8 / 29
8.砦の主
しおりを挟む
夜の闇を塗り込めた、暗く、ひんやりとした声が響く。
アルマはふと顔を上げ、目を見張った。
炎のように紅く燃える瞳と、新雪のように輝く銀色の長髪。
レスターは感じの良い、穏やかな人物だったのに対し、目の前の男は、すべてを拒絶する冷めた印象を与え、氷像のような鋭い美しさを併せ持っている。
腰まで届く銀髪を揺らし、一歩また一歩と、男はアルマに近づいてくる。
アルマは自分でも訳が分からないまま、とっさに膝を折った。
神に祈りを捧げる気持ちで、男を見上げる。
もはや同じ人間だとは思えなかった。男に対し、抗いがたい力を感じている。
男が屈《かが》んだ拍子に、背中から銀髪が零れ、絹糸のようにきらめく。
紅い瞳が至近距離からアルマを射抜き、すべての動作を奪っていく。
「お前が、新しい生贄?」
男の問いに、アルマはぎこちなく頷いた。
この人になら、食べられても良い。直感で、そう思った。
それほどまでに男は人を超え、神に迫る勢いで美しく、彫刻のように生気がなかった。
「喜べ。俺はお前を喰わない。レスターに言って、家に帰してもらえ」
にっこりと笑みを形作った唇は、たいそう綺麗で、ちらりと覗いた鋭い犬歯に心臓が跳ねる。
しかし、アルマは予想外の言葉に、思考を停止させた。
話は終わったと言わんばかりに、男がアルマに背を向ける。
「あの……!」
弾かれたように立ち上がり、アルマは去っていく背中に声をかける。
「なんだ?」
男が振り返ると、黒い外套の裾が揺れた。領主の家に生まれたはずだが、レスターとは対照的に、貴族らしい煌びやかさはなく、軍人らしい無駄のない装いをしている。
「あなたが、砦の騎士ですよね……?」
「あの口も聞けないデカいだけの男が、砦の主だと思うか?」
「いえ……」
男は、さっさとアルマとの会話を終わらせたがっているようで、ほとんどアルマを見ていない。
「分かったら、さっさと帰れ。ドルシーに屋敷まで馬を出させるから」
言うが早いか、男は大声で名前を叫んだ。こちらに駆けてきたのは、先ほどの番人の男だ。とてもじゃないが、ドルシーなんて可愛い名前の持ち主だとは思えない。
小走りでやってきたドルシーに、男が指示を出す。
「この女を乗せて早馬で屋敷にいけ。明日、明るくなってから帰ってこい」
ドルシーはなんの反応も示さなかったが、男はそれを肯定と見たらしい。仕事を終えたと言わんばかりに、蔦の生い茂る館へと向かって歩き出す。
ドルシーがアルマの腕を取る直前、反射的に叫んだ。
「わたしは帰りたくありません!」
男の足が、ぴたりと止まる。
日没寸前の砦は薄暗く、振り向いた男の表情すらよく分からない。黒い外套は周囲の闇に溶け込み、装飾の施された袖の飾りボタンだけが光る。
「なんで帰りたくないんだ?」
男は感情の読めない声で、アルマに問いかける。
「わたしの帰る場所は、もうないからです。それに村に帰れば、今度こそ。わたしは……」
脳裏に焼きついた、ステラの無残な姿がフラッシュバックする。ステラを傷つけ、アルマを犬のように扱い、殺そうとした男たちの顔……。
村の人間は、アルマが生贄になることを望んでいる。若い娘を持つ親は特に、アルマが今年の生贄だと知って、安堵しただろう。自分の娘じゃなくて良かった、そう思ったはずだ。
それなのに、アルマが砦の主に追い返されて村へ帰ったら?
