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遠井芽衣が大学二年生になって、三ヶ月が過ぎた。
学部の講義に、サークル活動に、バイトに、学生生活は暇がない。
二年生になって、サークルの会計補佐になり、後輩ができたことも影響しているだろう。
芽衣の所属するサークルは、ちょっとお堅いところだ。他のサークル全般を取りまとめ、予算配分や大学側との交渉を担う、「学生部」と呼ばれるサークルである。
なぜそんな真面目くさったサークルに所属したのか、と聞かれれば理由は簡単。勧誘の際に、当時三年生だった部長に「入れば就職で有利になる」と言われたからだった。
サークルのOBには、あの誰もが知る超有名家具店の社長もいるとかいないとか。
しかし……と、芽衣は思う。
「いくらなんでも、うちのサークルって男女比おかしすぎない?」
「いや、俺に言われても」
独り言のつもりが、テレビ前のソファーを陣取ってスマブラに明け暮れる後輩に拾われた。
サークルの部室は、電気ポットやテレビ、ソファーにお菓子やカップ麺までそろって、ギリギリ人が生活できそうなほど整っている。
芽衣のように講義とバイトの合間に、部室に入り浸る人間がわりといるのだ。
たまたま今日は、芽衣と三ヶ月前に入ったばかりの一年生、坂田春しかいないが。
「わたしはね! 女の子の後輩が欲しかったんだよ!」
「木下がいるじゃないすか」
「木下ちゃん一人だけじゃん! 男は六人もいるのに」
学生部という名前と、堅苦しすぎる活動内容のせいか、このサークルに入る女の子はほとんどいない。
芽衣が一年生の頃、一緒に入部したはずの女子二人は早々にサークルを抜けてしまって、二年生になった今、同期七人は全員男だ。
三年生の先輩に二人、四年生の先輩に一人、一年生に木下さんという女の子が一人、二年生は芽衣だけ。サークルの総人数二十七人に対して、女子はたったの五人。
このおかしすぎる男女比の恩恵を受けられるのは、ホワイトデーくらいなものだ。
バレンタインデーに女子五人でブラックサンダーの箱を買っただけで、その何倍もの量のお返しがくる。
しかも数少ない女子同士、その結束は堅い。皆、だれかが辞めて女子の人数が減ることを憂慮しており、自然とお互いを手厚く扱うようになるのだ。
おかげで芽衣は先輩たちに可愛がられ、なに不自由ない学生生活を謳歌していた。
「それより、いいんすか」
坂田がコントローラーを放り出し、ちらりと芽衣の顔を見る。
フレームの細い眼鏡をかけた坂田は、いかにもインテリといった感じだ。将来、こいつが部長になるんだろうな、と芽衣はふいに思った。
「なにが?」
坂田の言いたいことが分からず、首をかしげる。
「元部長の先輩……えっと、名前なんでしたっけ」
「ああ、伊織先輩のこと?」
「そうです」
「伊織先輩がどうかしたの?」
芽衣は、ますますわけが分からなくなる。
そもそも四年生の伊織涼太と、一年生の坂田はほとんど接点がないはずだ。
この時期の四年生は就活に忙しく、部室にもほとんど顔を出さない。部長職も三年生に譲って、気が向いた時にしか来ないというのが伝統のスタイルだった。
坂田は一瞬、呆けたような顔をしたが、ソファーの上でくるりと体の向きを変えて、芽衣の顔をじっと見つめた。
「先輩、怒るんじゃないすか? 遠井先輩が俺と部室で二人きりって分かったら」
坂田の顔はいたって真剣だ。
しかし、芽衣の頭の中を駆け巡ったのは別のことだった。
「伊織先輩と付き合ってるって、教えたっけ?」
「いや、聞いてないっす」
「だよね、教えてないもん」
後輩に隠していたわけではないが、芽衣は伊織と付き合っている。
これでも、伊織が三年生でまだ部長だった頃はサークル内で交際するのはまずいだろうという良心のもと、自重していたのだ。
それが伊織が四年生になった途端、サークルの飲み会終わりにうっかり……。
いや、そんなことはどうでもいい。
とにかく、坂田がどこからその情報を知ったのかを聞き出さなくては。
「だれから聞いたの?」
「この前、俺が一人で部室にいる時に、四年生の福原先輩が来たんすよ」
「ああ、福原先輩……」
情報の出どころは、あっさりと分かった。
福原は四年生唯一の女子で、芽衣としても信頼して伊織との付き合いを打ち明けたのだが。
福原は、ちょっと色々ゆるいところがあるのを忘れていた。口も、下品だけどあっちのほうも。
「寝た?」
芽衣のじとっとした目に、坂田が苦い顔をする。
「さすがに部室では寝てませんよ」
「どうせ福原先輩の家まで歩いて五分なんだから変わらないじゃない」
福原は、このおかしい男女比を大いに利用している。
本人曰く、本当に好きなのは女の子らしいが、持ち前の巨乳を活かして後輩男子を次々にたいらげている。もちろん、芽衣の同期の男たちも一年生の段階で何人か食われている。
