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接近遭遇(遭遇後)
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廃集落の調査を行っていたメンバーと合流した観察者たちは、一様に興奮の面持ちで撮影したばかりのマナの解析を行っていた。
水晶に入った本物のマナの保管に携わるのは、今日のミッションで現地のミアキスヒューマン達と接触した面々だ。
「まさか本体が入手できるなんて思ってもいなかった」
「大変な収穫だ。このまま厳重に保管してヴィナーマに運ぼう」
「だけど僕たちが近付くとミアキスヒューマン達が脅えるのはどうにかならないかな」
「ネオ・ミアキスと僕たちは会話ができるのにな」
「現地のミアキスヒューマン達とも話をしてみたいものだよ」
旧式の赤外線カメラが目には見えない極低温の温度現象として海のマナの撮影に成功していたらしい。モニターを覗き込んでいる解析班が俄かに色めき立つ。
「見て、このクレーター。岩肌のところどころに低温の何かが貼りついてるの、ほら。ここ」
「本当だ、何だろう」
「兵士が一人近付いていった、なにをする気だろう、あ、待って!今のもう一度巻き戻して!」
「低温の個所が周囲と同じ温度になったぞ!何をしたんだろう?別角度で兵士を撮った映像はない?」
こちらは磁気テープ撮影班とデータ映像撮影班が隊列の浮遊移動を見比べている。
「やった、映ってるぞ、物体浮遊現象が映ってる!」
「マナが作用している様子は??」
「ああ、駄目だ、やっぱりこちらの最新鋭機器はノイズがすごい」
「ある種の電磁波を発している可能性が高いという事かな」
「空気の屈折率はどうなってる?もしかしたらマナが空気を圧縮するなんらかの力を生じさせてごく小規模の密度の高い渦を生じさせるのかも」
「近接ドローンの映像は撮れました?」
「駄目です、近接ドローンは全滅」
「ううん、やはりドローンはダメかぁ。民族分化方面担当のニンフルサグさんから隊列の服飾の詳細な画像が欲しいって頼まれてたんだけど参ったな」
「それでしたら磁気テープ班のが使えないかな」
この調子では一晩中誰も休むことなくモニターに張り付いているかも知れない。
そんな仲間の様子を微笑ましく見ていた主任アベストロヒが「では私は少し出かけてきます」と最低限の調査機材をフロートに乗せる。
「明朝までには戻ります」
「いってらっしゃい、主任」
アベストロヒが一人出かけた先はアシルに広がる、常緑広葉樹と針葉樹林の混生する森だ。
二年前、大切な相棒を失った場所。
新米の若い個体が、先輩に問いかける。
「主任はどこに行ったの?」
「ナブネイドを探しに行ったんだ」
「ナブネイド?」
「うん、主任が可愛がってたネオ・ミアキスの子供がね」
ネオ・ミアキスと呼ばれるミアキスヒューマン星外環境適合種。その中に七つの黒斑を持つ、たれ耳のルプス派生種個体がいた。
アベストロヒはその個体にナブネイドと名付け、現地調査にも連れ出すくらいたいそう可愛がっていた。
その日も野外調査の一環でハフリンガー大陸の森に向かっていたのだ。フロートで着陸地点を探している時に現地で白竜と呼ばれる、翼竜プレシャスウイングに襲われ、バランスを崩したナブネイドはフロートから転げ落ちた。
正確には襲われたというより、白竜プレシャスウイング自身はフロートを突っかけたことなど意に介していなかったのだが、そんなことは誰も知る由はない。
「それが二年前の話でね」
「かなり低空で飛行していたし、もしかしたら枝葉がクッションになって上手い事地に落ちて生き伸びているかも知れないって、ああして休憩時間を探索に費やしているんだ」
「そうなんだ、見つかるといいね」
「見つかるさ、きっと」