アルマの代わりに、新しい生贄を必要とするのかは分からないが、アルマが村で受ける仕打ちは、決まりきっている。
「わたしほど、生贄に向いている人はいません。親もいないし、目の色は気持ち悪い、異端者だ、魔女だって言われるし……」
自嘲する言葉と共に、意思とは関係なく涙があふれてくる。
こんなところで泣くつもりはなく、自分に泣くほどの感情の揺らぎがあることも、アルマは自覚していなかった。
「村へ帰るくらいなら、ここであなたに食べられて死にます」
「喰わねぇって言ってんだろ」
「じゃあ殺してください……お願いします」
アルマは自分でもなにを言っているのか、分からないまま喚く。
母親がいなくなってから、ずっと蓋をして、見ないようにしていた感情が、一気に溢れ出している。
ステラはもういない。母親も生きているのか、死んでいるのかすら分からない。一人で薄暗い墓地で、人々に虐げられながら生きていくことには耐えられない。
ましてや自分が生贄にならなかったことで、別の誰かが生贄になれば、アルマへの風当たりはもっと強くなる。村へ帰った途端、目をくり抜かれて、殺されたっておかしくはない。
食べないと言われたアルマに残された選択肢は、ここで今すぐ男に殺してもらうか、野山に入って狼の餌になるかの二択だ。
アルマに歩み寄ってきた男が、目の前に立つ。男が屈んでいたときは気づかなかったが、アルマより頭一つ分以上に背が高く、外套を着ていても体格の良さが窺える。
「ここで死ねば、お前は満足なのか?」
外套に手を突っ込んだまま、男が尋ねる。
「お前は、クソみてぇな世界から逃げるために死にたいと思ってる。違うか?」
「わたしは……」
死にたいと思うことは、逃げなのだろうか。
自分は死ぬことすら、許されないのだろうか。
「わたしは、もう、楽になりたいんです……それが逃げだと言うなら、それでも良いです。ただ、普通の人のように、生きてみたかっただけなのに」
涙がとめどなく溢れてくる。張られた頬に切り傷があるのか、涙が染みて、じくじくと痛む。
傷だらけの体を奮い立たせて、生きていく気力がない。これから降りかかる、あらゆる悪意を跳ね除ける力もない。
「普通の人間の生活とか、俺は知らねぇ」
アルマは、はっと男を見た。日がとっぷりと暮れた暗闇の中では、男の表情すら分からないが、自嘲気味に笑ったようだった。
アルマは目の色が、マーロイズ王国の人間とは違うだけで、魔女でも異端者でもない。ただの人間である。
けれど、目の前の男は――。
「俺は半分、竜だ。人間からは、あいつは竜だと言われ、竜からは、あいつは人間だからと言われる」
居場所がないんだ、と微かな呟きが聞こえた。
男の言葉が、アルマの心にじんわりと染み入ってくる。この男も、自分と同じように孤独なのだ。生贄をあてがわれ、レスターが子どものころから、閉ざされた砦に住み続けている。
なんと声をかければいいのか、アルマには分からなかった。人間とは時間の流れが違う男は、アルマ以上に、一人ですごした時間が長かったに違いない。
暗闇の中でも、男の瞳は自ら発光しているかのように、毒々しく紅い。
目が合ったような気がしたあと、男の大きな手のひらが、乱暴にアルマの髪をかき回した。ろくに洗っていない髪はもつれ、土埃と泥でひどい有様だが、男は気にしている様子もない。
アルマはしばらく、泣きながら、されるがままになっていた。
レスターの話とは、まるで食い違う。目の前の半分だけ竜の男は、アルマを食べないと言った。
嘘を吐かれているのだろうか?
油断させて、肥えたところを一呑みするつもりなのかもしれない。
それでもいい、とアルマは思った。村に戻って殺されたり、また迫害を受けるよりは、この孤独な男に食べられる方が、つらくない。
アルマは毛皮の外套を汚さないよう、気をつけながら涙をぬぐい、男を見上げた。
「わたしをここに置いてください。わたしを食べる気になるまで、わたしと一緒に、生きてください」
男の瞳が闇の中で、わずかに揺れた。
断られても、引き下がる気はない。自分が現実から逃げるために、死を選んでいるだけだと言われても、アルマの中に、砦に残る以外の選択肢は残されていなかった。
探るように伸ばされてた手が、アルマの腕を掴む。
男が突然歩き出したために、アルマは半ば引きずられるようにして男についていった。
蔦の這う館の扉が開けられ、室内の灯りが男とアルマの姿をありありと映し出す。
振り向いた男の顔は、愉快そうにゆがめられていた。
「今からお前は、死ぬまで俺のものだ」
灯りの下で見る男の瞳は炎のように紅く、狼のように鋭い光を放っていた。
アルマはふと顔を上げ、目を見張った。
炎のように紅く燃える瞳と、新雪のように輝く銀色の長髪。
レスターは感じの良い、穏やかな人物だったのに対し、目の前の男は、すべてを拒絶する冷めた印象を与え、氷像のような鋭い美しさを併せ持っている。
