66 / 81
夏休み
体調不良
しおりを挟む
屋城に言われた通りの間隔で、俺と清水さんは肝試しに出発する。
「そう言えば清水さんって怖いのは苦手か、それとも得意。どっちなのかな。」
二人で暗い夜道を歩きながら、俺はそう聞いてみた。
「全然得意ですよ。昔から兄が怖い話をしてくれたので。」
「へぇ、そうなんだね。」
呼春から吊り橋効果を狙おうと言われていたのに、全然怖いのが効果ない事が分かってしまった。
その後は、付かず離れずの距離で二人で、空気が美味しいねだとか、星がたくさん見えるね。そんな話をして肝試しではなくただの散歩をしていた。
「あれって、もしかして先に出た二人の明かりかな。」
俺はそう言って前方の小さな光に指さした。
「多分そうだと思いますよ。」
「ちょっとなにかあったかもしれないので見てこようと思う。」
そう言って懐中電灯を清水さんに渡して、俺はその光の方に走っていった。
その光の正体は、やはり先に出た二人の懐中電灯だった。
屋城が座り込んでいる。多分何かあったのは屋城の方だろう。
「どうしたんですか。」
「あぁ、屋城君が、体調不良みたいなの。」
「和人。ヤベェ、すげぇ気分悪い。助けてくれ。」
肝試しコースは三十分くらいで終わると、静海さんが教えてくれた。今はだいたい出発して二十分の地点だから、急げばそんなにかからないだろう。
「分かった。俺が背負って運ぶから少しの間我慢しとけ。」
「何があったのですか。」
そこに清水さんも到着する。
「緋茉莉先輩。後はお願いします。」
そう言って俺は屋城を背負い上げて走り出す。
「この後やる花火は俺達抜きでやってもらって大丈夫です。いないからしなかったってなるとこっちが気負いするので。」
とだけ走りながら伝えて、俺はその後振り返らずに真っ直ぐ走っていった。
肝試しコースとそこから施設への道、合わせて徒歩で二十分くらいの所を全力疾走を、しかも人を背負って行った訳で、施設についた頃には汗だくになっていた。
「和人。ほんとに言い難いんだけどさ。お腹痛かっただけなんだ。それに、必死に走ってたから言えなかったけど、もう治まってるんだ。」
「おい、マジか。あぁ、わかった俺はもう疲れたから、少し休んだら風呂に入る事にする。お前は戻ったらいいんじゃないか。」
「おう、一応トイレだけ行ったらみんなの所に戻る。」
そう言って屋城は俺を置いて走り出す。
あぁ、疲れたのに意味がなかった。
「そう言えば清水さんって怖いのは苦手か、それとも得意。どっちなのかな。」
二人で暗い夜道を歩きながら、俺はそう聞いてみた。
「全然得意ですよ。昔から兄が怖い話をしてくれたので。」
「へぇ、そうなんだね。」
呼春から吊り橋効果を狙おうと言われていたのに、全然怖いのが効果ない事が分かってしまった。
その後は、付かず離れずの距離で二人で、空気が美味しいねだとか、星がたくさん見えるね。そんな話をして肝試しではなくただの散歩をしていた。
「あれって、もしかして先に出た二人の明かりかな。」
俺はそう言って前方の小さな光に指さした。
「多分そうだと思いますよ。」
「ちょっとなにかあったかもしれないので見てこようと思う。」
そう言って懐中電灯を清水さんに渡して、俺はその光の方に走っていった。
その光の正体は、やはり先に出た二人の懐中電灯だった。
屋城が座り込んでいる。多分何かあったのは屋城の方だろう。
「どうしたんですか。」
「あぁ、屋城君が、体調不良みたいなの。」
「和人。ヤベェ、すげぇ気分悪い。助けてくれ。」
肝試しコースは三十分くらいで終わると、静海さんが教えてくれた。今はだいたい出発して二十分の地点だから、急げばそんなにかからないだろう。
「分かった。俺が背負って運ぶから少しの間我慢しとけ。」
「何があったのですか。」
そこに清水さんも到着する。
「緋茉莉先輩。後はお願いします。」
そう言って俺は屋城を背負い上げて走り出す。
「この後やる花火は俺達抜きでやってもらって大丈夫です。いないからしなかったってなるとこっちが気負いするので。」
とだけ走りながら伝えて、俺はその後振り返らずに真っ直ぐ走っていった。
肝試しコースとそこから施設への道、合わせて徒歩で二十分くらいの所を全力疾走を、しかも人を背負って行った訳で、施設についた頃には汗だくになっていた。
「和人。ほんとに言い難いんだけどさ。お腹痛かっただけなんだ。それに、必死に走ってたから言えなかったけど、もう治まってるんだ。」
「おい、マジか。あぁ、わかった俺はもう疲れたから、少し休んだら風呂に入る事にする。お前は戻ったらいいんじゃないか。」
「おう、一応トイレだけ行ったらみんなの所に戻る。」
そう言って屋城は俺を置いて走り出す。
あぁ、疲れたのに意味がなかった。
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
校長先生の話が長い、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
学校によっては、毎週聞かされることになる校長先生の挨拶。
学校で一番多忙なはずのトップの話はなぜこんなにも長いのか。
とあるテレビ番組で関連書籍が取り上げられたが、実はそれが理由ではなかった。
寒々とした体育館で長時間体育座りをさせられるのはなぜ?
なぜ女子だけが前列に集められるのか?
そこには生徒が知りえることのない深い闇があった。
新年を迎え各地で始業式が始まるこの季節。
あなたの学校でも、実際に起きていることかもしれない。
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
「学校でトイレは1日2回まで」という校則がある女子校の話
赤髪命
大衆娯楽
とある地方の私立女子校、御清水学園には、ある変わった校則があった。
「校内のトイレを使うには、毎朝各個人に2枚ずつ配られるコインを使用しなければならない」
そんな校則の中で生活する少女たちの、おしがまと助け合いの物語
男子中学生から女子校生になった僕
葵
大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。
普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。
強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!
令嬢の名門女学校で、パンツを初めて履くことになりました
フルーツパフェ
大衆娯楽
とある事件を受けて、財閥のご令嬢が数多く通う女学校で校則が改訂された。
曰く、全校生徒はパンツを履くこと。
生徒の安全を確保するための善意で制定されたこの校則だが、学校側の意図に反して事態は思わぬ方向に?
史実上の事件を元に描かれた近代歴史小説。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる