余命50年のエルフさん

転定妙用

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いわくつきのチームに加入しちゃった

夫婦なんですってば(ミストグリーン)

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 あなた、何処を見ているのよ。他の女の方に視線を向けない。まあ、でも、ほかの女より、確実に、絶対的に、明らかに私の方が勝っていると確信している顔だから、まあ、許してあげるわ。
「エルフの聖騎士は俺と共に前衛だ。おっさんは、後衛で、足手まといになるなよ。」
 怒鳴るように言っても、効果はないわよ。それに、あんたも20代後半、大して年齢差もないくせに、先輩呼ばわりならともかく、おっさん呼ばわりはよしてよね。
「私達は夫婦だから一緒よ。」
「そんなことは関係ない。チームの最適な構成だ、俺が決めた。変更はなしだ。」
「じゃあ、変更しなさいよ。弓や魔法なら、後衛の方がいいし、私が前衛というなら、アサも前衛には十分以上の実力よ。」
「前衛には俺がいる。」
「後衛に行きなさい。実力的にも、経験でも、うちの旦那様が上だし、リーダーはその方がいいわよ。とにかく、私達は、2人で戦うのが一番なんだから。」
「俺が決める。」
「だから、私達夫婦が前衛だと決めなさい。」
 あー、女達の視線が痛いわ、そこそこの美人達なんだから、それで満足してなさいよ。
「わかったよ。後で泣いて、すがっても知らないからな。」
「夫婦は絶対なのよ。」
 はっきり言って、チームリーダーより、何十倍も夫に背中を預けた方が心強いし、安心なのよね。実力、戦闘力でも夫の方が上だし、私の動きに合わせて動き、守ってくれるし、支援してくれる。それは私も同様だし、ちゃんといろいろと見て、動き、私が可能な限り安全で、かつ行動しやすいようにしてくれている。それがあんたにできますか?っていうの?あなたの愛人さん達を、守ってあげなさいよね、まあ、難しいだろうけど。

 そのダンジョンの奥部に私達は、直線的に向かうことになった。
 28階層、う~ん、数え方がはっきりしないから、本当はどうなのか分からないけど、大体、印がついているわけではないから、まあ、ずっと後になって石柱なんか立てられているから、一応それを目安にするわけだ。より深いところで活動したからといって、自慢になるだけで別に奨励金だとか、報奨金があるわけではないから、倒した魔獣の魔石や魔鉱石、魔草、魔獣の重要部位などの得物のギルドへの提出、売却により評価、昇格、報償、利益を得るのである。
 
 ダンジョンの奥底にいるゴブリンは、地上のゴブリンと似ているが、似ているだけで、似て非なるものだ。かえって小さいくらいだが、より獰猛で、素早く、強いわ。それを、まず狩る。この階層の大物は別にいるけど、まず、この目の前にいる100匹をせん滅する。行くわよ、旦那様。
 風、いえ真空の嵐、電撃も一緒に食らいなさい。飛び越えて来るゴブリンは、火炎を纏って、氷の剣を振るうアサが真っ二つ。おっと、かくれた魔獣が2匹。密かに後ろから忍び寄ってきているわね。
「ぎゃあ。」 
  アサが急いで駆けつけて、押し返す。あら、もう一匹加わった。決して小さくない、少し可愛い人間、亜人のような顔、偽顔だけど、をつけた昆虫型魔獣、静かに、秘かに襲い掛かるのが習性。そして、ここのゴブリンよりも強い。
 旦那様に加勢。風のドリル、
「我が愛する者を害するものを穿て。」
 一匹を倒してあげると、瞬く間にアサは2匹を倒した。あらら、後ろ、全く動けなかったじゃない。そんなに鈍い連中と一緒に前衛なんて、困っちゃうな。

「雑魚相手にいい気になるな。肝心な時に、息切れして、腰を抜かすなよ。さあ、陣形を戻せ。」
とリーダーがお腹立ち。女達も不愉快そうな顔。口を動かしてないで、手足を動かせ。もうそろそろ、大物が、その他大勢とともに出て来るわよ。騒ぎと血の臭いに惹かれてね。あなた方こそ、ちゃんと身構えてなさい。私は、心の中で大声で言ってやった。
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