86 / 88
インターミッション
しおりを挟む
「じゃあ、仕入れと仕込み直しの前にどんな感じだったか聞かせてもらえるかな?」
お客さんが全てはけ、店内の掃除と洗い物を済ませて2階に集まった。
本当なら座れるお店の中が具合が良かったのだが、ドアの外からの見えないプレッシャーを感じてあそこでは気が休まらないと判断した。あそこには今何かが渦巻いている。T字型の金属片が真っ赤に染まりながら飛び回りそうなイメージだ。
うちのプライベートスペースには、まだイスも机も足りないので、エアーマットを引いたら娼館の応援組はこてんとその上にダウンしてあっさりと寝てしまった。
彼女たちは慣れない接客や、高価だと思っているグラスの扱いで疲れきってしまったようだ。おやつをあげようと思っていたが、起きてからにしようかね。
「お好み焼きは、62枚出ました。お酒は78杯出てます」
ルエラが通ったオーダーを記録していたのを教えてくれた。ビールは2樽しかなかったから品切れストップでこの数字。テストでも数杯出してたからギリギリ一杯まで出た感じか。
「お酒は、最初頼まれるお客さんがいなかったのですが、途中で頼まれだしたら爆発的にオーダーが入りました」
1人が試しに頼んだら、それが広まった感じなのか。空間認識でみんなの仕事ぶりは見てたけど、実はお客さんの反応は自分で生で見たいと思って、あえて見てなかったんだよね。
「てことは、もっとこれから伸びる可能性があるってことかな?」
「はい、……お好み焼きももっと多く焼ければ良いんですが」
今の鉄板で、一面全部使って8枚しか焼けないからボトルネックになっているんじゃないかって事か。ルエラは向上心高いなあ。とはいえ、焼き場を増やすスペースは無い。
彼女は不満そうだが、このシロネコ亭に於いては時間7万の売り上げで十分以上の価値がある。なのでそのまま正直にルエラに伝えた。
「別に焦らなくていいよ。ハッキリ言って今のこの売り上げでも上々なんだからさ」
と、言ってもルエラの顔は曇ったままだ。この店を任されたからにはみたいに力が入りすぎてる気がするな。
「商業ギルドへの上納と、みんなの人件費、そして野菜と肉の仕入れとかで売り上げから2割抜いたとしても、純利で銀貨120枚くらい行ってるんだからさ。そんな売り上げてる店近くにあるかい?」
と、聞くとルエラはちょっと考えたあと、ふるふると首を振った。
「でもそれユキさんから提供されているお酒とか材料が考慮されてませんよね?」
基本的にシロネコ亭は、超どんぶり勘定上等だ。あっちの世界で仕入れて持ち込む小麦粉や山芋パウダーやソースなどをこっちで使って、こちらの通貨に換えていければ良いというのが大元にある。
どうやら、兄貴たちは本気でこちらに生活基盤を移すつもりらしいから、その生活の為に現金収入がある流れを作りたかったんだ。
紙やボールペンを売った様に、あっちの工業製品を持ち込めば、あっという間に大金持ちにはなれそうだけど、派手に輸入業をするのは俺の望む所じゃない。というか、こっちの世界を壊しすぎてエリア神に天罰をくだされそうで怖い。食べ物を選んだのも、これならこっちの人も真似できるし、食べてハッピーになれば幸せな気分な人で闇に落ちる人が減るかも? みたいな思惑もあったりなかったり。だから天罰はやめてください、お願いします。
このお好み焼き屋も元は屋台くらいでちんまりと始めるつもりだったから、このハイペースな変換は想定以上な訳なんだよね。これで1日平均で6時間稼動したとして1日40万の売り上げられれば将来的に家を買ったり、生活していくには十分以上だろう。
ちなみにこの店はルエラには話していないが、実は彼女の権利物だったりする。バレないように対外的に俺の店みたいな形にして貰っているのだけど。
こんな大通りに面した店が、火事にあってそのまま放置されてるのは変だな? と思ってマリアさんに動いてもらったら、商業ギルドの方で押えてあったらしい、ルエラの両親が自分達に何かあったらルエラに譲ると証印した文章が残っていた。商業ギルドとしても、空白のままにしておくには惜しい土地なので、ルエラの居場所を探していたらしいのだが。まさか、娼館に匿われていたとは思ってなかったそうだ。
