【R18】お前が好きだから、仕方なく付き合ってやる ～笑顔でお断りしましたが、何か？～

５．どういう訳か、結婚の約束をさせられてしまった（困惑）

２

　靴は足元のお洒落。この靴を履いて、楽しい気分になって貰るような、わくわくするような、そんな気持ちになるような商品にしなきゃ。ロングセラーは狙えない。


　開発部でも無いのに、あれこれ考えた。インソール一万足分の材料を使わなきゃならないから、スニーカーを作るほかないだろうが、もっと何かないだろうか。鉄板のもの････。


　意味も無く立ち上がり、その場をウロウロしているうちに足元が目についた。今、私が履いている靴は、下ろしたての高丸パンプスで、ヒールが九センチのものだ。ゴムはスギウラで作ったものだから、持ちが良くて履きやすい。通常のワイズ（足囲）はE――これは、日本の女性というか、世界の女性の多くがこの大きさと認定されているようだが、実は最近は細い人が増えてきたので、Eでは大きい場合もある。しかしまだまだ一般的に知られているのは、このEというワイズのサイズ。
　ワイズというのは、親指と小指の付け根の部分の幅のことで、端から周りを測った長さを指す。このワイズに関して、日本ではJIS（日本産業規格）で決められた八種類の幅がある。細い方からA・B・C・D・E・EE・EEE・EEEE。Eや３Eは聞き馴染みがあると思う。

　でも、その先はF、G、Hみたいにはならない。Eから先は何故かEを増やすのみで、謎のシステムとなっている。私もその辺はどうしてなのかは解らない。誰が考えたのだろう。ブラジャーの表記と一緒くたになるのを避けたのだろうか。謎である。


　そんな標準のワイズEに合わせて作られた、高丸のパンプス。


　ヒールは九センチと高いからハイヒール部類に入るけれど、傾斜の付いた中で歩きやすさと美しさのバランスが見事に調和されているのが、九センチのパンプスだそうだ。本来日本人の平均身長から考えると、七センチのヒールが無理なく美しいとされているが、やはりハイヒールでお洒落にこだわるなら、九センチは欲しい。足の美しさの引き立ちが違う。

　ハイヒールは、仕事を頑張るオフィスレディ―の戦闘シューズ。
　毎日履くものだからこそ、苦楽を共にできなきゃいけない。



　私はパンプスの絵コンテを描いた。リクルートパンプスは可愛くないのが惜しい。
　仕事用だから仕方ないのだろうが、それにしてももっと可愛いパンプスは････――