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スマイル24
本当の自分・2
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何だよ、お前。
俺のエロラブビームには全っっ然気が付かねークセに、淋しいって思うキモチとか、愛情に飢えてるヤツの様子とかは、すぐ気付くんだ。
お前独特のアンテナをいつも張ってるから、何でもお見通しで、何をして欲しいか、全部解っちまうんだな。
愛情に飢えてるヤツが放つ、誰かに愛されたいって気持ちをそのアンテナですぐ察知して、分け隔てなく、惜しみない愛で包んでくれて、全力で応えてくれる。
だからガキ共は、深い心の傷を持っているにも関わらず、笑顔を取り戻して、元気で明るく育ってるんだ――
敵わない。本当に、この女には敵わない。
「美羽――・・・・」
俺は堪えきれずに、美羽を抱きしめた。
お前が好きだって、愛してるって気持ちが、こんなにも俺の中から溢れて止まらない。
同意も取らずに、勝手に抱きしめたりしてごめん。
本当はキスもしたいけど、それは我慢するから。
でも、この想い、止められねーんだ。
ここが二人きりのホテルの部屋とかで、周りに何も邪魔するものがなかったら、俺、間違いなく、このままお前を抱いてる。
お前をこの腕に閉じ込めて、メチャクチャ可愛がって、俺の全てで愛してしまう。
イヤとは言わせない。
その代わり、一生、俺の全てを懸けて、お前の事だけ愛して、守ってやるって、誓うから。
俺はお前以外に、欲しいものなんて何もないんだ。
でも、美羽はこんなにイイ女なんだ。俺じゃなくても、美羽を欲しいって思う男はこれからも数多く現れるだろう。
俺が世界一の男になるまで、待っててもらえんのかな。
今すぐ、お前を俺のものに出来たらいいのに。
誰にも盗られないように、俺の傍に繋いでおけたらいいのに。
どうしよう。誰かに盗られたりしたら――そう考えたら、急に物凄く不安になってきた。
今まで美羽は、俺とどうにかなると思ってた。頑張れば何とかなるだろう、誰も好きにならずに、俺が世界一の男になるまで、待っていてくれるだろう、という期待があった。
俺は色んな意味で優良物件だし、美羽の一番欲しい最高の切り札――施設の土地を持ってるからな。
成り行きだったが、施設の土地は、花井から買っておいて本当に良かったと思っている。
そんな訳もあるから、美羽が、俺以外の男に目を向けたりすることは、殆ど考えていなかった。
不安だったことはあるが、ここまでじゃなかった。
どうして今まで、考えなかったんだろう。俺はバカか。
こんなにイイ女、他の男が放っておく訳がない。
そんな男が美羽に近づいて来た時、俺、ちゃんと食い止めれんのかな。
もし、万が一、美羽がそいつの事、前の恭一郎みたいにホンキで好きになったら――美羽が俺以外の男に、俺が欲しいと思うコロッケスマイルを振りまき、そいつに愛を囁いたりしたら、俺、どうしたらいいんだろう。
美羽のヤツ、今は施設一筋だけど、施設よりもそいつが大切になって、俺のせいで土地がどうにもならないから、仕方なく施設は移転を考え、土地に執着することが無くなれば、俺の切り札なんか何の役にも立たなくなって、この関係は終わりだ。
もし、そいつに美羽が乱され、抱かれたりしたら――
想像しただけで、吐きそうになった。
気が狂いそうだ!!
それが現実になったりしたら、俺、きっとメチャクチャになって、そいつの事、間違いなく殺してしまうだろう。
ダメだ。俺、本当にヤバい。美羽が居なきゃ、もう、生きていけないトコまで、足を踏み入れてしまった。
でも、それってお前のせいでもあるんだぞ、美羽。
俺は、知らなかったんだ。こんなあたたかい世界があることや、お前の傍に居ると、幸せだなって思う気持ちになれることを。
俺に、こんなことを教えるからだ。
お前は、深く閉ざされていた俺の心の扉を、勝手に開けて入って来てしまったんだ。勝手に開けて幸せを教えてくれたなら、手を離したりせず責任取ってくれよ。
お前が俺を受け入れてくれなくなったら、苦しくて、息もできなくなって、俺は本当に死んじまうだろーな。
だったらお前が、俺以外の誰かを愛してしまう前に、俺が殺人を犯す前に、お前が俺にトドメ刺してくれ。
お前が、俺以外の男に心を傾けて笑いかける姿をこの目で見るくらいなら、死んだ方がマシだ――・・・・
「どうしたの、王雅。貴方、そんなに時間無いでしょ? みんな待ってるから、早く中に入りましょ」
声をかけられても、それでも美羽を抱きしめて離さない俺の背中を、どうしたの、王雅、と優しく呼んで、トントン、と撫でるように叩いてくれた。
お前に心から愛されるには、一体どーしたらいーんだ。
淋しい子供には、お前はこうやって愛を注いでくれるんだな。
だったら、俺はずっと淋しい子供でいなくちゃならねーのかよ。それはイヤだ。
ただ、お前の傍にいるにはこれしか方法が無いっつーなら、もう、それでもいい。
