余命50年のエルフさん

転定妙用

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子作りと冒険です。

大歓迎と襲撃(カスミは悩む?)

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「よくお出でになった。ハイエルフの聖騎士殿、それもとびっきりの美人の女性ハイエルフ殿とは思ってもいなかったぞ、としかも、それを妻にしている帝国正騎士殿を迎えられる、本当にうれしいぞ。しかも、夫婦で武勇談をいくつも土産に持ってきてくれるとは、二重にうれしいぞ。」
と酒の杯を持って、私達の大歓迎の宴を開いてくれたのは、遠い異国の、異教の、この宗教が異なるという人間達の理屈がよく分からないだけどね、大帝国の帝都にある皇帝の皇宮の大広間だった。砂漠を超えて、いくつもオアシスとやらを通過して、わざわざやってきたのよね。流石ににもう飽きちゃったわ。でも、城壁で囲まれた帝都は、今まで通ってきたオアシス都市とは比べようがないほど大きく、緑、木々が、というか森と言えるくらいのがいたるところって、皇宮の周辺は大きな建物に木々が植えらていて、一見空中に森が、林があるようにすら見えたわ。しかも、水路が、噴水が、さらに大きな池、滝まであって…城壁の中に自然を作っちゃっていた。すごい光景、スケールで圧倒されていたからわ。しかも、物資は豊で、美味しいものがいたるところで売られていたわ。
 でも、どうしてこんなところに来たのかというと、うちの皇帝陛下が、私達が長女夫妻に領主の座を譲って旅に出ると申し出たら、なんで一介の騎士ごときが、玉座の間に招かれて、願いは受け入れられたけど、ついでに重大使命も託されて、各国を回ってくれ、親書を各国皇帝、国王陛下に渡してほしい、和平の、先代の皇帝陛下、現皇帝陛下の祖父が各国と長い交渉の末締結させ、今まで延長し続けている、継続に同意してもらいたいと伝えて、同意を貰って、親書を受け取ってきてもらいたいなんて言って・・・少しだけたけど頭を下げて・・・、皇帝陛下が頭を下げたら断ることなんかできないもの・・・だから、恭しく、特に旦那は受け入れたわ。まあ、そのおかげでこうして大宴会での歓迎は受けるし、国内のどこでも巡ることも出来るし、色々と便宜も得て、本当に見た事もないものを見て、食べて・・・楽しんむこともできているんだよね。でも、そのかわり・・・。

 今回も、夜、旦那様と愛の営みの真っ最中に襲って来る輩がいたのよ。何度目かしら、何処も彼処も、和平に、平和に反対する、そして、殺したって影響なんかあまりない私達のようなのを襲撃して殺そうという奴らが多いのかしらね。人間て、和平だ、平和だとかに熱心やるくせに、私達なんか仲の悪い部族、種族と和解なんて何百年もしたことはないわ、それに反対することも熱心なんだから、矛盾しているし、わっからないわよ。

 まあ、事前に注意されていたから、魔法のトラップ、そして、見つけにくい、笑っちゃうような些細なトラップを仕掛けてあるのよね。おっと、また引っかかって一瞬、動きが止まった。それで十分。暗殺者は、真っ向勝負は苦手、この一瞬でそうなっちゃって、私達に瞬殺。

 翌日、皇帝陛下に褒められて…ついでに頼みことをされちゃった。

 数日後、その成果はいうと、皇帝陛下の前に、鎖で拘束している、私じゃない私で、エルフじゃないエルフの女。早く化けの皮が剥がれて欲しい、同じ顔、姿の別人がいるなんて気持悪いじゃない、でも、当人も直ぐには戻れないらしいわ。八つ裂きにでもしてやれば簡単なんでしょうけど、そうもいかないのよね。

 私達は、オアシスのエルフの里がいつの間にか壊滅していた事件を調べて欲しいと、この髭の長い、初老だけど、文武両道の、寛大だけど、怖いくらいの皇帝陛下に頼まれたのだ。面倒くさいけど、断れる分けないものね。
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