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何と脆いぞ、敵の陣・・・だといいんだけれど
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「いや、流石にピール公爵家の軍ですな。精鋭ぞろい・・・・こうしてご一緒に行動すると実感しますな。この状態でも、全く動じない。」
私から言えば、この状態で余裕で笑っているあなたを褒めてあげたいんですけど、リモン将軍。ウーコ共和国軍とシソ公国軍が合流して侵攻してきたのだ。初戦で我が国軍が敗北、勢いがついて、我が国内部に侵攻。ピール公爵家領近くに侵攻してきて、このままでは我がピール公爵家領の後方が途絶されかねないことから、南方戦線防衛に必要な兵力を残し、集められるだけの兵力で、国軍と合流して迎え撃つこととなったのであるわけ。それで、合流する国軍部隊は、当然我が領近くに駐屯していたリモン将軍率いる師団というわけ。それに、敗走してきた国軍部隊も加えているわ。その装備は、わがピール公爵家から提供したもの。ということもあって、まあ、身分的なこともあって、私がこの軍の総司令官となっているわ。もちろん名目的。実際の指揮官は、リモン将軍、サムロの上司、平民からのたたき上げ。いかにも歴戦の勇といった髭面のたくましい、そしてオーラが出っぱなしの男。妥当なことであり、私も異論はなかったわ。ただし、単なるお飾りはいや、ピール公爵、ピール公爵家軍、ここにありとしなければならない、そうするのが私の役割、義務なのよ。でも、下手に焦って、経験の浅さからくる空回りをしていては元も子もないわけだし、そんなことになったらピール公爵家末代までの恥になってしまうわ。変な口出しはしない、でもしないといけない。どうしたものか、むずかしいところ。
とにかく今は、震えず、ちびっても、
「そんなことは知りません。」
と知らんぷりして、堂々と銃砲の炸裂音を聞いても、平然を装うことしかないわけ。
なにせ、相手側の方が兵力がかなり多い。先に進出して、野戦陣地を構築、私が陣頭指揮したけど、して迎え撃てたことは不幸中の幸いだったわ。
大体、焦ってそのまま野戦に突入、無謀に突撃して大敗するというのは、どういう指揮官だったのかしら?国境線の部隊はどうなっているのかしら。ガマリア、ガマリア王妃の人選ミス・・・彼女が人選したわけではないか、彼女は口出ししないし、お気に入りを、親族を、おねだりしないしね・・・ということは国王陛下よ、しっかりしてよ・・・身分優先・・・士官学校も・・・サムロだって何のかんの言いながら・・・。でも、リモンは
「コリアンダー公爵ですか?例外ですよ。身分のせいであの方が部下になってくれたわけですから、その意味では身分制に大感謝ですよ。」
とか言っているけど、本当かしら?当のサムロは、
「ひどいリップサービスだ。」
と苦り切っているけど。
でも、ミカエル国王陛下は、微温的だけど、それを改める方向に努力しているわけだから、責められないか?
