帰還勇者の後日談《アフターライフ》

勇坂 英雄《ゆうさか ひでお》は交通事故にあった拍子に異世界へと召喚され、そこで自分に秘められた力と運命を知り、二年間の冒険を経て宿敵『魔王』の討伐に成功した。

そして、戻れる最大限である時間、あの事故からきっかり二か月後の現世に戻った英雄。チビと呼ばれていたころから身長は伸び、肉体は鍛えられ、周囲の人を驚かせたものの、仲間と冒険した日々の思い出と、恋した少女への思いを胸に、幸せな時間を過ごす。

しかし、現実はそうもうまくいかなかった。

ある日、いつもの癖でアイテムウィンドウを開く動作をしてしまう。もう反応しないだろう、そう思っていた英雄を裏切り、ウィンドウは、異世界から帰ってくる直前に封印したそのままの状態で開いていた。

さらにそれがきっかけなのか、英雄は帰りの通学路で、信じられないものを目撃する。

「す……スライムが何でこんなところに!?」

交錯する世界と世界、周期的に出現する魔物、そして消えないその力。

ここから導き出される結論は一つ。

「俺がまた、勇者をやらなくちゃならないのか……」

異世界から帰還した勇者の後日談《アフターライフ》、開幕!
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