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子作りと冒険です。
再び平穏な日々・・・➁(カスミ夫人)
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大きな風車も、水車も、水路も、灌漑用水路も整ったとはいえ、毎年、旦那様は行政官や老農達とともに、頭を悩ませる日々が続いていたわ。収穫も、物の移動も、商業も、手工業の生産も、一応順調だったけど、度々不作になる、不況になる、原料が不足又は売り上げが悪くなる、物の相場が安くなると我が家の収入も減るし、逆だと我が家の支出が増える以上に領民の生活を圧迫してしまう。
「年貢は定免にしたんだから、年貢率に頭を悩ませなくてもいいんじゃない?」
と私は思わず言ったこともある。農民達からの要請で、年貢率は固定することになった、収穫量を調べた上で毎年決める方式からの変更だった。どうして、領主に都合のいい制度が農民から要請?年貢の計算というのは、実は収穫量とは異なっているのだ。土地を改良する、毎年の世話で、ことで収穫量は増えるが、その増える分は含めないのである、それが定免なのである。それに、来年の種もみとか、家族の食糧分、農具購入費用分とか年貢計算から控除する部分がかなりある。
「不作の時に、生活が苦しくなるくらい年貢を取ってしまったら、来年農民がいなくなって、年貢そのものがなくなっちゃうだろう?」
と旦那様に言われちゃった。
聖樹、神樹からなる森を中心に住む、私達ハイエルフにとっては、あまり感じなかったことなのよね。神樹、聖樹は天候とかの影響を受けにくい。そのうえ、その森には神樹、聖樹の影響で、聖花、聖草も生えるし、大地が肥沃になる。それが作る実や樹汁、種を植える、苗を植えるだけで、大した世話もせずに穀物も実る。魚も獣もそれなりに豊富である。金属さえも、掘ることなく地表に露出する。聖樹、神樹の枝など適時に伐採すれば色々な者に使えるし、すぐ伸びてきてくれる。ただ、私の国、ハイエルフの国全体が聖樹、神樹の森で覆われているわけではないし、特に人間の村落、都市はその恩恵をあまり受けない。いや、その恩恵をあまり受けないハイエルフもいる。我が一族もそうだった。
本宅とその周辺の領地は神樹の森の領域にあるものの、領地の大半はその外にあった。だから木々等を植え、その世話をしながら、神獣を飼いならしてもいた。とはいえ、田畑を耕す、牧畜をするというレベルでは、人間達の基準から見れば、なかった。まあ、よく言えば粗放、というところね。だから、アサの統治、彼が老農とか、技術者とか錬金術者たち、商人達とやっていることは不思議なことだったし、理解できないというところも、時もあったけど、とても面白くもあったから、私も熱心にアサに協力することになっていったわ。
やっぱり美人の領主夫人が側にいると、どういう時でも場が和む・・・はずなんだけどね?みんな興奮させちゃうのかしら?まとまることもまとまらなくなるわけではないけれど、かえってテンションがあがっていない?
「問題解決がいつも早くなっているよ。男も女も張り切っちゃうんだから・・・。まあ、美人のハイエルフが、張り切って、元気いっぱいだと引きずられるんだろうね。人間も、エルフも、オーガも・・・みんな・・・。」
と旦那は笑って言ってくれたわ。色々な人間達も、エルフの色々な種族も、ハーフエルフ達も、その他も雑多に集まって・・・旦那の元で・・・。ま、私のお蔭というのは当然にしても、あなたもがんばっているわよ。私は、あなたを助けているんだから、そういうあんたを。
「年貢は定免にしたんだから、年貢率に頭を悩ませなくてもいいんじゃない?」
と私は思わず言ったこともある。農民達からの要請で、年貢率は固定することになった、収穫量を調べた上で毎年決める方式からの変更だった。どうして、領主に都合のいい制度が農民から要請?年貢の計算というのは、実は収穫量とは異なっているのだ。土地を改良する、毎年の世話で、ことで収穫量は増えるが、その増える分は含めないのである、それが定免なのである。それに、来年の種もみとか、家族の食糧分、農具購入費用分とか年貢計算から控除する部分がかなりある。
「不作の時に、生活が苦しくなるくらい年貢を取ってしまったら、来年農民がいなくなって、年貢そのものがなくなっちゃうだろう?」
と旦那様に言われちゃった。
聖樹、神樹からなる森を中心に住む、私達ハイエルフにとっては、あまり感じなかったことなのよね。神樹、聖樹は天候とかの影響を受けにくい。そのうえ、その森には神樹、聖樹の影響で、聖花、聖草も生えるし、大地が肥沃になる。それが作る実や樹汁、種を植える、苗を植えるだけで、大した世話もせずに穀物も実る。魚も獣もそれなりに豊富である。金属さえも、掘ることなく地表に露出する。聖樹、神樹の枝など適時に伐採すれば色々な者に使えるし、すぐ伸びてきてくれる。ただ、私の国、ハイエルフの国全体が聖樹、神樹の森で覆われているわけではないし、特に人間の村落、都市はその恩恵をあまり受けない。いや、その恩恵をあまり受けないハイエルフもいる。我が一族もそうだった。
本宅とその周辺の領地は神樹の森の領域にあるものの、領地の大半はその外にあった。だから木々等を植え、その世話をしながら、神獣を飼いならしてもいた。とはいえ、田畑を耕す、牧畜をするというレベルでは、人間達の基準から見れば、なかった。まあ、よく言えば粗放、というところね。だから、アサの統治、彼が老農とか、技術者とか錬金術者たち、商人達とやっていることは不思議なことだったし、理解できないというところも、時もあったけど、とても面白くもあったから、私も熱心にアサに協力することになっていったわ。
やっぱり美人の領主夫人が側にいると、どういう時でも場が和む・・・はずなんだけどね?みんな興奮させちゃうのかしら?まとまることもまとまらなくなるわけではないけれど、かえってテンションがあがっていない?
「問題解決がいつも早くなっているよ。男も女も張り切っちゃうんだから・・・。まあ、美人のハイエルフが、張り切って、元気いっぱいだと引きずられるんだろうね。人間も、エルフも、オーガも・・・みんな・・・。」
と旦那は笑って言ってくれたわ。色々な人間達も、エルフの色々な種族も、ハーフエルフ達も、その他も雑多に集まって・・・旦那の元で・・・。ま、私のお蔭というのは当然にしても、あなたもがんばっているわよ。私は、あなたを助けているんだから、そういうあんたを。
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