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臭いと匂いを擦り付けて
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というわけで、ではないけど、私達はねちっこく、執拗に唇を吸い、舌を絡ませあって、抱きしめ合った、まだ日が明るいうちから、恥ずかしいことに。長い長いそれを続けているうちに、唇を嘗めあい、互いの体に指を這わせるようになっていったわ。もう、止まらないといったところ。彼からの知らせで事前に何時頃つくかは知っていたし、彼も私が行政官達と打ち合わせが終わる、陳情の対応も終わる頃だとは知っていた。まだ、彼らの目があるうちに、イチャイチャ、ラブラブ、溺愛同士の夫婦を見せることは、計画してのことだったわ。私達は、そのような夫婦だと、見せなければならない、思わせなければならないのよ。だから、だから、決して淫乱好色夫婦というわけではないのよ。すーすー互いの臭いと匂いを吸いあって、抱き合って、そのまま寝室に、ベットインは、計画外だったし、つい止まらなくなっちゃったのよね、ただそれだけ・・・。
でも、言い訳ではないけれど、これだけやれば、今抱き合っているように、私達の間には一部の隙も無いことを示せるのよね。だから、敢えて・・・というわけではないんだけど。
私の両親が亡くなった時、パパイ大公様は弔問に駆け付けてくれたわ。かなりの強行軍だったと思うわ。流石に疲れているなという表情だったし、ゼハンプリュ夫人は本当に疲れ切っていたわ。それでも二人とも、背筋は崩さず、オーラや気品を強く放ち、周囲を圧倒し引き寄せていたわ。
「力を落さないでくれ。」
「君のご両親は、私には本当の両親に近いものを感じていたものだ。」
「困ったことがあれば、いつでも頼ってほしい。」
「君のことは、私が守るよ。」
と私の両手を両手で握って囁いてくれたわ。でも、サムロに聞えよがしに言わないでくれません?彼、かなり嫉妬深いので。
ゼハンプリュ大公夫人・・・こういう言い方は何か引っかかるのはどうしてかしら・・・も、いつでも私達の味方だからと言ってくれたわ。彼女はサムロにも、私を助けるように言ったわ。大公様は、サムロに、
「彼女を利用して、ピール家を乗っ取ろうとしたら、私は許さないからね。そんなことはないと信じているがね。君のことは、ミカエル王太子殿下も疑っているからね。」
と私の領民達、親戚達の前で、サムロに叱責するように言っちゃったけど。
大公様は、自分が私の後ろ盾であるから、私への不当な態度は自分が許さない、と言ってまわったわ。まあ、これは確かにある程度役にたったとはいえるのだけど・・・。
ゼハンプリュ大公夫人は、大公様が私と共に弟の後見人になる、なった方が好ましいし、私も望んでいる、コリアンダー公爵家の乗っ取りを防ぐためにも、なんてことをいたるところで発言、提案してまわったわ。まあ、私は直接その場にいて見て、聞いたわけではないから、噂程度にしかわからないけど。
前コリアンダー公爵夫妻、サムロの実の父母、私の義理の父母の死に際しては、大公様は弔問の使者を送ってきただけだった。しかも、その後、サムロの妹たちや叔母達に接触を試みた。彼により遺産分配で不利になっていないか、自分は君達の味方だよ、と付け加えさせていたそうだわ。そのことは、サムロの妹や叔母さん達が彼に告げ口し、彼が私に言ったのである。
王太子夫妻は、どちらにも弔問に自らおいでになったわ。ミカエル様もガマリアも、お悔やみをを言い、力を落すなと社交辞令的なことを言った後、私達の味方であることを何度も、強調していたわ。そして、パパイ大公が、私達に悪意を抱いているけれども、自分達は味方だとも付け加えていた。
ちなみに、ガマリア妃の曽祖父である、ブルべリエ男爵は、法外なほどの香典を置いていったわ。全くたいした爺さんね。
そんなわけで、自分こそは、我こそはパパイ大公を後ろ盾にしている、その代理人である、パパイ大公から私を託されたと信じ切って、乗り込んでくる、私に言いよる?チンピラ貴族どもが相次いじゃった、迷惑なことに。ゼハンプリュ大公夫人には、本当に迷惑よね。でも・・・大公様が彼女にやらせたのよね、やっぱり・・・、彼女が勝手にやったわけではない・・・のよね・・・。
サムロの方ですら、パパイ大公から託されたと言い出して、彼と同等な立場だと言って乗り込んできた連中もいたわ、私の方ほどではなかったけど。こちらは、大公様自ら焚きつけたようだけど・・・。
そのうえ、どうとち狂ったのか、政府に、国王陛下に、王太子殿下に、パパイ大公の代理であり私やサムロの後見人の地位を確認、認めて、私達に従わせてほしいと訴え出た、泣きついた連中もいたわ。全て、しっかりと却下されたけど。ちゃんと、しかるべき厳しい処置を取ってやったわ。
