたよな。
あっ、でも、同意取って結婚してる旦那なら問題ねーよな。ヤラシー事したって間違いじゃねーし。うん、そうだ。ただの男女じゃねーんだ。ノープロブレムだ。
あっ。美羽と結婚したら、俺、櫻井家に出張なんて――自分の寒い部屋に帰らなくてもいいんだよな! やったぜ!!
平日の出張も、幕を下ろすっつーんだな。櫻井家への長い出張は無事終了です、ご苦労様でした、となるワケだ。
しかも、毎日施設に帰れたら、お帰りなさい、あなた、となって、玄関先で美羽を、毎日たべホーダイじゃねーのかっ。
それ、スゲーな・・・・たべホーダイか・・・・いいな。
それ、ヤバいな・・・・俺、メチャクチャ頑張らなきゃいけねーじゃねーか!
そーなったら、俺は心も体も満たされて、毎日満腹になるワケだな。
日照り続きで渇ききった身体に、おさらばできるんだな!
最高だ。早くそうなりたい。できる事なら、今日からそうしたい。
それにもう、この寒い部屋は嫌なんだ。何も満たされないどころか、余計心が黒く荒む。
よくもまあこんな寒い家で、二十三年間も暮らせたな。俺ってスゲーな。でも、もう無理だ。早く脱したい。
寒くて凍えそうだから、美羽やガキ共にあっためてもらわねーと、凍死しちまう。
っつーワケで、さっさと用意して、俺は早めに施設に行くことにした。
朝飯も、アイツ等と一緒に食おう。きっと美羽は、俺の為に朝飯作ってくれてるに違いねえしな。
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