余命50年のエルフさん

転定妙用

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子作りと冒険です。

村最後のエルフの老人・・・じゃないでしょう(カスミは怒る)

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 そのハイエルフの里の地域を管轄する太守の元を訪れて、彼の主人、皇帝陛下の命令文を見せると態度一変、私達に快く?協力してくれたわ。そして、いろいろと便宜を図ってくれたわ。そこの郡の長官へ命令書を書いて渡してくれたし、案内人兼付き人をつけてくれたわ。そして、最終的に郡の長官に会い、彼から役人と護衛十数人をつけてもらい、そのエルフの村に行ったわ。そこには、長老と何人かの老エルフだけが残っているだけだということで、里の様子を見て、彼らと話をして、どうしてこうなったのか聞き取りをすることになったわ。本来なら役人を派遣して調べればいいことなんだけど、エルフは人間にというよりもの、他の種族、同種族に対しても閉鎖的な場合も多いから、ここはハイエルフの私に聞き取りなどをしてもらった方がいいと、私達に頼んだのよね、皇帝陛下は。

 聖樹も神樹も元気はなく、その森全体には力がなく、弱弱しいものを感じたわ。ハイエルフの里が、村がほとんど壊滅寸前、衰えた老ハイエルフ数人しかいないということだから、当然なことだけど寂しく思い、同情したわ、初めはね。でも、何かを感じたわ、直ぐに。はじめはよくわからなかったけど、久しぶりのハイエルフへの思いというものを感じたわ。そして、エルフね、ハイエルフね、と確認というか、確かめられているような感じがしたわ。そして、何かを訴えてくるものがあるとわかったわ。私達は、荒れ果てた村の中央の長老の家で、生き残りの長老をはじめとする老ハイエルフの男女数人とテーブルを挟んで座ったわ。
「何から言っていいのかわかりませんが・・・ある時、はやり病が襲い・・・。」
「それはいいわ。」
 いかにも哀れさ、悲しみをたたえた表情で、口調で話し始めた長老の話を止めたわ、私は。
「あなた方、ハイエルフ、いえエルフですらないわね。何者よ?」
と私は、立ち上がって叫んだわ、そいつらを指さして。怒りの表情が、声があまりに凄くて、怖かったとアサが後で言っていたわ。私の頭の中、いえ体全体に聖樹、神樹、聖花、聖草、精霊の声、意志が思いが入り込んできたようだったわ、うらみの、怒りの思い、その時。それが、私を後押しして、突き動かしているようだったわ。 
「な、何を言っておる、こ、この小娘が。」
 長老さんも怒りを感じたのか、立ち上がって叫んだわ。でも、怒りを見せかけているように思えたわ。震えている、怯えているようにも見えたわ。
 臨戦態勢になっていたわ、長老さん以下全員。でも、大した魔力は感じなかったわね。ん?少し・・・、長老さんが差し出した杖、その頭につけられた玉は聖具、ハイエルフ、もとこの聖なる森に住んでいたハイエルフの宝物だということがなんとなくわかったわ。魔力を増幅させる。既に臨戦態勢になっていた私は、少し身構えたわ。来る・・・。

 でも、その必要はなかったわ。
「こいつらを捕らえて下さい。皇帝陛下の名代としてお願いします。」
 アサは言ったわ、長老さんの杖を叩き斬ってから。玉をつけた部分は落ちて、飛んで、何故か私の手元に飛んできたわ。まるで・・・多分、きっと、聖樹達の意志だわ・・・。すぐに、局地的な竜巻を起こして、エセエルフ達を叩き伏せてやったわ。はじめは戸惑っていた護衛の皆さんも、彼らを捕らえてくれた。

 
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