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始まりの春

九頭竜緋茉莉

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先輩の名前は九頭竜緋茉莉。俺が入部届を出して初めて部活に参加した日にはいなかった先輩だ。
入部した二日後に初めてあった。
先輩は優しそうだったのだが、おかしな人だった。
ツンデレを目指しているらしい。
「ツンデレってどういう感じなのかな。金髪でツインテールって言われたからそうしてみたんだけど、どうかな飛岳君。」
確かに金髪ツインテールはツンデレの王道らしいが、雰囲気が違う気がする。
「えっと多分、喋り方とかが違うかなと。」
先輩は首を傾げている。多分理解できなかったんだろうな。理解してたらツンデレっぽい喋り方になるだろうし。
「ちょっとやってみてほしいな。」
なんて振りだ。それはいくらなんでも酷い気がする。一応他にも人いるし。清水さんも見てるし。ここでツンデレっぽい喋り方をしたら絶対に引かれる。どうしたらいいんだよ。
そこで話し出したのは清水さんだった。
「やってみて下さい。」
さて、清水さんにまでツンデレ振りされてしまったんだが、すごく困ったな。
「わっわかりましたやりますよ。」
そんな事を振られたらもう、やるしかないのかな。
「べっ別に先輩のためにやってるじゃないからな。」
多分これくらいなら不自然じゃないし、それっぽさが伝わるはず。
「そんな感じにやればいいのね。」
伝わったならいいけど。
「つっつまり、君のためにこんな事してるじゃないから。」
ちょっと恥ずかしそうにして
「こんな感じでいいの?」
たぶん今のがツンデレでいいと思った。
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