余命50年のエルフさん

転定妙用

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試合?開始

ハイエルフはエルフの王族じゃないわよ。(カスミは呆れる)

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「あのねえ、ハイエルフはエルフの王族というわけではないのよ。それなりの数がいるんだし、みんなが王族だったらありがたみがなくなってしまうじゃないの?私は、一応貴族、ちゃんとした貴族、人間界でいえば城持ちの貴族か、それ以上だけど、王族だなんて言わないわよ。本当の王族だっているわけだし・・・、ちなみに私の家より上はずっと少ないわよ。」
「でも、彼は信じたし、そのエルフは言ったのよね。ハイエルフで、エルフの王族だって・・・。」
 元リーダーの言葉に、私は止まらなくなっちゃった。
「そのエルフって・・・本当にハイエルフ・・・というか、そもそもエルフなの?大体このようなことをいう奴って、ハーフエルフ・・・しかもかなりエルフとの付き合いのない・・・いや、エルフもどきの・・・そういうのもいるのよね、似て非なる連中だけど。」
「え?そうなの?可哀想に・・・。」
「有力なチームに優秀な人材を引き連れていった奴に同情してどうするのよ、お人好しにも過ぎるわよ。あ、でもあいつって、結婚式はあげていないけど、奥さんみたい人がいたんじゃない?」
「う~ん。彼女とは別れて、そのハイエルフ・・・自称ハイエルフ女とね・・・ほら、酒場にいた女でさ・・・知っているでしょう?サンライズ。」
「あ~なた~。どうなのかしら~。まさか、そのエルフモドキと知り合いだったの~?」
 私は多分怖い顔で尋ねたわ。ことによったら、後で散々に文句言ってやろう、お仕置きしてやろうと思っていたものね。
「知らないよ。君と付き合っていたんだよ。俺の行くところは知っていたろう?君が知らないということは、僕も知らないよ。大体、あいつの行くような店は、酒がまずくて、俺の好きな酒がないから行くわけないじゃないか。」
 う~ん、確かにそのとおり。
「彼ったら、ハイエルフはエルフの王族だと思っていたらしいの。彼、名族出身だといってたけど、本当はそうではないらしくてさ、昔ハイエルフに振られて、それであなたを・・・サンライズから助けて、あなたと・・・それで王族になるんだと・・・。」
「は?」
「それで、その酒場のエルフモドキ女の言葉を真に受けて、糟糠の恋人を捨てて結婚して、王族もいる・・・あれ王族出身じゃないけど・・・有力チームにお土産いっぱい持って移っていったわけか?」
「そうらしいわ。」
「はあ~?」
 なんか笑っちゃう、笑っちゃうしかないわね。それで、サンライズを追放して、私を自分の物にしようとして失敗して、エルフモドキと結婚したわけね。笑う、笑う、笑うしかないわね。旦那様も苦笑い。
 ええとね、元リーダーさん、それからに新人達も笑っていないのよ、あなた方の失策でしょうが、全て。
「あなた方が笑っちゃだめよー。」
「助けてもらったくせにぃー。」
と妖精ちゃん達が大合唱してくれて、元リーダーさんも、元チームの面々もしょげかえってしまいました、ほほほほ~と悪女笑いしちゃったわ。

 この後、この不可思議な奴を解体して分割して元チームとハヤテハーレムチームと私達夫婦で分配・・・しようと思ったんだけど、かえってそうすると価値が半減してしまうので、そのまま3チームからの提出ということにしたわ。リストに入ってはいなかったから、大会の順位ポイントには関係なかったけど、希少なものだからと、高値で買い取ってくれたわ。
 私達は現チームにも人数分で分けてあげた。1/3になったけど、かなりの収入になったわ。これだけで、ここに来た甲斐があったというものだったわ。

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