腰まで届く銀髪を揺らし、一歩また一歩と、男はアルマに近づいてくる。
アルマは自分でも訳が分からないまま、とっさに膝を折った。
神に祈りを捧げる気持ちで、男を見上げる。
もはや同じ人間だとは思えなかった。男に対し、抗いがたい力を感じている。
男が屈《かが》んだ拍子に、背中から銀髪が零れ、絹糸のようにきらめく。
紅い瞳が至近距離からアルマを射抜き、すべての動作を奪っていく。
「お前が、新しい生贄?」
男の問いに、アルマはぎこちなく頷いた。
この人になら、食べられても良い。直感で、そう思った。
それほどまでに男は人を超え、神に迫る勢いで美しく、彫刻のように生気がなかった。
「喜べ。俺はお前を喰わない。レスターに言って、家に帰してもらえ」
にっこりと笑みを形作った唇は、たいそう綺麗で、ちらりと覗いた鋭い犬歯に心臓が跳ねる。
しかし、アルマは予想外の言葉に、思考を停止させた。
話は終わったと言わんばかりに、男がアルマに背を向ける。
「あの……!」
弾かれたように立ち上がり、アルマは去っていく背中に声をかける。
「なんだ?」
男が振り返ると、黒い外套の裾が揺れた。領主の家に生まれたはずだが、レスターとは対照的に、貴族らしい煌びやかさはなく、軍人らしい無駄のない装いをしている。
「あなたが、砦の騎士ですよね……?」
「あの口も聞けないデカいだけの男が、砦の主だと思うか?」
「いえ……」
男は、さっさとアルマとの会話を終わらせたがっているようで、ほとんどアルマを見ていない。
「分かったら、さっさと帰れ。ドルシーに屋敷まで馬を出させるから」
言うが早いか、男は大声で名前を叫んだ。こちらに駆けてきたのは、先ほどの番人の男だ。とてもじゃないが、ドルシーなんて可愛い名前の持ち主だとは思えない。
小走りでやってきたドルシーに、男が指示を出す。
「この女を乗せて早馬で屋敷にいけ。明日、明るくなってから帰ってこい」
ドルシーはなんの反応も示さなかったが、男はそれを肯定と見たらしい。仕事を終えたと言わんばかりに、蔦の生い茂る館へと向かって歩き出す。
ドルシーがアルマの腕を取る直前、反射的に叫んだ。
「わたしは帰りたくありません!」
男の足が、ぴたりと止まる。
日没寸前の砦は薄暗く、振り向いた男の表情すらよく分からない。黒い外套は周囲の闇に溶け込み、装飾の施された袖の飾りボタンだけが光る。
「なんで帰りたくないんだ?」
男は感情の読めない声で、アルマに問いかける。
「わたしの帰る場所は、もうないからです。それに村に帰れば、今度こそ。わたしは……」
脳裏に焼きついた、ステラの無残な姿がフラッシュバックする。ステラを傷つけ、アルマを犬のように扱い、殺そうとした男たちの顔……。
村の人間は、アルマが生贄になることを望んでいる。若い娘を持つ親は特に、アルマが今年の生贄だと知って、安堵しただろう。自分の娘じゃなくて良かった、そう思ったはずだ。
それなのに、アルマが砦の主に追い返されて村へ帰ったら?
アルマの代わりに、新しい生贄を必要とするのかは分からないが、アルマが村で受ける仕打ちは、決まりきっている。
「わたしほど、生贄に向いている人はいません。親もいないし、目の色は気持ち悪い、異端者だ、魔女だって言われるし……」
自嘲する言葉と共に、意思とは関係なく涙があふれてくる。
こんなところで泣くつもりはなく、自分に泣くほどの感情の揺らぎがあることも、アルマは自覚していなかった。
「村へ帰るくらいなら、ここであなたに食べられて死にます」
「喰わねぇって言ってんだろ」
「じゃあ殺してください……お願いします」
アルマは自分でもなにを言っているのか、分からないまま喚く。
母親がいなくなってから、ずっと蓋をして、見ないようにしていた感情が、一気に溢れ出している。
ステラはもういない。母親も生きているのか、死んでいるのかすら分からない。一人で薄暗い墓地で、人々に虐げられながら生きていくことには耐えられない。
ましてや自分が生贄にならなかったことで、別の誰かが生贄になれば、アルマへの風当たりはもっと強くなる。村へ帰った途端、目をくり抜かれて、殺されたっておかしくはない。
食べないと言われたアルマに残された選択肢は、ここで今すぐ男に殺してもらうか、野山に入って狼の餌になるかの二択だ。
アルマに歩み寄ってきた男が、目の前に立つ。男が屈んでいたときは気づかなかったが、アルマより頭一つ分以上に背が高く、外套を着ていても体格の良さが窺える。
「ここで死ねば、お前は満足なのか?」
外套に手を突っ込んだまま、男が尋ねる。
「お前は、クソみてぇな世界から逃げるために死にたいと思ってる。違うか?」
「わたしは……」
死にたいと思うことは、逃げなのだろうか。
自分は死ぬことすら、許されないのだろうか。
「わたしは、もう、楽になりたいんです……それが逃げだと言うなら、それでも良いです。ただ、普通の人のように、生きてみたかっただけなのに」
