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スマイル22
お菓子の家・3
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施設に戻ると、ガキ共に手厚いお帰り攻撃を受けた。
嬉しい。もう、毎日この攻撃受けたい。
明日からは、そんなあったかい出迎えも無い、無駄に広い、空寒い自分の家の部屋に帰らなきゃいけないのか――考えただけで、スゲー憂鬱で泣きそうになる。いや、本当には泣かないけど、そんくらい憂鬱だってコトだ。
やっぱ、美羽に頼んで、俺もここに住もうかな。
これから作るお菓子の家、ちょっと残してもらって、ここに住んじまおうかな。
って、やっぱ、ダメだよな。
それに、施設に住んじまったら、俺、美羽に手を出す絶大な自信がある。
だから、とてつもなくマズイ。
好きな女と一つ屋根の下なんて、すぐに間違いが起こるに決まってんだろ。そんなの、間違いだらけだ。起こさない男がいたら、お目にかかりたいぜ。
実は土日の泊りでさえ、ちょっと大丈夫かな、って不安なんだ。
一触即発の気持ちを、根性で堪えてるだけだからな。そんな危ないギリギリのライン、何かの拍子にすぐに突破しちまうだろ。ただ、そんな事になったら今後が困るんだ。
まあ、土曜日の一日だけなら何とか堪えられるだろうけど、でもなぁ・・・・そーいうの、美羽のヤツ、解かってんのかな。危機感、持ってんのかな。
これが、俺の事を信頼、信用してるってヤツなのか?
悪いけど、俺にはそんなの通用しねーぞ。野獣だからな。大人しい飼い犬とかじゃねーんだ。
そんな俺がプッツンして暴走したら、自分でも止められねーぞ。止めれる気がしねえもん。
まあ、施設の出禁――出入り禁止――を喰らったら俺は間違いなく廃人になるだろうから、やっぱ根性で堪えるしかねーか。
美羽もそうだけど、ガキ共も失う訳にはいかねーんだ。
色々考えていると、思い当たることがあった。
そういえば最近、美羽とキスしてねーぞ! これはイカン。大問題だ。早急に何とかしなければ。
今は俺様が手を出さないように、我慢してやってるからな。
でも、我慢も限界だぜ、いい加減。
ちょっとくらい、前みたいに強引にやってやろうかな。
でも、しちゃったら・・・・
・・・・ヤバいな。色々我慢してる分、歯止めきかなくなっちまうだろーな。
もう、あっという間だろ。そーなったら、坂道を転がるより簡単だな。
美羽を、俺の手で無理矢理――って、悪夢の再現だけは、絶対にダメだかんな、俺。
同意が取れるまで、我慢だ。堪えるしかねーんだ。
でも、そんな同意、何時取れんだよ?
明日にでも取れるっつーなら、今日一日くらい、って努力で堪えられるけどさ。
取れるかどうか保証もねーし、わかんねーんだ。
だから余計、辛くなる。
はぁぁ。俺様ともあろうものが・・・・女日照りがずっと続いてんだ。もう、アッチ方面乾きすぎだぜ。マジで。
言っとくけどな、俺がホンキ出したら、女なんか幾らでもタベホーダイできちゃうんだぜ?
こないだも、スゲー美人に一晩誘われちゃったんだ、浮気してもいーのかよ、って言ってやりたい。
だから、早く俺との関係を進めようぜ、って。
でも、そんな事言ったら、勝手にすれば? って絶対言うよな、美羽のヤツ。
どうぞご自由に、とか笑顔で言われたら、俺・・・・どうしよう。そうなったら、ゴメンナサイって言うしかねーよな。
浮気なんてお前の気を引くためのウソなんだ、冗談だ、お前一筋の俺様が浮気なんてするわけねーだろ、お前しか欲しくないんだ、って謝って通じるかな。美羽のヤツ、許してくれるかな。
やっぱりそうよね、思った通りよ、私が思い通りにならない貧乏女だから、ちょっかいかけてただけなのね、って美羽は笑って言うだろう。
じゃあ、どうぞ美人の彼女の方に行って仲良くすればいいじゃない、もう二度と私に近づかないでね、サヨウナラ――
待ってくれ! ダメだ!! 今のはナシ! 違うっ、嘘なんだ!!
俺はお前しか要らないんだって!!
マジなんだ! 信じてくれ!!
もう言わないっ! 絶対言わないから!!
俺が悪かったっ、頼むからそんな事言わないで、赦してくれ美羽っ、お願いします――
ヤバイ。コレ、マジの地獄だ。浮気うんぬんなんて、口が裂けても絶対に言えねー。サヨナラなんて、俺を殺す気か!
冗談でもそんな事言っちゃお終いだ。美羽はもう二度と、俺の事信用してくんなくなりそーだ。
――って、なんで俺様が想像だけでこんなに焦って、お前にペコペコ謝んなきゃいけねーんだよ!