こうなると、イチジーク会長、いいえ、もとい、イチジーク元書記官の主張、理想を認めざるを得なくなってくるのよね。ピール公爵家の私としては・・・・う~ん・・・。
一気に攻めたてたい、陣頭指揮で、先頭になって突進して、とか思っちゃうけど、そんな馬鹿なことはできない。陣地戦で、相手を粘り強く阻止しなければならないのよね。ああ、いつから体をあらっていないのかしら?お湯で侍女にふかしている・・・それも絶えている・・・あいつと合流したら・・・いえ、この方が味がついていていい、なんて言ってくれるわよね・・・そんなこと考えている時ではないわ。陣地の奪い合いを、時には陣頭指揮しながら続けているうちに、相手が撤退を開始したわ、突然。
確かに、数は少ないけど、ピール公爵家の騎兵隊、銃砲を常識的とは比べようもないほど充実させて、歩兵や工兵もつけた、を後方、補給路寸断のために送ったし、それを率いるコシオは、敵に無敵と称する、変幻自在の騎兵隊を翻弄、彼女の騎兵隊の銃砲の一斉射撃、彼らにしてはいつの間にか出現した野戦陣地からの一斉射撃で壊滅を繰り返すは、補給物資は灰塵と化すわはあったけど、まだまだやれたはず。結局は、あまりメリットがないと判断した結果でしょうね。傭兵が大半を占めていたから、略奪ができない(戦況不利で)、給料が滞っているで戦意が急速に低下するのはあまりに当然のことだったろう。
どういうわけか、私が大剣を振り回して、敵陣に突入して敵陣を崩しまくり、勝利を得たとかいう話がひろまっちゃったわ。まるで私が怪力女みたいじゃないの?失礼しちゃうわ。確かに、陣地戦の最中に陣頭指揮している内に、遭遇戦的になって、敵味方入り混じる、きわめて限定的な場所で大剣を振るって大活劇を演じてしまった時があった、でも、敵国側が求めたことではなかった?
そんなところで、結局は大勝利となって、幕を下ろしたわけである。
海軍からも動員されて、別働艦隊のフリーゲート艦隊を率いることになり、艦隊司令官として、敵艦隊の後方かく乱に活躍し、艦隊決戦でも協力してあげた。でも何故?私が大剣を投げて、敵の総司令官を殺してしまったというのは、どうしたら、そんな話になるわけよ?その他には、大砲を抱えて砲弾を飛ばして、敵の軍艦一隻撃沈してしまったという話もあるけど、誰がそんな話をことを言いだしたのよ。。
数か月後、サムロの軍と合流できた時、お互いに臭いを気にしあってしまった。
「食欲をそそるよ。」
とかいう変態じみたサムロの言葉でウヤムヤになったけど。其のうえ、
「両閣下の秘蔵の超重砲の威力で敵軍が後退しましたよ。しかも、もうここに来る気力はないようですよ。」
リモン侯爵は笑って言うのには、閉口させられたわ。
そして、私達は王都救援に迎え入れることになったわけ。
私から言えば、この状態で余裕で笑っているあなたを褒めてあげたいんですけど、リモン将軍。ウーコ共和国軍とシソ公国軍が合流して侵攻してきたのだ。初戦で我が国軍が敗北、勢いがついて、我が国内部に侵攻。ピール公爵家領近くに侵攻してきて、このままでは我がピール公爵家領の後方が途絶されかねないことから、南方戦線防衛に必要な兵力を残し、集められるだけの兵力で、国軍と合流して迎え撃つこととなったのであるわけ。それで、合流する国軍部隊は、当然我が領近くに駐屯していたリモン将軍率いる師団というわけ。それに、敗走してきた国軍部隊も加えているわ。その装備は、わがピール公爵家から提供したもの。ということもあって、まあ、身分的なこともあって、私がこの軍の総司令官となっているわ。もちろん名目的。実際の指揮官は、リモン将軍、サムロの上司、平民からのたたき上げ。いかにも歴戦の勇といった髭面のたくましい、そしてオーラが出っぱなしの男。妥当なことであり、私も異論はなかったわ。ただし、単なるお飾りはいや、ピール公爵、ピール公爵家軍、ここにありとしなければならない、そうするのが私の役割、義務なのよ。でも、下手に焦って、経験の浅さからくる空回りをしていては元も子もないわけだし、そんなことになったらピール公爵家末代までの恥になってしまうわ。変な口出しはしない、でもしないといけない。どうしたものか、むずかしいところ。
とにかく今は、震えず、ちびっても、
「そんなことは知りません。」
と知らんぷりして、堂々と銃砲の炸裂音を聞いても、平然を装うことしかないわけ。
なにせ、相手側の方が兵力がかなり多い。先に進出して、野戦陣地を構築、私が陣頭指揮したけど、して迎え撃てたことは不幸中の幸いだったわ。
大体、焦ってそのまま野戦に突入、無謀に突撃して大敗するというのは、どういう指揮官だったのかしら?国境線の部隊はどうなっているのかしら。ガマリア、ガマリア王妃の人選ミス・・・彼女が人選したわけではないか、彼女は口出ししないし、お気に入りを、親族を、おねだりしないしね・・・ということは国王陛下よ、しっかりしてよ・・・身分優先・・・士官学校も・・・サムロだって何のかんの言いながら・・・。でも、リモンは
「コリアンダー公爵ですか?例外ですよ。身分のせいであの方が部下になってくれたわけですから、その意味では身分制に大感謝ですよ。」
とか言っているけど、本当かしら?当のサムロは、
「ひどいリップサービスだ。」
と苦り切っているけど。
でも、ミカエル国王陛下は、微温的だけど、それを改める方向に努力しているわけだから、責められないか?