「えっと、それに関しては今日の閉店後にルエラに話すよ」
「……判りました、じゃあ私はお肉とか鶏卵を仕入れてきます。んー」
と、一緒に行く子を探そうとマットの方を見たルエラの表情がちょっと緩んだ。何かと思ってみてみれば、静かだねと思ったら子供たちに抱きついて由香里ねーさんもくったりと寝てしまっていた。今朝もやたら早くから起きてたみたいだし、夜、興奮して眠れなかったのかもしれない。
「それじゃあ、わらわが付き合おうかの。目利きは出来んが荷物もち程度ならできるぞ、なんとか」
と、寝ている子供達を見ながら珍しくリスティが乗ってきた。昨日、車で移動するときに渡したスカーフを頭にささっとかぶって耳を隠す。エルフだって判らなくても普通じゃないレベルの美少女だから目立つんだけど、ルエラ一人行かせるのは心配だから正直助かる。
「ありがとうリスティ、あの呼びつけておいてなんだけど、里は戻らなくて大丈夫なの?」
「今宵、ルエラとの話を聞き終わったら戻ろうかと思っておる。あの風呂にまた入りたいからの」
と言ってるけど多分彼女の狙いは風呂上りに飲んだコーヒー牛乳だろうな。長期保存できる奴だし、今回のお詫びに少しお土産で持たせてあげよう。
「ねーさん、ボクらちょっと買い出しに行ってくるけど?」
と寝ている由香里ねーさんに一応声を掛けたが、まともな返事が帰ってこなかったので子供たちとそのまま寝かせておくことにした。
「フローリアはどうする?」
って聞いたら、ぴゅーっと飛んできて俺の肩に止まった。
「あっちいくんでしょ? ゆっきーと行く」
「それじゃ行こうか」
と、俺は空の樽を持とうとすると、目の前でさっとユリアナが抱えてしまった。
「だめです、私が持ちます!!」
と激しく抵抗するユリアナからなんとか一本は奪い取れた。なんでうちの褐色メイド娘はこういう事には抵抗するんだか。
「こんなの軽いのに、なんで持たせてくれないんですか?」
ってまだ言ってるけど、今の俺よりも背の小さいユリアナに2本もビール樽持たせるのは俺的に嫌。
というか傍目からみたら虐待に見えるわ。
そんな一幕の後、俺達は戸棚の下ゲートを潜ってニュー高坂家の俺の部屋に移動した。
「なんかガタガタしてますね?」
とユリアナが気付くくらい、昨日と違って家の中は賑やかだった。他の人の気配を感じてウエストポーチに逃げ込むフローリア。俺はちょっと空間認識を拡げて、周りを見てみると部屋の外ではもう引越し荷物の運び込みが始まっていた。この家は間取りが広いからあまり養生しないで作業できるからラクそうだね。
俺は荷運びの邪魔にならないタイミングを見計らってドアを開ける。兄貴しか居ないと思ってた作業をしていた人たちから、驚きの視線が集中するが、俺らは何事もなかったかのように玄関で指示している兄貴の元に歩いていった。
「あのさ、ビールもう空になっちゃったから交換と増量お願いしてもらっていい? 15リットルの樽を6本くらい、いや8本かな」
「ああ、それはいいが。目立ってるぞ? お前達」
って言われて2人でビール樽を軽々運んでいるのを思い出した。もう隠すのも遅すぎる……。おもーいとか小芝居しようかと思ったが、ユリアナにそのニュアンスを伝えるのも無理そうだし、もうさっさと逃げ出そう。
兄貴から離れて二階にあがり、渡り廊下を渡って倉庫にビール樽(空)を運び込んだ。よく考えたら即交換じゃなくて納入してもらってから持ち込んでも良かったね…… まあ今更だ。渡り廊下からは、シロネコマークの引越しトラックが止まっていた。生前、この辺りには配送に来なかったし、着ているメンツに知り合いや顔見知りは居なかったが、やっぱりもと同僚たちが働いてるのを見るとちょっとクルものがあるね。
「ご主人さまと同じシロネコさんが一杯ですね」
廊下の下で荷物を運んでいる彼らを見ているユリアナ。あ、あそこにあるのは由香里ねーさんのママチャリ・クロウサ号か。カギついてるみたいだし、あれ借りようかな。確か坂を下りたあたりにスーパーやらあった気がする。
「ちょっとクロウサ号で買い出ししてきたいからお金ちょーだい」
と、兄貴に声を掛けたら無造作に諭吉を10枚くらい渡された。多いよ!!
