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最終・貴方の事は笑顔で見つめますが、何か?(結婚式です!)

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 Rainbowも順調に売れている。紗々の神保さんが京都の大きな百貨店に売り込んでくれた為に、そこで特設コーナーを作って貰ったのだ。サイズや色も豊富にあって、履きやすいという事で売れ行きが好調。紗々を通して百貨店側から結構な追加受注をいただけたのだ。
 更に浅岡専務からもお褒めの言葉を頂いた。どの取引先からも好評だから、また千足追加してよ、と。希望の色も作って欲しいという要望を貰ったので、今後は百足単位なら取引先ご希望の色での特別生産も受ける事にした。


 そして、今。
 シンプルで真っ白なドレスをお花でいっぱいに飾ったものを着て、プレゼントして頂いた最高のパンプスに足を入れた。私は今日、最強の花嫁衣裳の装備をしているのだ。

 ガチガチに緊張しているお父さんの腕を取って、結婚式の入場曲を聴きながら、高丸さんが私の為だけに作ってくれたパンプスを履いて、成彰さんの下へ向かった。


 バージンロードの上を、一歩、一歩、しっかり歩いた。
 その先で待ってくれている成彰さんに、少しずつ近づいていく。


 もし。もしも、だ。
 成彰さんがあの時助けてくれずに、神原の下へ嫁いでいたら、きっと今の幸せな私は無かっただろう。
 好きな人に抱かれる経験もなく、辛く、苦しい日々を過ごしていただろう。

 だからそれを忘れないように、私は成彰さんと共に毎日を楽しく生きていきたい。


 成彰さんの下へ到着した。プロの司会の方が進行を務めてくれる。司会の女性が原稿を読み上げ、私達の紹介をみんなにしてくれた。
 今回は人前結婚式なので、「結婚の宣誓」、「結婚証明書への署名」、「指輪交換」の三つを行う予定だ。

「それでは、次に新郎新婦より結婚の誓いの言葉を述べさせていただきます。成彰さん、紗那さん、お願いいたします」

 新郎の成彰さんが、先ず受け取ったマイクでみんなに語り掛けた。

「皆様、本日はお忙しい中、わたくしどもの結婚式にお集まりいただき、誠にありがとうございます。ご承知の通り、私たちは既に入籍を済ませ、夫婦となりましたが、本日はふたりの絆をさらに強くするために、みなさまの前で誓います」

 堂々とした口調で、真っすぐ前を見据えて言う成彰さん。頼もしく、素敵だ。
 二人で順番に誓いの言葉を読み上げ、続いて結婚証明書(結婚誓約書)に、私たちと立会人が署名した。福士社長は高丸社長が、私はお父さんが書いてくれた。
 そしてお互いに指輪の交換、参列してくれたみんなに結婚の承認の拍手をして貰った。盛大な拍手をいただき、じーんと感動した。
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