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夏休み

鶯谷野呼春と異能研究相談所

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鶯谷野の呼春と静海暮も最後に肝試しに出発していた。

「正直、この道は暗いだけで何も出ないんだけど。暗いから肝試しコースになってるんだよ。」

黙々と歩いていた二人はそれが初めの会話だった。

「何もないのに肝試しコースになるですね。」

呼春は少しダルそうな様子だった。

その理由は静海暮が嫌というわけでなくて、他の人達、特に飛岳和人の事が気になっていたので、静海暮の話などどうでも良かった。

「なんか、興味無さそうだ。じゃあ伝えたかった重要な用件を話させて貰う事にする。清水が、あの兄の方の清水。闇月院清翔が君にあって話して起きたい事があると言っていた。なにやら重要な事らしくて、今年の間には絶対に会って話さなければならないらしい。彼の名刺には電話番号しか書いてないからこれを渡しておくよ。」

そう言って静海暮は自分の名刺を渡す。

異能研究相談所 警備主任 静海 暮。

静海暮も異能研究相談所の一員であった。

「まぁ、清水が重要な事って言ってるって事は相当重要な事だと思うから、早く行った方がいいんじゃないか、って思う。もしかしたら厨二病的な絡みだけかもしれないけど。」

「分かりました。ここに書かれている住所が異能研究相談所の場所で大丈夫ですか。」

「そう、そこで大丈夫。多分そこに行ったらまず塔屋って人に出迎えられると思うから、そこで名乗ったら清水を呼んで貰えると思うわ。」

「分かりました、今度行こうと思います。」

「もしかすると君を勧誘するつもりなのかもしれないね。もちろんこれは冗談だけど。」

「異能に関する事って言うのは間違えないな。異能研究相談所があるくらいだから、もちろん異能はあるからな。」

しれっと異能研究相談所に所属している静海さんの事をスルーしていたが、異能があると言い出したので、やはり気になってしまった。

「そう言えば、静海が異能研究相談所に入っているということは、静海さんも?」

「そうだな、俺は先天性の異能力者。まぁ、先天性とか後天性とか言われても分からないだろうけど。俺は簡単に言えば身体強化の能力者だ。しょぼい能力だけど、昔はこの能力のお陰で喧嘩は強かった‥って、向こうあの明かり前に出た二人のじゃないか。何かあったのかもしれないな。」

静海暮は全力疾走でその明かりの方へ走っていった。
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