クロウサ号のタイヤの空気を確認して、サドルの高さを下げる。ん、これくらい下げれば今の身長でも漕げるな。ってなんか作業してる人たちからやたらと視線が集中してる気がする。
『あれ、うちの去年配られたジャンバーっすよねえ? 誰かの娘さん?』
『にしたって、家族にも着せたらダメだろ。社用以外で着るなって言われたぞ』
『じゃあ、先輩注意してきてくださいよ』
『嫌だよ!! あんな可愛い子に着るなとかお前言えんのか?』
『もうあれっすよ、写真取らせてもらって今後CMモデルとかでもいいんじゃないっすか?』
『『それだ!!』』
それだ!! じゃねーっ。と言うかシロネコジャンパー着たまま来た俺が悪いのか。でもこれはちょっと今ワケアリ状態だから身から離せないんだよね。
「ユリアナ、そこ乗って」
と後ろの荷台に横向きに座らせて、俺は急いでクロウサ号で逃げ出した。自転車の2人乗りは禁止されているが、これは緊急避難なんです。見逃してつかさい。
しかし、走り出して2秒で俺は自転車をセレクトした自分を呪った。
これミニスカートだと超不安な気持ちになることが判った。こんな格好で自転車乗った事なかったから知らなかったし、知りたくなかったよ……
お客さんが全てはけ、店内の掃除と洗い物を済ませて2階に集まった。
本当なら座れるお店の中が具合が良かったのだが、ドアの外からの見えないプレッシャーを感じてあそこでは気が休まらないと判断した。あそこには今何かが渦巻いている。T字型の金属片が真っ赤に染まりながら飛び回りそうなイメージだ。
うちのプライベートスペースには、まだイスも机も足りないので、エアーマットを引いたら娼館の応援組はこてんとその上にダウンしてあっさりと寝てしまった。
彼女たちは慣れない接客や、高価だと思っているグラスの扱いで疲れきってしまったようだ。おやつをあげようと思っていたが、起きてからにしようかね。
「お好み焼きは、62枚出ました。お酒は78杯出てます」
ルエラが通ったオーダーを記録していたのを教えてくれた。ビールは2樽しかなかったから品切れストップでこの数字。テストでも数杯出してたからギリギリ一杯まで出た感じか。
「お酒は、最初頼まれるお客さんがいなかったのですが、途中で頼まれだしたら爆発的にオーダーが入りました」
1人が試しに頼んだら、それが広まった感じなのか。空間認識でみんなの仕事ぶりは見てたけど、実はお客さんの反応は自分で生で見たいと思って、あえて見てなかったんだよね。
「てことは、もっとこれから伸びる可能性があるってことかな?」
「はい、……お好み焼きももっと多く焼ければ良いんですが」
今の鉄板で、一面全部使って8枚しか焼けないからボトルネックになっているんじゃないかって事か。ルエラは向上心高いなあ。とはいえ、焼き場を増やすスペースは無い。
彼女は不満そうだが、このシロネコ亭に於いては時間7万の売り上げで十分以上の価値がある。なのでそのまま正直にルエラに伝えた。
「別に焦らなくていいよ。ハッキリ言って今のこの売り上げでも上々なんだからさ」
と、言ってもルエラの顔は曇ったままだ。この店を任されたからにはみたいに力が入りすぎてる気がするな。
「商業ギルドへの上納と、みんなの人件費、そして野菜と肉の仕入れとかで売り上げから2割抜いたとしても、純利で銀貨120枚くらい行ってるんだからさ。そんな売り上げてる店近くにあるかい?」
