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オトコの事情・5

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 不思議に思っていると、美羽が俺の考えを察したようで、キッチンに行く時、アイリちゃんが応接室に入ってくのが見えたからよ、と教えてくれた。


 お前も、頭の回転スゲーいいな。常に周りの事を気にして、ガキ共の事をいつも考えてんだな。


 だったら、俺とお前が一緒になったらさ、スゲーいーんじゃねーの。
 俺とお前の子供ができたりしたらさ、スゲー天才になるんじゃねーの。


 そんな、夢みたいな事考えちまうなんて、俺もだいぶ乙女思考になってんな。
 でも俺はメンズだから、考えることは基本、エロだ。子供ができるという、その前の工程が大切なんだ。
 俺だけじゃねえぞ。どんなイケメンだって、メンズが考えてる事はひとつだ。コレしかねえ。

 俺は、早くお前を抱きしめて、ひとつになりたい。
 そんなことばっか、考えてんだぜ。


 勘がいいなら、そういうオトコの事情、察してくんねーかな。
 エロビームで見つめてみたらどーだろう。伝わるんじゃねーのか。

 俺はじっと美羽を見つめてみた。


 お前を抱きたい、早く俺のものになれ、今すぐどーにか・・・・エトセトラ(その他色々)。
 

「あ、ごめん。先にアイリちゃんの分、お茶用意してたから、王雅の分渡すのが遅くなっちゃったね。あんなに言うくらいだもん、凄くノド乾いてたのよね。はい、お待たせ」


 美羽は、俺が麦茶を早く飲みたくて見つめていると勘違いしたようで、麦茶が入ったグラスを笑顔で渡してくれた。




 ちっ、が――――うっっっ!!




 こっち方面、全然通じねえな、この女。こーいうアンテナは一切働いてねーんだな。
 恋愛に無縁で、身内にホの字だったくらいだから、仕方ないのか。
 でも、SPに気づく位だから、もうちょっと俺のキモチ、察してくれたっていーのに。

 手渡された麦茶を見つめて、ため息をつきたくなった。
 自分で飲み物を取りに行け、と騒いで追い出した手前、飲まないと変に思われるよな。
 仕方なく、飲みたくもない麦茶を飲んだ。冷えてて美味かったけど、ホント・・・・何とかしたい。

 じゃないと、マジで身体がおかしくなる。

 こうなったら、遠回しに言っても伝わんねーから、ハッキリ言うしかないよな。
 愛してる。だから、お前としたい。頼むから、ヤらせてくれって。
 麦茶じゃなくて、お前のラブジュースを飲ませてくれ、渇き切った俺の身体に、潤いをくれって。

 ・・・・ダメか。

 そんな事言ったら、ビンタされて終わりだろーな。
 浮気しちゃうぞとか嘘言ったら、地獄が待ってるしな。
 はぁぁぁ。もう、どーすりゃいーんだ。明るいオトコの未来はお先真っ暗だぜ。





 おい美羽っ! もう、頼むから、このオトコの事情、お前が何とかしてくれ――――っ!!




 
 
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