最悪針葉樹の若木の幹に刺さって宙づりになって干からびた骸を発見する可能性だってあるかもしれないことは誰も口にしない。そんな悪い方向に考えたりするものはいない。
それが観察者たちの本質だ。
水晶に入った本物のマナの保管に携わるのは、今日のミッションで現地のミアキスヒューマン達と接触した面々だ。
「まさか本体が入手できるなんて思ってもいなかった」
「大変な収穫だ。このまま厳重に保管してヴィナーマに運ぼう」
「だけど僕たちが近付くとミアキスヒューマン達が脅えるのはどうにかならないかな」
「ネオ・ミアキスと僕たちは会話ができるのにな」
「現地のミアキスヒューマン達とも話をしてみたいものだよ」
旧式の赤外線カメラが目には見えない極低温の温度現象として海のマナの撮影に成功していたらしい。モニターを覗き込んでいる解析班が俄かに色めき立つ。
「見て、このクレーター。岩肌のところどころに低温の何かが貼りついてるの、ほら。ここ」
「本当だ、何だろう」
「兵士が一人近付いていった、なにをする気だろう、あ、待って!今のもう一度巻き戻して!」
「低温の個所が周囲と同じ温度になったぞ!何をしたんだろう?別角度で兵士を撮った映像はない?」
こちらは磁気テープ撮影班とデータ映像撮影班が隊列の浮遊移動を見比べている。
「やった、映ってるぞ、物体浮遊現象が映ってる!」
「マナが作用している様子は??」
「ああ、駄目だ、やっぱりこちらの最新鋭機器はノイズがすごい」
「ある種の電磁波を発している可能性が高いという事かな」
「空気の屈折率はどうなってる?もしかしたらマナが空気を圧縮するなんらかの力を生じさせてごく小規模の密度の高い渦を生じさせるのかも」
「近接ドローンの映像は撮れました?」
「駄目です、近接ドローンは全滅」
「ううん、やはりドローンはダメかぁ。民族分化方面担当のニンフルサグさんから隊列の服飾の詳細な画像が欲しいって頼まれてたんだけど参ったな」
「それでしたら磁気テープ班のが使えないかな」
この調子では一晩中誰も休むことなくモニターに張り付いているかも知れない。
そんな仲間の様子を微笑ましく見ていた主任アベストロヒが「では私は少し出かけてきます」と最低限の調査機材をフロートに乗せる。
「明朝までには戻ります」
「いってらっしゃい、主任」
アベストロヒが一人出かけた先はアシルに広がる、常緑広葉樹と針葉樹林の混生する森だ。
二年前、大切な相棒を失った場所。
新米の若い個体が、先輩に問いかける。
「主任はどこに行ったの?」
「ナブネイドを探しに行ったんだ」
「ナブネイド?」
「うん、主任が可愛がってたネオ・ミアキスの子供がね」
ネオ・ミアキスと呼ばれるミアキスヒューマン星外環境適合種。その中に七つの黒斑を持つ、たれ耳のルプス派生種個体がいた。
アベストロヒはその個体にナブネイドと名付け、現地調査にも連れ出すくらいたいそう可愛がっていた。
その日も野外調査の一環でハフリンガー大陸の森に向かっていたのだ。フロートで着陸地点を探している時に現地で白竜と呼ばれる、翼竜プレシャスウイングに襲われ、バランスを崩したナブネイドはフロートから転げ落ちた。
正確には襲われたというより、白竜プレシャスウイング自身はフロートを突っかけたことなど意に介していなかったのだが、そんなことは誰も知る由はない。
「それが二年前の話でね」
「かなり低空で飛行していたし、もしかしたら枝葉がクッションになって上手い事地に落ちて生き伸びているかも知れないって、ああして休憩時間を探索に費やしているんだ」
「そうなんだ、見つかるといいね」
「見つかるさ、きっと」
最悪針葉樹の若木の幹に刺さって宙づりになって干からびた骸を発見する可能性だってあるかもしれないことは誰も口にしない。そんな悪い方向に考えたりするものはいない。
それが観察者たちの本質だ。
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