四年生になって、めったに部室に顔を出さなくなっても、後輩漁りはやめられなかったようだ。
「気をつけなよ。福原先輩、彼氏はいないけどセフレはごまんといるから。本気で好きになったら終わるよ」
「そういう先輩はどうなんすか?」
「なに?」
「伊織先輩に、雑に扱われてるって聞きましたけど」
あの尻軽先輩……と口に出そうになったところを、芽衣は慌てて飲み下した。
第一、後輩に人の恋愛事情を心配されるいわれはない。
たとえそれが、事実だったとしても、だ。
「坂田が心配することじゃないでしょ」
「そりゃ心配しますよ」
ひらり、とソファーの背を飛び越えた坂田が、目の前に立っていた。
あまりに距離が近くて、芽衣は思わず座っていた椅子ごと、身体を後退させる。
眼鏡の奥で、坂田のひんやりとした目が芽衣を見下ろしている。
「好きな人が、別の男に泣かされてるかもしれないって分かったら、だれだって心配するでしょ」
坂田はナチュラルなタメ口で、そう言った。その表情は、まったく変わらない。
一年生のくせに、年下のくせに、落ち着いた顔で、こちらを見ている。
芽衣は動揺している自分を恨めしく思った。
たかが後輩の男の子に、お世辞みたいなことを言われて。
「はいはい、ありがと。社交辞令として受け取っておくわ」
きっとこれが、先輩として一番スマートな返しだろうと思ったのに、坂田は動じない。
それどころか、芽衣の横にある机に手をつき、ぐっと身を乗り出してきた。
坂田の服から、柔軟剤の甘い匂いがする。
さらに椅子を引こうとしたが、坂田の足が、椅子のキャスターをぐりぐりと踏みつけていた。
「ちょ、ちょっとだれか来るかもしれないから……」
至近距離で見つめられて、息が詰まる。
坂田の涼しげな目元が、険しい色をたたえる。
「ほんとのことを教えてくださいよ、先輩。伊織先輩と、上手くいってないんですよね?」
坂田の目は、確信めいている。
まるで、芽衣の口から出る言葉を、とっくに知っているみたいに。
先輩として情けない。そんなことを思いながら、芽衣は小さな声で呟いた。
「まあ、ちょっとね。先輩も就活とか卒論とか、色々あるから」
坂田は、乗り出していた身をすっと引いた。
やわらかな甘い匂いとともに、芽衣は解放される。
「人のものに手出すほど馬鹿じゃないんすけど」
眼鏡の奥の理知的な目が、芽衣をじっと見つめる。
坂田は、するりと芽衣の手を取った。
細く、長い指が、芽衣の指先を絡め取る。
「先輩と別れて、俺にしません?」
学部の講義に、サークル活動に、バイトに、学生生活は暇がない。
二年生になって、サークルの会計補佐になり、後輩ができたことも影響しているだろう。
芽衣の所属するサークルは、ちょっとお堅いところだ。他のサークル全般を取りまとめ、予算配分や大学側との交渉を担う、「学生部」と呼ばれるサークルである。
なぜそんな真面目くさったサークルに所属したのか、と聞かれれば理由は簡単。勧誘の際に、当時三年生だった部長に「入れば就職で有利になる」と言われたからだった。
サークルのOBには、あの誰もが知る超有名家具店の社長もいるとかいないとか。
しかし……と、芽衣は思う。
「いくらなんでも、うちのサークルって男女比おかしすぎない?」
「いや、俺に言われても」
独り言のつもりが、テレビ前のソファーを陣取ってスマブラに明け暮れる後輩に拾われた。
サークルの部室は、電気ポットやテレビ、ソファーにお菓子やカップ麺までそろって、ギリギリ人が生活できそうなほど整っている。
芽衣のように講義とバイトの合間に、部室に入り浸る人間がわりといるのだ。
たまたま今日は、芽衣と三ヶ月前に入ったばかりの一年生、坂田春しかいないが。
「わたしはね! 女の子の後輩が欲しかったんだよ!」
「木下がいるじゃないすか」
「木下ちゃん一人だけじゃん! 男は六人もいるのに」
学生部という名前と、堅苦しすぎる活動内容のせいか、このサークルに入る女の子はほとんどいない。
芽衣が一年生の頃、一緒に入部したはずの女子二人は早々にサークルを抜けてしまって、二年生になった今、同期七人は全員男だ。
三年生の先輩に二人、四年生の先輩に一人、一年生に木下さんという女の子が一人、二年生は芽衣だけ。サークルの総人数二十七人に対して、女子はたったの五人。
このおかしすぎる男女比の恩恵を受けられるのは、ホワイトデーくらいなものだ。
バレンタインデーに女子五人でブラックサンダーの箱を買っただけで、その何倍もの量のお返しがくる。
しかも数少ない女子同士、その結束は堅い。皆、だれかが辞めて女子の人数が減ることを憂慮しており、自然とお互いを手厚く扱うようになるのだ。
おかげで芽衣は先輩たちに可愛がられ、なに不自由ない学生生活を謳歌していた。
「それより、いいんすか」
坂田がコントローラーを放り出し、ちらりと芽衣の顔を見る。