涙がとめどなく溢れてくる。張られた頬に切り傷があるのか、涙が染みて、じくじくと痛む。
傷だらけの体を奮い立たせて、生きていく気力がない。これから降りかかる、あらゆる悪意を跳ね除ける力もない。
「普通の人間の生活とか、俺は知らねぇ」
アルマは、はっと男を見た。日がとっぷりと暮れた暗闇の中では、男の表情すら分からないが、自嘲気味に笑ったようだった。
アルマは目の色が、マーロイズ王国の人間とは違うだけで、魔女でも異端者でもない。ただの人間である。
けれど、目の前の男は――。
「俺は半分、竜だ。人間からは、あいつは竜だと言われ、竜からは、あいつは人間だからと言われる」
居場所がないんだ、と微かな呟きが聞こえた。
男の言葉が、アルマの心にじんわりと染み入ってくる。この男も、自分と同じように孤独なのだ。生贄をあてがわれ、レスターが子どものころから、閉ざされた砦に住み続けている。
なんと声をかければいいのか、アルマには分からなかった。人間とは時間の流れが違う男は、アルマ以上に、一人ですごした時間が長かったに違いない。
暗闇の中でも、男の瞳は自ら発光しているかのように、毒々しく紅い。
目が合ったような気がしたあと、男の大きな手のひらが、乱暴にアルマの髪をかき回した。ろくに洗っていない髪はもつれ、土埃と泥でひどい有様だが、男は気にしている様子もない。
アルマはしばらく、泣きながら、されるがままになっていた。
レスターの話とは、まるで食い違う。目の前の半分だけ竜の男は、アルマを食べないと言った。
嘘を吐かれているのだろうか?
油断させて、肥えたところを一呑みするつもりなのかもしれない。
それでもいい、とアルマは思った。村に戻って殺されたり、また迫害を受けるよりは、この孤独な男に食べられる方が、つらくない。
アルマは毛皮の外套を汚さないよう、気をつけながら涙をぬぐい、男を見上げた。
「わたしをここに置いてください。わたしを食べる気になるまで、わたしと一緒に、生きてください」
男の瞳が闇の中で、わずかに揺れた。
断られても、引き下がる気はない。自分が現実から逃げるために、死を選んでいるだけだと言われても、アルマの中に、砦に残る以外の選択肢は残されていなかった。
探るように伸ばされてた手が、アルマの腕を掴む。
男が突然歩き出したために、アルマは半ば引きずられるようにして男についていった。
蔦の這う館の扉が開けられ、室内の灯りが男とアルマの姿をありありと映し出す。
振り向いた男の顔は、愉快そうにゆがめられていた。
「今からお前は、死ぬまで俺のものだ」
灯りの下で見る男の瞳は炎のように紅く、狼のように鋭い光を放っていた。
0
お気に入りに追加
15
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方
ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。
注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
婚約破棄された検品令嬢ですが、冷酷辺境伯の子を身籠りました。 でも本当はお優しい方で毎日幸せです
青空あかな
恋愛
旧題:「荷物検査など誰でもできる」と婚約破棄された検品令嬢ですが、極悪非道な辺境伯の子を身籠りました。でも本当はお優しい方で毎日心が癒されています
チェック男爵家長女のキュリティは、貴重な闇魔法の解呪師として王宮で荷物検査の仕事をしていた。
しかし、ある日突然婚約破棄されてしまう。
婚約者である伯爵家嫡男から、キュリティの義妹が好きになったと言われたのだ。
さらには、婚約者の権力によって検査係の仕事まで義妹に奪われる。
失意の中、キュリティは辺境へ向かうと、極悪非道と噂される辺境伯が魔法実験を行っていた。
目立たず通り過ぎようとしたが、魔法事故が起きて辺境伯の子を身ごもってしまう。
二人は形式上の夫婦となるが、辺境伯は存外優しい人でキュリティは温かい日々に心を癒されていく。
一方、義妹は仕事でミスばかり。
闇魔法を解呪することはおろか見破ることさえできない。
挙句の果てには、闇魔法に呪われた荷物を王宮内に入れてしまう――。
※おかげさまでHOTランキング1位になりました! ありがとうございます!
※ノベマ!様で短編版を掲載中でございます。

この度、皆さんの予想通り婚約者候補から外れることになりました。ですが、すぐに結婚することになりました。
鶯埜 餡
恋愛
ある事件のせいでいろいろ言われながらも国王夫妻の働きかけで王太子の婚約者候補となったシャルロッテ。
しかし当の王太子ルドウィックはアリアナという男爵令嬢にべったり。噂好きな貴族たちはシャルロッテに婚約者候補から外れるのではないかと言っていたが
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる