余命50年のエルフさん

転定妙用

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いわくつきのチームに加入しちゃった

今度こそ勝ちたいんだそうだ(カスミ)

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「今度こそ、あいつらに吠えずらかかせてやるぞ!」
「やってやりましょう。」
「私達の意地を見せてやりましょうよ。」
「人数いっぱいだけのチームに、今度こそ負けないわよ!」
 リーダーだけでなく、女達も熱を帯びていたわ。
「あなたもしっかり頼むわね。」
「旦那様も頼りにしているから。実力があるもんね。」
「2人が加わってくれてるから、今度は勝てるわよ。」
「ハイエルフの聖騎士の力を頼むぜ。」
 リーダーは、相変わらずアサを無視したいようだけど・・・。この熱狂は、新しい仕事のせいだった。仕事というのは、ヒイコウ国の高原地帯に点在する神樹の実を採取する仕事である。効き目の強い回復薬から、魔又は聖石・鉱石の精錬や合成にも必要な溶液の原料にもなる、重要なものである。その神樹が生育する高原は、魔獣・魔植物が多く徘徊、生息している危険な場所なのである。見がなる時期に、その中に入って、その実を採取するのである。ヒイコウ王国は、冒険者にその仕事を依頼し、その実を高価で買い入れるとともに、量・質を勘案して、順位を決め、順位に応じて報奨金が支払われる。それだけでなく、その順位は冒険者としての名誉となり、その後の仕事にも有利になる。
 ちなみに、このチームは、二位だった、昨年は。

 大人数のチームに敗れたのだ。当然3位以下のチームもいる。下をみればかなりの数のチームがいる。この成果で、名実ともに一流の冒険者チームとして再興された、と印象付けることができたわけだし、仕事の依頼も、それに応じてはいる。
 ちなみに仕事の依頼は、冒険者ギルドの壁に羊皮紙で張り出されるけど、一流チームにはギルドを通して依頼者が指名であるいはギルドの推薦ということで、ギルドから直接チームに依頼が来る。そういう依頼は、難しいが高額の依頼である。同じ困難度でも、張り出される方がずっと報酬金額が低い。半分以下、ひどい時は1/5の時すらある。そういうチームとみなされる結果なんだからいいんじゃないと思えるんだけど、彼らは違うようだった。

 大人数だから一方的に有利ではない。実力が彼らより低い者も半数いるし、小回りが利かないかもしれない。どうも、リーダーの統率力、チームワークが良かったような気もするけど、彼らは負ける気がしていなかったらしい。その結果、魔導士が責任を取らされて追放されたらしい。実力は十分らしいし、聖魔樹草に詳しく、交渉力もあり、このチームの躍進には、随分貢献したというのが実態だったようだが、
「お前のせいで負けたんだ。責任を取れ。」
「ど、どうして、そんなことになる?」
 当然、そうよね。でも、女達も、
「わからないの?」
「自分が何様のつもりなのかしらね。」
「いらない。」
と言われたらしい。リーダーの女達だけど、彼の言いなりというわけではないから、それを知っていたから、その魔導士は出ていくしかなかったらしいわ。その彼は、他のチームで今は活躍中、この話も彼が周囲に漏らしたことが伝わっているのだけどね。

 ハイエルフの情報網もあるし、アサも結構あるのよね、普通の冒険者の付き合いはあまりないけど、別ルートをもっている。妖精使いの、周囲はかなり凄い使い手だと評価していたんだけど、なんせ30体以上の妖精を同時に使うなんて並みではないわよ、常識からして。それを無能呼ばわりして追放したらしいわ。ちなみに、槍使い女、その彼の恋人だったらしいわ。それを、リーダーが寝取ったらしいわ。ちなみに他の2人も似たような関係。みんながみんな、決して貧しい家の出身者じゃないけど、過去色々あって、優しく受け止めてくれる恋人を得たはずなのに、リーダーになびいちゃったのよね。女は、セックスだけで言う事はきかせられるわけではないわ、そんな女もいるけどね。だから、リーダーに寝取られたままになったのは、リーダーの方に魅力を、セックス以外に感じたんでしようね。
 そのリーダーはというと、
「俺は由緒ある貴族の家柄だ。」
と言ったかと思えば、
「お前達、貴族に俺達のようにどん底から這い上がってきた人間の気持ちがわかるかよ。」
と言ったりするから、よくわからない。ただ、そういう言い方からも、上昇志向が強いという事はわかるわ。女の中には、そういう男に雄を感じて、惹きつけられるのがいるのよね。不幸な過去から、成り上がる希望を持たせてくれるのは確かだし、優しい男にはそれがないものね。う~ん、旦那様にもないわね、別にそれでいいけどね、私は。

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