薔薇の勇者の軌跡

なすのにびたし

文字の大きさ
上 下
8 / 21
第2章:勇者ソーンと脅かされた農村

チャプター3

しおりを挟む
「……ん、俺の研究か?」

「そうそう!」

 それはつまり俺の観察日記を書くと言うことか?

「まあ、いいけど。じゃあ律はどうする?」

「……僕は春樹を研究するから」

「えっ、それって俺だけタマの研究ってこと?」

 思わず二人の方を向いた。
 すると二人ともポカンとした表情をしていた。

「ん? オレは気にしないけど、もしアオが気にするなら律の研究でもすればいいだろ。なあ律」

「うん」

 律の言葉がきっかけになった。
 別にタマにこだわっているわけでもないし、こうなったら幼なじみたちを徹底的に研究してやろう。

 はるちゃんに「じゃあ俺も律の研究する」と伝えると、満面の笑顔がかえってきた。

「よし! それじゃあアオに質問なっ!!」

 好きな食べ物に趣味。
 そういった俺の好みを、確かめるようにはるちゃんが質問していく。
 自分でも知らなかった癖を言い当てられたのはビックリした。
 そしてはるちゃんだけでなく律も把握していたらしい。
 というか律の方がよく知っていたほどだ。

「あとは、身長と体重だな!」

「たぶん140と30だっけ」

「……蒼翔、嘘はダメ。139と28だった」

 思い出しながら答えた俺に、律が声を上げる。

「いやいや何で知ってるんだよ?!」

「律はアオのことよく見てるもんな~」

 はるちゃんは口の端をぺろっと舌でなめると、その情報をノートに記入していった。
 すでに片面のすべてが文字で埋め尽くされている。
 ノートの左下から右上へはるちゃんの手が動いていく。

「よし!」

 と、はるちゃんが鉛筆を机に置いた。

「じゃあアオ、服ぬいで?」

 なんで、と視線で問いかければ答えてくれる。

「アオの絵を描くからだけど」

「……蒼翔の研究を紙に書くなら、絵は必要」

「いやいや、なんで裸じゃないとダメなんだよ」

 堪えきれずに笑うと二人は顔を見合わせる。
 よくいがみ合ったりするくせに、こういうときは息がぴったりだなぁ。

「その方がアオのことをよく知れるだろ?」

 ……言ったな?

「じゃあはるちゃんも律の研究で服ぬげよ」

「もちろん!!」

 予想とは違って躊躇なく言い切るはるちゃん。
 数秒くらいは迷うものだと思っていたんだけど。

 と、そこではるちゃんが律にこっそり何か伝えたことを思い出した。
 そして愕然とする。

 ……まさかはるちゃん、いままでのことって全部計算済みなのか?

 嫌な予感がして、おそるおそる律に問いかける。 
 はるちゃんはともかく、律はこういうのが苦手なはずだ。

 水泳とか、お風呂でもいつも身体を隠しているし、律も恥ずかしいからと呟いていた。

「なあ、もしかして律も俺の研究するとき服、ぬぐのか?」

 はるちゃんがお菓子をつまむのをやめて律に注目する。
 その表情はニヤニヤとしていて、面白がっているようにみえた。
 筆箱の上に鉛筆をころがして、律はキッとはるちゃんのことを睨む。

 そして一度だけ視線をさまよわせたあと上目遣いでこちらを見た。

 そのまま数秒くらい沈黙してから、ためらうように口を開いた。

「蒼翔になら、何されたっていい」

 口を閉じると耳を赤く染めた。

「そ、そうか」

 なんだか俺まで恥ずかしくなってきた。
 はるちゃんが真っ赤になった律をからかってすごく怒られている。

「アオ、俺たちもぬぐんだから、いいよな!」

「……わかったよ」

 そうして俺は服をぬいでいった。
 パンツだけの姿になった俺に、はるちゃんは言い募った。

「パンツも!!」

 いやいや、うそだよな?

「……はるちゃんが先にぬげよ」

「おう」

 さすがに冗談だよな、と思っていたら、はるちゃんは迷いなく服をぬいでいった。
 たまらず律に話しかけた。

「なぁ律。はるちゃん本当にぬいだんだけど、どうしたらいいと思う?」

「蒼翔もぬげばいいと思う」

 律も乗り気か!
 思わず天を仰いだ。

「ほらアオ、ぬぎ終わった!」

 そうしてはるちゃんが見せてきたのは、スポーツをして適度に筋肉のついた身体だった。
 その日焼けのあとから、普段ノースリーブのシャツを着ていることがわかった。

「ほれほれ」

 はるちゃんは腰をふって、ブラブラとちんこを揺らしている。
 皮が半分むけているからピンク色の亀頭が露出している。
 恥ずかしくないのか。うん、そういう性格じゃなかったな。

