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最終・物語の終焉は大抵ハッピーエンド(結婚)で決まりです!
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しおりを挟む「美緒っ。ネクタイ曲がっていないか?」
「もう、さっきから何度目? お姉ちゃんの時もやったじゃん。しっかりしてよー」
「いや、そうは言ってもこう急に二人も見送るとなれば覚悟とか色々・・・・」
うっせえな、コラ――鬼に見つかったら怒られそうな言葉遣いが、思わず口をつきそうになった。アブナイ、アブナイ。寸前で何とか堪えた。
今日はその鬼・・・・じゃなかった。愛しのダーリン、道弘さんとの結婚式。
今、バージンロードを歩くべく準備中。今着用しているAラインのオフショルドレスは、吟味の末にイチ君が選んでくれたものだ。何枚も買ってくれるっていう有難いお言葉は辞退して、一枚だけご祝儀代わりに買ってもらったものだ。
とにかく大勢の式は嫌だって私も道弘さんも反対したから、小さな教会で家族式。三成家ナンバーワン執事と義妹の結婚式なのに、とブチブチ言うイチ君を黙らせたので、今日の参列者はうちの家族とギンさん、イチ君とお姉ちゃん夫婦。そして白雪お嬢とお父様が来てくれた。
家族式だけれど、美緒と中松の結婚式は絶対に行くから、招待してくれなきゃ絶交してやる、ってお嬢に脅されたのよね。相変わらずのお嬢は、ピアノやお花のような堅苦しい習い事は向いてないと一蹴して止めてしまい、妹の明菜と一緒のサッカーチームに入った。大活躍していると明菜から聞いている。猫被っているから、サッカーチームで人気者になり、友達もたくさんできたって!
あのクソ生意気だったお嬢の成長ぶりが聞けて、私はとても嬉しいよ。ほろり。
そんな余談はさておき、隣の自分の親父だよ。親父!
っとに情けないな。
「しゃんとしろよ、コラ」
「ん!? なんか恐ろしい声が聞こえたような・・・・!?」
しまった。つい本音が!
思っている事、口に出して言ってしまったぁー。
「気のせいでしょ」慌てて誤魔化した。「私もお姉ちゃんも、ずっとグリーンバンブーに出入りしているし、イチ君や道弘さんっていう家族が増えた事を喜ぶべきじゃん! 悲しんでどーすんのさ」
「はっ。そうだな! 確かにそうだ。美緒、ありがとう。緊張が取れたよ」
「ふふ。合図されたよ。さ、行こう! 道弘さんが待ってるから」
私とお父さんは手を取り合って、式場へ。
小さな教会内に敷かれたバージンロードを背筋を伸ばして歩き、大好きな道弘さんの下へ。
お父さんから道弘さんにバトンタッチされ、彼をしっかり見つめた。
これからは、この人とも家族になる。
私は絶対、自分の家族と道弘さんと、みんなで幸せになるんだ。
「新郎、中松道弘。あなたはここにいる緑竹美緒を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、妻として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」
牧師様からの誓いの言葉に、道弘さんは、はい、と真剣な眼差しを向けて誓ってくれた。
「新婦、緑竹美緒。あなたはここにいる中松道弘を、病める時も、健やかなる時も、富める時も、貧しき時も、夫として愛し、敬い、慈しむ事を誓いますか?」
「はい」
そして誓いのキス。
何度も交わした甘く激しいキスじゃなくて、唇が触れ合う優しいキス。
おめでとう、と家族からの言葉と拍手に包まれ、私は道弘さんと腕を組んで歩いた。
「今日の美緒、すごく可愛い。今夜、覚悟しておけよ」
こんな時でもこっそり耳元で囁いてくる、鬼ダーリン。
「ちょっと、今言う事なの?」
「思った事はすぐ言わないと。後悔したくないしな」
何処かで聞いた台詞だ。
「もう絶対に、誰にも渡さない。美緒は俺だけのものだからな」
再び熱い吐息を吹きかけられ、身体がぎゅっとなった。
耳攻め大好きなドS鬼執事の執愛が、
これから永遠に続いて行く証――
-完-
※作者からひとこと※
最後更新が遅くなってしまい、申し訳ございませんでした。
最後まで応援下さり、本当にありがとうございました。
次回作でお会いしましょう!!
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