と、聞くとルエラはちょっと考えたあと、ふるふると首を振った。
「でもそれユキさんから提供されているお酒とか材料が考慮されてませんよね?」
基本的にシロネコ亭は、超どんぶり勘定上等だ。あっちの世界で仕入れて持ち込む小麦粉や山芋パウダーやソースなどをこっちで使って、こちらの通貨に換えていければ良いというのが大元にある。
どうやら、兄貴たちは本気でこちらに生活基盤を移すつもりらしいから、その生活の為に現金収入がある流れを作りたかったんだ。
紙やボールペンを売った様に、あっちの工業製品を持ち込めば、あっという間に大金持ちにはなれそうだけど、派手に輸入業をするのは俺の望む所じゃない。というか、こっちの世界を壊しすぎてエリア神に天罰をくだされそうで怖い。食べ物を選んだのも、これならこっちの人も真似できるし、食べてハッピーになれば幸せな気分な人で闇に落ちる人が減るかも? みたいな思惑もあったりなかったり。だから天罰はやめてください、お願いします。
このお好み焼き屋も元は屋台くらいでちんまりと始めるつもりだったから、このハイペースな変換は想定以上な訳なんだよね。これで1日平均で6時間稼動したとして1日40万の売り上げられれば将来的に家を買ったり、生活していくには十分以上だろう。
ちなみにこの店はルエラには話していないが、実は彼女の権利物だったりする。バレないように対外的に俺の店みたいな形にして貰っているのだけど。
こんな大通りに面した店が、火事にあってそのまま放置されてるのは変だな? と思ってマリアさんに動いてもらったら、商業ギルドの方で押えてあったらしい、ルエラの両親が自分達に何かあったらルエラに譲ると証印した文章が残っていた。商業ギルドとしても、空白のままにしておくには惜しい土地なので、ルエラの居場所を探していたらしいのだが。まさか、娼館に匿われていたとは思ってなかったそうだ。
「えっと、それに関しては今日の閉店後にルエラに話すよ」
「……判りました、じゃあ私はお肉とか鶏卵を仕入れてきます。んー」
と、一緒に行く子を探そうとマットの方を見たルエラの表情がちょっと緩んだ。何かと思ってみてみれば、静かだねと思ったら子供たちに抱きついて由香里ねーさんもくったりと寝てしまっていた。今朝もやたら早くから起きてたみたいだし、夜、興奮して眠れなかったのかもしれない。
「それじゃあ、わらわが付き合おうかの。目利きは出来んが荷物もち程度ならできるぞ、なんとか」
と、寝ている子供達を見ながら珍しくリスティが乗ってきた。昨日、車で移動するときに渡したスカーフを頭にささっとかぶって耳を隠す。エルフだって判らなくても普通じゃないレベルの美少女だから目立つんだけど、ルエラ一人行かせるのは心配だから正直助かる。
「ありがとうリスティ、あの呼びつけておいてなんだけど、里は戻らなくて大丈夫なの?」
「今宵、ルエラとの話を聞き終わったら戻ろうかと思っておる。あの風呂にまた入りたいからの」
と言ってるけど多分彼女の狙いは風呂上りに飲んだコーヒー牛乳だろうな。長期保存できる奴だし、今回のお詫びに少しお土産で持たせてあげよう。
「ねーさん、ボクらちょっと買い出しに行ってくるけど?」