そして、そのうち、私達の不仲説の噂まで流れてきたわ、全く腹が立つ内容だったわ。それが、
「あれだけ激しく営みをしているのだから、不仲のはずないよ。」
でかき消されたわ、だいたいは。まあ、それも、腹が立つけど。
というわけで、盛大に声をあげて、くんずほぐれつして、体液まみれになっで、息も絶え絶えでベットで抱き合っ て余韻を楽しんで、不仲の噂を完全に息の根を止めてるわけよね、結果としてではあるけれどね。
でも、言い訳ではないけれど、これだけやれば、今抱き合っているように、私達の間には一部の隙も無いことを示せるのよね。だから、敢えて・・・というわけではないんだけど。
私の両親が亡くなった時、パパイ大公様は弔問に駆け付けてくれたわ。かなりの強行軍だったと思うわ。流石に疲れているなという表情だったし、ゼハンプリュ夫人は本当に疲れ切っていたわ。それでも二人とも、背筋は崩さず、オーラや気品を強く放ち、周囲を圧倒し引き寄せていたわ。
「力を落さないでくれ。」
「君のご両親は、私には本当の両親に近いものを感じていたものだ。」
「困ったことがあれば、いつでも頼ってほしい。」
「君のことは、私が守るよ。」
と私の両手を両手で握って囁いてくれたわ。でも、サムロに聞えよがしに言わないでくれません?彼、かなり嫉妬深いので。
ゼハンプリュ大公夫人・・・こういう言い方は何か引っかかるのはどうしてかしら・・・も、いつでも私達の味方だからと言ってくれたわ。彼女はサムロにも、私を助けるように言ったわ。大公様は、サムロに、
「彼女を利用して、ピール家を乗っ取ろうとしたら、私は許さないからね。そんなことはないと信じているがね。君のことは、ミカエル王太子殿下も疑っているからね。」
と私の領民達、親戚達の前で、サムロに叱責するように言っちゃったけど。
大公様は、自分が私の後ろ盾であるから、私への不当な態度は自分が許さない、と言ってまわったわ。まあ、これは確かにある程度役にたったとはいえるのだけど・・・。
ゼハンプリュ大公夫人は、大公様が私と共に弟の後見人になる、なった方が好ましいし、私も望んでいる、コリアンダー公爵家の乗っ取りを防ぐためにも、なんてことをいたるところで発言、提案してまわったわ。まあ、私は直接その場にいて見て、聞いたわけではないから、噂程度にしかわからないけど。
前コリアンダー公爵夫妻、サムロの実の父母、私の義理の父母の死に際しては、大公様は弔問の使者を送ってきただけだった。しかも、その後、サムロの妹たちや叔母達に接触を試みた。彼により遺産分配で不利になっていないか、自分は君達の味方だよ、と付け加えさせていたそうだわ。そのことは、サムロの妹や叔母さん達が彼に告げ口し、彼が私に言ったのである。
王太子夫妻は、どちらにも弔問に自らおいでになったわ。ミカエル様もガマリアも、お悔やみをを言い、力を落すなと社交辞令的なことを言った後、私達の味方であることを何度も、強調していたわ。そして、パパイ大公が、私達に悪意を抱いているけれども、自分達は味方だとも付け加えていた。
ちなみに、ガマリア妃の曽祖父である、ブルべリエ男爵は、法外なほどの香典を置いていったわ。全くたいした爺さんね。
そんなわけで、自分こそは、我こそはパパイ大公を後ろ盾にしている、その代理人である、パパイ大公から私を託されたと信じ切って、乗り込んでくる、私に言いよる?チンピラ貴族どもが相次いじゃった、迷惑なことに。ゼハンプリュ大公夫人には、本当に迷惑よね。でも・・・大公様が彼女にやらせたのよね、やっぱり・・・、彼女が勝手にやったわけではない・・・のよね・・・。
サムロの方ですら、パパイ大公から託されたと言い出して、彼と同等な立場だと言って乗り込んできた連中もいたわ、私の方ほどではなかったけど。こちらは、大公様自ら焚きつけたようだけど・・・。
そのうえ、どうとち狂ったのか、政府に、国王陛下に、王太子殿下に、パパイ大公の代理であり私やサムロの後見人の地位を確認、認めて、私達に従わせてほしいと訴え出た、泣きついた連中もいたわ。全て、しっかりと却下されたけど。ちゃんと、しかるべき厳しい処置を取ってやったわ。
そして、そのうち、私達の不仲説の噂まで流れてきたわ、全く腹が立つ内容だったわ。それが、
「あれだけ激しく営みをしているのだから、不仲のはずないよ。」
でかき消されたわ、だいたいは。まあ、それも、腹が立つけど。
というわけで、盛大に声をあげて、くんずほぐれつして、体液まみれになっで、息も絶え絶えでベットで抱き合っ て余韻を楽しんで、不仲の噂を完全に息の根を止めてるわけよね、結果としてではあるけれどね。
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