でも、そうやって傍にいれたとしても、さっきの想像みたいな事、俺、ムリだ。耐えられない。
俺のエロラブビームには全っっ然気が付かねークセに、淋しいって思うキモチとか、愛情に飢えてるヤツの様子とかは、すぐ気付くんだ。
お前独特のアンテナをいつも張ってるから、何でもお見通しで、何をして欲しいか、全部解っちまうんだな。
愛情に飢えてるヤツが放つ、誰かに愛されたいって気持ちをそのアンテナですぐ察知して、分け隔てなく、惜しみない愛で包んでくれて、全力で応えてくれる。
だからガキ共は、深い心の傷を持っているにも関わらず、笑顔を取り戻して、元気で明るく育ってるんだ――
敵わない。本当に、この女には敵わない。
「美羽――・・・・」
俺は堪えきれずに、美羽を抱きしめた。
お前が好きだって、愛してるって気持ちが、こんなにも俺の中から溢れて止まらない。
同意も取らずに、勝手に抱きしめたりしてごめん。
本当はキスもしたいけど、それは我慢するから。
でも、この想い、止められねーんだ。
ここが二人きりのホテルの部屋とかで、周りに何も邪魔するものがなかったら、俺、間違いなく、このままお前を抱いてる。
お前をこの腕に閉じ込めて、メチャクチャ可愛がって、俺の全てで愛してしまう。
イヤとは言わせない。
その代わり、一生、俺の全てを懸けて、お前の事だけ愛して、守ってやるって、誓うから。
俺はお前以外に、欲しいものなんて何もないんだ。
でも、美羽はこんなにイイ女なんだ。俺じゃなくても、美羽を欲しいって思う男はこれからも数多く現れるだろう。
俺が世界一の男になるまで、待っててもらえんのかな。
今すぐ、お前を俺のものに出来たらいいのに。
誰にも盗られないように、俺の傍に繋いでおけたらいいのに。
どうしよう。誰かに盗られたりしたら――そう考えたら、急に物凄く不安になってきた。
今まで美羽は、俺とどうにかなると思ってた。頑張れば何とかなるだろう、誰も好きにならずに、俺が世界一の男になるまで、待っていてくれるだろう、という期待があった。
俺は色んな意味で優良物件だし、美羽の一番欲しい最高の切り札――施設の土地を持ってるからな。
成り行きだったが、施設の土地は、花井から買っておいて本当に良かったと思っている。
そんな訳もあるから、美羽が、俺以外の男に目を向けたりすることは、殆ど考えていなかった。
不安だったことはあるが、ここまでじゃなかった。
どうして今まで、考えなかったんだろう。俺はバカか。
こんなにイイ女、他の男が放っておく訳がない。
そんな男が美羽に近づいて来た時、俺、ちゃんと食い止めれんのかな。
もし、万が一、美羽がそいつの事、前の恭一郎みたいにホンキで好きになったら――美羽が俺以外の男に、俺が欲しいと思うコロッケスマイルを振りまき、そいつに愛を囁いたりしたら、俺、どうしたらいいんだろう。
美羽のヤツ、今は施設一筋だけど、施設よりもそいつが大切になって、俺のせいで土地がどうにもならないから、仕方なく施設は移転を考え、土地に執着することが無くなれば、俺の切り札なんか何の役にも立たなくなって、この関係は終わりだ。
もし、そいつに美羽が乱され、抱かれたりしたら――
想像しただけで、吐きそうになった。
気が狂いそうだ!!
それが現実になったりしたら、俺、きっとメチャクチャになって、そいつの事、間違いなく殺してしまうだろう。
ダメだ。俺、本当にヤバい。美羽が居なきゃ、もう、生きていけないトコまで、足を踏み入れてしまった。
でも、それってお前のせいでもあるんだぞ、美羽。
俺は、知らなかったんだ。こんなあたたかい世界があることや、お前の傍に居ると、幸せだなって思う気持ちになれることを。
俺に、こんなことを教えるからだ。
お前は、深く閉ざされていた俺の心の扉を、勝手に開けて入って来てしまったんだ。勝手に開けて幸せを教えてくれたなら、手を離したりせず責任取ってくれよ。
お前が俺を受け入れてくれなくなったら、苦しくて、息もできなくなって、俺は本当に死んじまうだろーな。
だったらお前が、俺以外の誰かを愛してしまう前に、俺が殺人を犯す前に、お前が俺にトドメ刺してくれ。
お前が、俺以外の男に心を傾けて笑いかける姿をこの目で見るくらいなら、死んだ方がマシだ――・・・・
「どうしたの、王雅。貴方、そんなに時間無いでしょ? みんな待ってるから、早く中に入りましょ」
声をかけられても、それでも美羽を抱きしめて離さない俺の背中を、どうしたの、王雅、と優しく呼んで、トントン、と撫でるように叩いてくれた。
お前に心から愛されるには、一体どーしたらいーんだ。
淋しい子供には、お前はこうやって愛を注いでくれるんだな。
だったら、俺はずっと淋しい子供でいなくちゃならねーのかよ。それはイヤだ。
ただ、お前の傍にいるにはこれしか方法が無いっつーなら、もう、それでもいい。
でも、そうやって傍にいれたとしても、さっきの想像みたいな事、俺、ムリだ。耐えられない。
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