はぁぁぁぁ・・・・。何かバカみたいな事を色々考えすぎて、余計ブルーになっちまった。
やっぱ、今の状態で施設住まいはちょっと無理だな。ハードル高すぎるぜ。
嬉しい。もう、毎日この攻撃受けたい。
明日からは、そんなあったかい出迎えも無い、無駄に広い、空寒い自分の家の部屋に帰らなきゃいけないのか――考えただけで、スゲー憂鬱で泣きそうになる。いや、本当には泣かないけど、そんくらい憂鬱だってコトだ。
やっぱ、美羽に頼んで、俺もここに住もうかな。
これから作るお菓子の家、ちょっと残してもらって、ここに住んじまおうかな。
って、やっぱ、ダメだよな。
それに、施設に住んじまったら、俺、美羽に手を出す絶大な自信がある。
だから、とてつもなくマズイ。
好きな女と一つ屋根の下なんて、すぐに間違いが起こるに決まってんだろ。そんなの、間違いだらけだ。起こさない男がいたら、お目にかかりたいぜ。
実は土日の泊りでさえ、ちょっと大丈夫かな、って不安なんだ。
一触即発の気持ちを、根性で堪えてるだけだからな。そんな危ないギリギリのライン、何かの拍子にすぐに突破しちまうだろ。ただ、そんな事になったら今後が困るんだ。
まあ、土曜日の一日だけなら何とか堪えられるだろうけど、でもなぁ・・・・そーいうの、美羽のヤツ、解かってんのかな。危機感、持ってんのかな。
これが、俺の事を信頼、信用してるってヤツなのか?
悪いけど、俺にはそんなの通用しねーぞ。野獣だからな。大人しい飼い犬とかじゃねーんだ。
そんな俺がプッツンして暴走したら、自分でも止められねーぞ。止めれる気がしねえもん。
まあ、施設の出禁――出入り禁止――を喰らったら俺は間違いなく廃人になるだろうから、やっぱ根性で堪えるしかねーか。
美羽もそうだけど、ガキ共も失う訳にはいかねーんだ。
色々考えていると、思い当たることがあった。
そういえば最近、美羽とキスしてねーぞ! これはイカン。大問題だ。早急に何とかしなければ。
今は俺様が手を出さないように、我慢してやってるからな。
でも、我慢も限界だぜ、いい加減。
ちょっとくらい、前みたいに強引にやってやろうかな。
でも、しちゃったら・・・・
・・・・ヤバいな。色々我慢してる分、歯止めきかなくなっちまうだろーな。
もう、あっという間だろ。そーなったら、坂道を転がるより簡単だな。
美羽を、俺の手で無理矢理――って、悪夢の再現だけは、絶対にダメだかんな、俺。
同意が取れるまで、我慢だ。堪えるしかねーんだ。
でも、そんな同意、何時取れんだよ?
明日にでも取れるっつーなら、今日一日くらい、って努力で堪えられるけどさ。
取れるかどうか保証もねーし、わかんねーんだ。
だから余計、辛くなる。
はぁぁ。俺様ともあろうものが・・・・女日照りがずっと続いてんだ。もう、アッチ方面乾きすぎだぜ。マジで。
言っとくけどな、俺がホンキ出したら、女なんか幾らでもタベホーダイできちゃうんだぜ?
こないだも、スゲー美人に一晩誘われちゃったんだ、浮気してもいーのかよ、って言ってやりたい。
だから、早く俺との関係を進めようぜ、って。
でも、そんな事言ったら、勝手にすれば? って絶対言うよな、美羽のヤツ。
どうぞご自由に、とか笑顔で言われたら、俺・・・・どうしよう。そうなったら、ゴメンナサイって言うしかねーよな。
浮気なんてお前の気を引くためのウソなんだ、冗談だ、お前一筋の俺様が浮気なんてするわけねーだろ、お前しか欲しくないんだ、って謝って通じるかな。美羽のヤツ、許してくれるかな。
やっぱりそうよね、思った通りよ、私が思い通りにならない貧乏女だから、ちょっかいかけてただけなのね、って美羽は笑って言うだろう。
じゃあ、どうぞ美人の彼女の方に行って仲良くすればいいじゃない、もう二度と私に近づかないでね、サヨウナラ――
待ってくれ! ダメだ!! 今のはナシ! 違うっ、嘘なんだ!!
俺はお前しか要らないんだって!!
マジなんだ! 信じてくれ!!
もう言わないっ! 絶対言わないから!!
俺が悪かったっ、頼むからそんな事言わないで、赦してくれ美羽っ、お願いします――
ヤバイ。コレ、マジの地獄だ。浮気うんぬんなんて、口が裂けても絶対に言えねー。サヨナラなんて、俺を殺す気か!
冗談でもそんな事言っちゃお終いだ。美羽はもう二度と、俺の事信用してくんなくなりそーだ。
――って、なんで俺様が想像だけでこんなに焦って、お前にペコペコ謝んなきゃいけねーんだよ!
はぁぁぁぁ・・・・。何かバカみたいな事を色々考えすぎて、余計ブルーになっちまった。
やっぱ、今の状態で施設住まいはちょっと無理だな。ハードル高すぎるぜ。
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