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11.若頭とのデートは波乱万丈でございますっ!
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しおりを挟む「早速だけど、何処へ連れて行ってくれるの?」
「何処がいい? 美緒が行きたい所へ連れて行ってやる」
「うそーっ。いいの? じゃあ――」色々考えたが、普通の王道デートならここでしょ。「遊園地!」
「ゆ・・・・うえんち?」
意外な言葉だったらしく、中松さんは若干引きつったような気がする。しかしサングラスの奥に隠れた瞳の様子は、残念ながら見えなかった。
「何処でもいいんでしょ?」
別に場所はどこでもいいんだけど、中松さんがどんな風にエスコートして、普通のデートがどこまでできるのかを検証してみたいので提案したの。若頭にそんな普通のデートなんかできるのかしら?
「解った。ドライブがてら、東京ランドでも行こうか」
ああ。リバース連中がよくグループデートしている遊園地ね。これは、解る人だけ解ってちょーだい。(さぶれフリークの方ありがとう!)
「そうと決まれば、目的地は東京ランド。出発進行よ!」
「了解」
楽しそうに中松さんはアクセルをぐっと踏み込んだ。
という訳で着いた先が東京ランド。そこそこの規模の遊園地だ。
子供向けアトラクションが充実しているエリアもあり、どちらかといえばファミリー向けと思いきや、絶叫系アトラクションやイベントも充実しているので、オールマイティーな年代に支持されている。
「何から乗る?」
「美緒が決めろよ」
「えー、いいの? それより中松さんは、絶叫系イケるクチ?」
「イケなかったらそもそもこんなトコ来ない」
「それもそうか」
一本取られた。
「失うものが何もない男は、怖いものなんかない」
くうー。カッコイイ台詞!
普通の男はこんな事絶対に言わない!!
私には想像も及ばない世界を生き抜いてきた男だからこそ、言える台詞なんだと思った。また惚れ直す。
「じゃあさ、お化け屋敷でも大丈夫なの?」
「俺みたいなヤツが、お化け屋敷入って怖いとか言ってたらキモいだろ」
「確かに」
「そういう事だ。お化け屋敷みたいなものは、絶対に安全だと解っているから入れる所なんだ。これがドンパチやっている最中の組事務所だったらどうする? 誰も入らないだろ」
「だね。発砲されるかも、だし」
「百パーセント安全な所だって、頭で解っているから入れる。だから、そういう所じゃ無い限り、誰でも行けるんだよ。ていうか、そういう所でも別に俺は構わねえけど」
「守るものがないから?」
「そうだ」
「どうして無いって言うの? もうあるじゃん」
「どこに」
「ここ」
私は自分を指した。「私がお嬢にハメられて困っていた時、一番に駆けつけてくれたじゃん。それに、イチ君もお姉ちゃんも、みんないる。中松さんは、みんなを守って行かなきゃ」
「・・・・」
あれ。外しちゃった?
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