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これはホラーですか?ダークファンタジーですか?

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 その日、私達3人は、少し遅くまで語りあったわ。どちらかというと、私とゼハンプリュがとりとめもないことや、アイオン様の想いでや、学園での思い出、どうしてアイオンが王位に、代々のパパイ大公家の悲願とはいえ、固執したのかを語り合って、サムロがお茶やお菓子、甘いワインやビールを寝酒に持ってこさせながら、耳を傾け、頷き、突然振られる質問に、穏やかな表情で答えていたというものだったわ。
 そろそろ夜も遅いので、とゼハンプリュが退席して、自分の寝室に入ったわ。

「サムロ、大丈夫でしょうね?彼女への視線に熱を帯びていたようだったけど?たしかに彼女は美人だけど、あなたの妻ではないわよ。」
「そんなことはなかったと思うんだけど・・・。どちらかというと、俺は君の彼女への視線が熱く、潤んでいるように見えたんだけどね。」
「何か、いやらしいことを連想していない?」
「おや、なんのことかな?」
 そんなことを言いながら、お互いの体を抱き寄せて、抱きしめ、抱く腕にさらに力を入れて唇を重ねていた。

 その時だったわ。
「キャー!」
 本当はもっと、心の底から恐怖を吐き出しているような、地獄に堕ちる寸前に救いを求めるような声、叫び声だったけど、どうしても表現できない、ゼハンプリュの悲鳴が聞こえてきたの。
 私達は、直ぐに剣と短銃を隠し場所から取り出して、彼女の寝室に駆け付け、鍵の閉まったドアを蹴破って飛び込んだわ。二人で蹴破りました。
 ドアの向こうには、短剣をかざして身を守ろうと、壁を背にしつつ、床に腰が抜けたようになっているゼハンプリュともう一人?何かがいたわ。
「ゼハンプリュ様?」
「大丈夫ですか?」
 私達の声に彼女の顔に生気が少し戻るのが、ランプのほのかな明かりで分かったわ。
「もう大丈夫です。」
「何者だ。コリアンダー公爵家の屋敷に乱入する無礼者は?」
「命知らずということよ。」
との私達の言葉に、それは?振り返ったわ。

 え、ホラー?おとぎ話の化け物?ファンタジーの、ダークファンタジーの魔族、魔王、亜人かなにか?彼女は、彼女?どういうわけか、この醜悪な化け物が女である証拠はランプの光ではわからなかったけど、わたしには思えたの。見覚えがある?
「デュナ様。そいつは・・・宰相の妻です。」
 えー?ブス女だと思っていたけど、化け物ではなかったはず・・・・でも彼女だとわかったわ、何となく。

「あばずれの低能、淫乱女達。我が夫の、夫の主の崇高な理想を裏切って、こんなところで淫乱な日々を送っているとはね。その間男とともに、地獄におくってやるよ。」
 おぞましい半裸の女?が地獄からの悪魔のような笑みと声で言ったわ。

 え~と、あいつの嫁。
「我が娘は、非常に醜いが、この上もない良妻となる女であり、広い学芸の知識があり、それは君と伍するほどである。顔の美醜は問題にせず、私の娘を嫁に迎えてくれぬか?」
 これに、
「はい、嫁にします。」
と即答したという話である。嫁取りの最悪の方法であるから、真似するなと噂されたというが、彼女の溢れる才能が、どのように役立ったかは分からないし、知らないけれど、これほどの化け物ではなかったけど、ひどいブスであることは知っていたわ。

 と、とにかくこいつと戦い、殺さないと。おっと、コリアンダー家の侍女達も、わたし付きの侍女も駆けつけきたわ。とはいえ、狭い寝室、人数が多いと身動きがとれないし、困ったわ。えー、とにかくだ、引き金を引く。
 サムロも同時に引き金を引いたわ。狙いも同じ。目的も同じ。狙いは、もちろん化け物。目的は、とても短銃の弾丸、一発や二発で倒せそうにない、そんな気がした、気がしたのよ、あのおぞましい姿かたちから、だから、少しでも怯ませてゼハンプリュを救うこと。全て以心伝心よ、流石、私達夫婦。

 私は怯んだ、一瞬だけど、化け物の脇を駆け抜けて、彼女の元に。彼女も、私の救援に勇気がでたのか、しっかりと立ち上がった。私達は手を取り・・・なんてしている暇はなかったわ。短剣を構えて、化け物に対峙した。とにかく身を守らないと。何とか身構えることができたのは、サムロが私の動きに合わせて、化け物に短剣を投げ、その後は椅子を持ち上げて投げつけてくれたから。

 化け物は、でも、直ぐに私達に襲い掛かってきたわ。短剣で私とゼハンプリュは、化け物の爪を受け止め、斬りつける。ああ、なんて堅い皮膚、体よ。全然、斬れない。サムロが、侍女が持って来た長剣で斬りつけて、私達から化け物を離そうとするけど、相手はそれに乗ってこない。ゼハンプリュは、別のルート?世界?脳筋義叔母、義妹達の合格点をつけられていただけのことはあるわ。私と一緒に何とか戦えている。でも、追いつめられてきた。どうする?

「奥様。こちらから外に。」
 侍女の声。外に通じるガラス戸が開けられていた。
「一時、戦略的転進で~す。」
 私は、ゼハンプリュの手を引いて思いっきり駆けだしたわ。それを援護するように、数発の銃声が続けざまにしたわ。
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