こうなると、イチジーク会長、いいえ、もとい、イチジーク元書記官の主張、理想を認めざるを得なくなってくるのよね。ピール公爵家の私としては・・・・う~ん・・・。
一気に攻めたてたい、陣頭指揮で、先頭になって突進して、とか思っちゃうけど、そんな馬鹿なことはできない。陣地戦で、相手を粘り強く阻止しなければならないのよね。ああ、いつから体をあらっていないのかしら?お湯で侍女にふかしている・・・それも絶えている・・・あいつと合流したら・・・いえ、この方が味がついていていい、なんて言ってくれるわよね・・・そんなこと考えている時ではないわ。陣地の奪い合いを、時には陣頭指揮しながら続けているうちに、相手が撤退を開始したわ、突然。
確かに、数は少ないけど、ピール公爵家の騎兵隊、銃砲を常識的とは比べようもないほど充実させて、歩兵や工兵もつけた、を後方、補給路寸断のために送ったし、それを率いるコシオは、敵に無敵と称する、変幻自在の騎兵隊を翻弄、彼女の騎兵隊の銃砲の一斉射撃、彼らにしてはいつの間にか出現した野戦陣地からの一斉射撃で壊滅を繰り返すは、補給物資は灰塵と化すわはあったけど、まだまだやれたはず。結局は、あまりメリットがないと判断した結果でしょうね。傭兵が大半を占めていたから、略奪ができない(戦況不利で)、給料が滞っているで戦意が急速に低下するのはあまりに当然のことだったろう。
どういうわけか、私が大剣を振り回して、敵陣に突入して敵陣を崩しまくり、勝利を得たとかいう話がひろまっちゃったわ。まるで私が怪力女みたいじゃないの?失礼しちゃうわ。確かに、陣地戦の最中に陣頭指揮している内に、遭遇戦的になって、敵味方入り混じる、きわめて限定的な場所で大剣を振るって大活劇を演じてしまった時があった、でも、敵国側が求めたことではなかった?
そんなところで、結局は大勝利となって、幕を下ろしたわけである。
海軍からも動員されて、別働艦隊のフリーゲート艦隊を率いることになり、艦隊司令官として、敵艦隊の後方かく乱に活躍し、艦隊決戦でも協力してあげた。でも何故?私が大剣を投げて、敵の総司令官を殺してしまったというのは、どうしたら、そんな話になるわけよ?その他には、大砲を抱えて砲弾を飛ばして、敵の軍艦一隻撃沈してしまったという話もあるけど、誰がそんな話をことを言いだしたのよ。。
数か月後、サムロの軍と合流できた時、お互いに臭いを気にしあってしまった。
「食欲をそそるよ。」
とかいう変態じみたサムロの言葉でウヤムヤになったけど。其のうえ、
「両閣下の秘蔵の超重砲の威力で敵軍が後退しましたよ。しかも、もうここに来る気力はないようですよ。」
リモン侯爵は笑って言うのには、閉口させられたわ。
そして、私達は王都救援に迎え入れることになったわけ。
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