乙女ゲームの悪役令嬢が好きな俺、悪役令嬢の夫に生まれ変わったので主人公に魅了されないように、頑張っていく‼

ロバート学校入学前

国王には屈しない。

ふぅ～相変わらず、緊張するな。ここ。
「第一王子ユリウス様がお見えです。」
「ドアを開けろ。」
中から声が聞こえる。いや、開けないでくれた方が、うれしんですけど…。
俺は、静かに中に入った。その静かな空間が、逆に緊張を走らせる。
「ユリウス。ここに参上いたしました。」
「あぁよく来た。」
「何か、お呼びでしょう…」
「ユリウス。魔法を使ったそうだな。」
それは、この静かな空間をさらに静かにした声だった。
「…はい。」
「知っているか？この国は、どんだけ頑張っても、魔法が使える年齢は12歳。お前は、8歳だよな…？」
「先日、8歳を迎えました。」
怖い、なんだ、この圧は。
「…おまえには、魔法の才能があるかもしれないな。」
「え…？」
「お前は、将来。魔法団長になってもらおう。」
え？なにいってんの？この爺さん。普通に嫌なんだけど…
「あ、ありがたく頂戴します…。」
「だが、魔法団長になれるのは18歳からだ。18歳になるまで、魔法の勉強を怠るな。」
「それと、もうすぐ、おまえの婚約パーティーがあるぞ。準備をしておくんだ。では、下がれ。」
「はい。」

　そのあと、俺は馬車に乗るまで、無言で帰ってきた。自分は、とにかくユリウス君がかわいそうだった。俺は、まだ前世でもう社会人だから、あの圧に耐えられる。だが、まだ幼い8歳があの空気感を耐えられるか？俺だったら、絶対に無理だ。この圧を、マリアネも耐えていたのか。強いなぁこの世界の子供たちは…。
「大丈夫ですか？」
「うん。大丈夫だ。」
「…なぁアルフレッド。ユリウスを見るのはつらかったか？」
「え…？」
「親の圧に耐えている、ユリウスを見るのはつらかったか？あっ…いや、何でもない。」
「…そうですね。とてもつらいです。無邪気に遊んでいる子供を見ながら、勉強をしているユリウス様を見るのはとてもつらいです。」
「そうか。だが、これからの俺は、そんなことに振り回されない。俺はマリアネを救う。」
「マリアネ様？」
「あっ…こっちのセリフだ…。」
「なんか、怪しいですね。」
アルフレッドはそう言って静かに笑った。

だが、マリアネは、どうする。婚約パーティーか。いや、それよりも、マリアネが言っていた作戦を俺が止めなくては！