フレームの細い眼鏡をかけた坂田は、いかにもインテリといった感じだ。将来、こいつが部長になるんだろうな、と芽衣はふいに思った。
「なにが?」
坂田の言いたいことが分からず、首をかしげる。
「元部長の先輩……えっと、名前なんでしたっけ」
「ああ、伊織先輩のこと?」
「そうです」
「伊織先輩がどうかしたの?」
芽衣は、ますますわけが分からなくなる。
そもそも四年生の伊織涼太と、一年生の坂田はほとんど接点がないはずだ。
この時期の四年生は就活に忙しく、部室にもほとんど顔を出さない。部長職も三年生に譲って、気が向いた時にしか来ないというのが伝統のスタイルだった。
坂田は一瞬、呆けたような顔をしたが、ソファーの上でくるりと体の向きを変えて、芽衣の顔をじっと見つめた。
「先輩、怒るんじゃないすか? 遠井先輩が俺と部室で二人きりって分かったら」
坂田の顔はいたって真剣だ。
しかし、芽衣の頭の中を駆け巡ったのは別のことだった。
「伊織先輩と付き合ってるって、教えたっけ?」
「いや、聞いてないっす」
「だよね、教えてないもん」
後輩に隠していたわけではないが、芽衣は伊織と付き合っている。
これでも、伊織が三年生でまだ部長だった頃はサークル内で交際するのはまずいだろうという良心のもと、自重していたのだ。
それが伊織が四年生になった途端、サークルの飲み会終わりにうっかり……。
いや、そんなことはどうでもいい。
とにかく、坂田がどこからその情報を知ったのかを聞き出さなくては。
「だれから聞いたの?」
「この前、俺が一人で部室にいる時に、四年生の福原先輩が来たんすよ」
「ああ、福原先輩……」
情報の出どころは、あっさりと分かった。
福原は四年生唯一の女子で、芽衣としても信頼して伊織との付き合いを打ち明けたのだが。
福原は、ちょっと色々ゆるいところがあるのを忘れていた。口も、下品だけどあっちのほうも。
「寝た?」
芽衣のじとっとした目に、坂田が苦い顔をする。
「さすがに部室では寝てませんよ」
「どうせ福原先輩の家まで歩いて五分なんだから変わらないじゃない」
福原は、このおかしい男女比を大いに利用している。
本人曰く、本当に好きなのは女の子らしいが、持ち前の巨乳を活かして後輩男子を次々にたいらげている。もちろん、芽衣の同期の男たちも一年生の段階で何人か食われている。
四年生になって、めったに部室に顔を出さなくなっても、後輩漁りはやめられなかったようだ。
「気をつけなよ。福原先輩、彼氏はいないけどセフレはごまんといるから。本気で好きになったら終わるよ」
「そういう先輩はどうなんすか?」
「なに?」
「伊織先輩に、雑に扱われてるって聞きましたけど」
あの尻軽先輩……と口に出そうになったところを、芽衣は慌てて飲み下した。
第一、後輩に人の恋愛事情を心配されるいわれはない。
たとえそれが、事実だったとしても、だ。
「坂田が心配することじゃないでしょ」
「そりゃ心配しますよ」
ひらり、とソファーの背を飛び越えた坂田が、目の前に立っていた。
あまりに距離が近くて、芽衣は思わず座っていた椅子ごと、身体を後退させる。
眼鏡の奥で、坂田のひんやりとした目が芽衣を見下ろしている。
「好きな人が、別の男に泣かされてるかもしれないって分かったら、だれだって心配するでしょ」
坂田はナチュラルなタメ口で、そう言った。その表情は、まったく変わらない。
一年生のくせに、年下のくせに、落ち着いた顔で、こちらを見ている。
芽衣は動揺している自分を恨めしく思った。
たかが後輩の男の子に、お世辞みたいなことを言われて。
「はいはい、ありがと。社交辞令として受け取っておくわ」
きっとこれが、先輩として一番スマートな返しだろうと思ったのに、坂田は動じない。
それどころか、芽衣の横にある机に手をつき、ぐっと身を乗り出してきた。
坂田の服から、柔軟剤の甘い匂いがする。
さらに椅子を引こうとしたが、坂田の足が、椅子のキャスターをぐりぐりと踏みつけていた。
「ちょ、ちょっとだれか来るかもしれないから……」
至近距離で見つめられて、息が詰まる。
坂田の涼しげな目元が、険しい色をたたえる。
「ほんとのことを教えてくださいよ、先輩。伊織先輩と、上手くいってないんですよね?」
坂田の目は、確信めいている。
まるで、芽衣の口から出る言葉を、とっくに知っているみたいに。
先輩として情けない。そんなことを思いながら、芽衣は小さな声で呟いた。
「まあ、ちょっとね。先輩も就活とか卒論とか、色々あるから」
坂田は、乗り出していた身をすっと引いた。
やわらかな甘い匂いとともに、芽衣は解放される。
「人のものに手出すほど馬鹿じゃないんすけど」
眼鏡の奥の理知的な目が、芽衣をじっと見つめる。
坂田は、するりと芽衣の手を取った。
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