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怪しい魔女の家

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「ごめん下さい。」

「は~い。」

 目の前に現れたのは、魔女みたいなローブと帽子をかぶったかっこいい男性だった。

「あっ!どうしたのかな~?森に迷っちゃったのかなぁ?」

 ちょっと、ウザイ。けど、丁寧に…。

「突然、すいません。森に迷いまして、1晩止まらせてくれませんか?」

「あれ、見た目のわりに言葉遣いが、丁寧。」

「それで…。」

「もちろんいいよ。小さい子が来たのに、帰れとは言えないし。まぁ…そこのソファにでも腰かけて。」

「ありがとうございます。」

 ソファは薄い灰色で、座り心地はめっちゃいい。

「じゃあ、ホットミルクでも入れるね。寒いでしょ?」

「そうですね…。ありがとうございます。」

 ホットミルクかぁ寒いし、ちょうどいい。


「ふぅ。はい」

「どうも。」

「そういえば、君何歳?」

年齢か…怪しまれたか?


「俺、ですか?3歳ですが。」

「3歳?!今時の3歳ってそんな感じなのか?」

「そ、そうだよ。いまどきの3さいはこんなかんじ」

「急に子供ぶり始めたな?」

 だって、ばれちゃうかもしんないじゃん…。ホットミルクのも。

 ゴクッ…。
「おいしい!」

「でしょ?俺の自慢なんだ。」
 やべっ、口に出ちゃってた。

「…そういえば、名前なんて言うんですか?」

「名前を聞くなら、そっちからじゃない?まぁいいけど、俺はルカ・ミチエダ。」
 ミチエダ?なんか、日本にありそうな名前だな…。

「そっちは?」

「えっ俺は、」

「まだ、小さいんだから、僕って言いなよ。」

「はい…。僕は、ヴァル・シューベルトです。」

「ヴァルか、いい名前だね。」

 俺、人に全然会っていないから、ヴァルがいい名前かどうかわからないんだけど…

「ありがとうございます。」

 なんか、この人顔は優しそうなのに微妙に圧があるっていうか…。

「ねぇ君、魔法って知ってる?」

「魔法…ですか?」

 聞いたことはあるけど、実際に存在してるのか?でも、ここ異世界だし。

「そう。魔法。見てて」

その瞬間、部屋が青く光った。でも、ただ光ったんじゃなくてキラキラと光った。

「なんだ、これ。」

「これが魔法。綺麗でしょ?」

そういって、自慢げな顔をルカさんはしてくる。

「はい!きれいです!こんなのがあるなんて…。」

「ほかにも…」

さっきまで青色だった光が、赤になり黄になり緑になりと虹色に光り始めた。
その魔法は、ほんのりと明るく暖かかった。

「いいもんでしょ。魔法って、」

「そうですね。」

パチンッ
「あっ」

ルカさんが指を鳴らすと、魔法は一瞬で消えた。

「そうだなぁ」

「なに?!」

自分の顔をまじまじと見てくる。よくよく見ても、かっこいい顔してるな。

「ねぇ君って、魔法を使ってみたい?」

「え?…魔法ってみんな使えますか?」

「いや、才能があるものしか、使えないよ。」

「じゃあ、いいです。」

「なんでぇぇ?!」


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