【R18】幼馴染の専業ニセ嫁始めましたが、どうやらニセ夫の溺愛は本物のようです

さぶれ@6作コミカライズ配信・原作家

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4.ファースト・キスは、旦那様(ニセ)と!?

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 あああ――っ。緊張しているから、つい狸寝入りなんぞしてしまったあぁぁ――!

 ちぃくしょぉおおお――――! 一矢と色々話すチャンスだったのにいいい!

 でも、いざ対面したら多分恥ずかしくて何を話していいのか解らないから、丁度良かったかも!


「伊織、美佐江の許可は取れたぞ! 明日もここへ泊りだ。・・・・ん、寝てしまったのか?」


 反応が無いので私が寝たと思ったのだろう。一矢が布団をめくり、ベッドの中で寝たふりをしている私を覗き込んで来た。



 きゃああああ――――!
 近い近い近い近いぃいいいいいい――――!!



 心臓が飛び出てしまうのではないかと思う位、ドキドキとした。
 息遣いで狸寝入りを見破られないように、死ぬ程苦労させられた。

「何だ、色々話そうと思っていたのに、しかも主人を置いて先に眠ってしまうとは残念だな。まあ、無理な修行で中松にしごかれただろうし、疲れたのだろう。ゆっくり休むといい。明日に備えて私も寝るとしよう」

 残念だと思ってくれていたの!
 私と一緒で、色々話そうと思ってくれていたなんて!
 嬉しい。・・・・嬉しいよ!!

 室内の電気が消された。目を閉じているから解らないけれど、雰囲気で一矢が私のすぐ横にやって来た。
 えーっ。このベッド、めちゃくちゃ広いのに、何でこんな密着しちゃうわけぇ!?
 おおおおー。どうすればー。
 焦っていると、頬をつつかれた。「伊織? 寝ているのだな? 本当に眠っているのだな?」


 何の確認だぁ――! くすぐったいし、今更狸寝入りがバレたら怒られそうだから、ううーん、と寝がえりを打つフリをした。すると誤った事に、一矢の方を向いてしまった。
 しまった・・・・! 焦って方向を間違えた・・・・!
 しかし元には戻せず、そのままでいなくてはいけなくなってしまった。
 一矢が更に近づく気配がする。


 きゃああああ――――!
 更に近い近い近い近いぃいいいいいい――――!!


 ど、どどど、どうしよう。吐息が・・・・近い。感じる。一矢の息!
 うわあああー。ちゃんと歯磨きしたけど、息臭くないよね!?
 どうにか息を止めたい! でもそんなことをしたら死ぬ・・・・!!



「お前のファーストキスは、主人であるこの私のものだ。誰にも渡さない・・・・」




 え? 何か言ってる?


 一矢の低い呟き声がぼそぼそと聞こえた。何て言ったのか解らないからなんだろうと思ったら、次の瞬間――


 柔らかい彼の唇が、私の唇を覆っていた。


 
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