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12.本気の若頭 VS 本気の姐さん 勝利はどちらに!?

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「中松さんは、私がノーとでも言うと思っていたの?」

 彼は私を見つめるだけで答えない。しかし流石だ。表情が一切崩れない。

「若頭ともあろう男が、野暮な事を聞かないで。私は貴方が好きなの。私の心はいつだってひとつよ」

 はっきりと、中松さんに伝えた。

「私の命、中松さんに預ける。だから一生私の傍に居て私を守って。私も、中松さんを守るから」

「ホント・・・・美緒には負けたぜ。俺みたいな男を守りたいなんて言ってくれて・・・・でも、ありがとう。嬉しい」

 はわわー。またまたキュンとなる素敵な笑顔をいただきましたぁ!
 さっきまで鬼みたいな怖い顔していたのに、あぁんもう、ずるい!
 好き!

「無茶はもうできるだけしません。心配かけてごめんなさい」

「できるだけ、じゃなくて絶対しないで欲しい」

「それは・・・・最大限努力します」

「美緒。困ったら先ず俺に言う事。一人で解決せずに、二人で解決しよう。俺も困ったら美緒に相談するから」

「中松さんも困る事ってあるの?」

「ある。今、すごく困ってる」

 えええー。中松さんでも困る事ってあるんだぁ!?

 
「えっ!? 何? 私に解決できる? 全力でお手伝いするわ!」

「お前が欲しいって言ったら? 全力で手伝ってくれるのか」

 きゃあああーん!
 お前が欲しいだって!
 お前が欲しいだって!(大事な事だから、二回も言っちゃった!)

「ええ、勿論よ。今日、勝負するつもりだったんだから! 受けて立とうじゃないの」

「くくっ。美緒らしいな。できればその勝負、負けて欲しいんだけどなあ」

「何でっ」

「俺に、愛させてくれよ」




 ずぎゃ――――ん!!




 その甘い台詞、反則ですわ、若頭!
 ホント、何でも十枚くらい上手だ。絶対に敵いっこない男。
 私が目を見開き、固まった所で彼の熱い唇が降って来た。
 
 それこそ、何時までも勝負勝負って言っていたら、野暮ってモンだよね。
 そう思って私は目を閉じ、中松さんの首筋に自分の腕を絡ませて彼の唇を甘受した。
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