「……春樹は動かないで」

「おう!」

 律がはるちゃんに近づいていく。
 その片手にはメジャーがあった。

 そっと下からすくい上げるようにして、ちんこを測りはじめる。

「……それ、自由研究にも書くのかよ?」

「……そんなわけない、と思う」

「え、二人とも書かないのか?!」

 はるちゃんは常識を一から学び直せばいいと思う。

「……長さが5センチで、周りが6.5センチ」

 律はそう口にしながら、紙に書いていった。

「じゃあ次」

 そうしてちんこの皮が根元までおろされる。
 先端のふくらみにさしかかると、ペロンとめくれた。

「……皮はむけてる、と」

 好奇心があったのか、まるで「へぇ、他の人のはこんな感じなんだ」という表情をしている。
 俺は律がしていることを黙って眺めていることしかできなかった。

「ふふん」

 律はこれを二度、三度とはるちゃんが勃起するまで続けた。

「10センチ」

「じゃあ次アオの番な!」

「……わかった」

 俺は二人ともやめる気がないのを確認して観念した。
 パンツをぬいだ。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうやら生まれる世界を間違えた~異世界で人生やり直し?~

黒飴細工
BL
京 凛太郎は突然異世界に飛ばされたと思ったら、そこで出会った超絶イケメンに「この世界は本来、君が生まれるべき世界だ」と言われ……?どうやら生まれる世界を間違えたらしい。幼い頃よりあまりいい人生を歩んでこれなかった凛太郎は心機一転。人生やり直し、自分探しの旅に出てみることに。しかし、次から次に出会う人々は一癖も二癖もある人物ばかり、それが見た目が良いほど変わった人物が多いのだから困りもの。「でたよ!ファンタジー!」が口癖になってしまう凛太郎がこれまでと違った濃ゆい人生を送っていくことに。 ※こちらの作品第10回BL小説大賞にエントリーしてます。応援していただけましたら幸いです。 ※こちらの作品は小説家になろう、カクヨム、ノベルアップ+にも投稿しております。

平凡な俺、何故かイケメンヤンキーのお気に入りです?!

彩ノ華
BL
ある事がきっかけでヤンキー(イケメン)に目をつけられた俺。 何をしても平凡な俺は、きっとパシリとして使われるのだろうと思っていたけど…!? 俺どうなっちゃうの~~ッ?! イケメンヤンキー×平凡

傷だらけの僕は空をみる

猫谷 一禾
BL
傷を負った少年は日々をただ淡々と暮らしていく。 生を終えるまで、時を過ぎるのを暗い瞳で過ごす。 諦めた雰囲気の少年に声をかける男は軽い雰囲気の騎士団副団長。 身体と心に傷を負った少年が愛を知り、愛に満たされた幸せを掴むまでの物語。 ハッピーエンドです。 若干の胸くそが出てきます。 ちょっと痛い表現出てくるかもです。

お前ら、、頼むから正気に戻れや!!

彩ノ華
BL
母の再婚で俺に弟が出来た。義理の弟だ。 小さい頃の俺はとにかく弟をイジメまくった。 高校生になり奴とも同じ学校に通うことになった (わざわざ偏差値の低い学校にしたのに…) 優秀で真面目な子と周りは思っているようだが…上辺だけのアイツの笑顔が俺は気に食わなかった。 俺よりも葵を大事にする母に腹を立て…家出をする途中、トラックに惹かれてしまい命を落とす。 しかし目を覚ますと小さい頃の俺に戻っていた。 これは義弟と仲良くやり直せるチャンスなのでは、、!? ツンデレな兄が義弟に優しく接するにつれて義弟にはもちろん愛され、周りの人達からも愛されるお話。

真面目系委員長の同室は王道転校生⁉~王道受けの横で適度に巻き込まれて行きます~

シキ
BL
全寮制学園モノBL。 倉科誠は真面目で平凡な目立たない学級委員長だった。そう、だった。季節外れの王道転入生が来るまでは……。 倉科の通う私立藤咲学園は山奥に位置する全寮制男子高校だ。外界と隔絶されたそこでは美形生徒が信奉され、親衛隊が作られ、生徒会には俺様会長やクール系副会長が在籍する王道学園と呼ぶに相応しいであろう場所。そんな学園に一人の転入生がやってくる。破天荒な美少年の彼を中心に巻き起こる騒動に同室・同クラスな委員長も巻き込まれていき……? 真面目で平凡()な学級委員長が王道転入生くんに巻き込まれ何だかんだ総受けする青春系ラブストーリー。 一部固定CP(副会長×王道転入生)もいつつ、基本は主人公総受けです。 こちらは個人サイトで数年前に連載していて、途中だったお話です。 今度こそ完走させてあげたいと思いたってこちらで加筆修正して再連載させていただいています。 当時の企画で書いた番外編なども掲載させていただきますが、生暖かく見守ってください。

騎士団長を咥えたドラゴンを団長の息子は追いかける!!

ミクリ21
BL
騎士団長がドラゴンに咥えられて、連れ拐われた! そして、団長の息子がそれを追いかけたーーー!! 「父上返せーーー!!」

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

無気力な男の子は今日もクズ

さぁぁああぁぁい
BL
主人公無気力クズ総攻め好きな子いらっしゃい!!!!! 受けは美形しか居ません! 無気力のはずがクズになってきたから!攻めクズいいねってなってきた リクエスト受け付けてます スランプすぎて亀さんです

処理中です...