と寝ている由香里ねーさんに一応声を掛けたが、まともな返事が帰ってこなかったので子供たちとそのまま寝かせておくことにした。
「フローリアはどうする?」
って聞いたら、ぴゅーっと飛んできて俺の肩に止まった。
「あっちいくんでしょ? ゆっきーと行く」
「それじゃ行こうか」
と、俺は空の樽を持とうとすると、目の前でさっとユリアナが抱えてしまった。
「だめです、私が持ちます!!」
と激しく抵抗するユリアナからなんとか一本は奪い取れた。なんでうちの褐色メイド娘はこういう事には抵抗するんだか。
「こんなの軽いのに、なんで持たせてくれないんですか?」
ってまだ言ってるけど、今の俺よりも背の小さいユリアナに2本もビール樽持たせるのは俺的に嫌。
というか傍目からみたら虐待に見えるわ。
そんな一幕の後、俺達は戸棚の下ゲートを潜ってニュー高坂家の俺の部屋に移動した。
「なんかガタガタしてますね?」
とユリアナが気付くくらい、昨日と違って家の中は賑やかだった。他の人の気配を感じてウエストポーチに逃げ込むフローリア。俺はちょっと空間認識を拡げて、周りを見てみると部屋の外ではもう引越し荷物の運び込みが始まっていた。この家は間取りが広いからあまり養生しないで作業できるからラクそうだね。
俺は荷運びの邪魔にならないタイミングを見計らってドアを開ける。兄貴しか居ないと思ってた作業をしていた人たちから、驚きの視線が集中するが、俺らは何事もなかったかのように玄関で指示している兄貴の元に歩いていった。
「あのさ、ビールもう空になっちゃったから交換と増量お願いしてもらっていい? 15リットルの樽を6本くらい、いや8本かな」
「ああ、それはいいが。目立ってるぞ? お前達」
って言われて2人でビール樽を軽々運んでいるのを思い出した。もう隠すのも遅すぎる……。おもーいとか小芝居しようかと思ったが、ユリアナにそのニュアンスを伝えるのも無理そうだし、もうさっさと逃げ出そう。
兄貴から離れて二階にあがり、渡り廊下を渡って倉庫にビール樽(空)を運び込んだ。よく考えたら即交換じゃなくて納入してもらってから持ち込んでも良かったね…… まあ今更だ。渡り廊下からは、シロネコマークの引越しトラックが止まっていた。生前、この辺りには配送に来なかったし、着ているメンツに知り合いや顔見知りは居なかったが、やっぱりもと同僚たちが働いてるのを見るとちょっとクルものがあるね。
「ご主人さまと同じシロネコさんが一杯ですね」
廊下の下で荷物を運んでいる彼らを見ているユリアナ。あ、あそこにあるのは由香里ねーさんのママチャリ・クロウサ号か。カギついてるみたいだし、あれ借りようかな。確か坂を下りたあたりにスーパーやらあった気がする。
「ちょっとクロウサ号で買い出ししてきたいからお金ちょーだい」
と、兄貴に声を掛けたら無造作に諭吉を10枚くらい渡された。多いよ!!
クロウサ号のタイヤの空気を確認して、サドルの高さを下げる。ん、これくらい下げれば今の身長でも漕げるな。ってなんか作業してる人たちからやたらと視線が集中してる気がする。
『あれ、うちの去年配られたジャンバーっすよねえ? 誰かの娘さん?』
『にしたって、家族にも着せたらダメだろ。社用以外で着るなって言われたぞ』
『じゃあ、先輩注意してきてくださいよ』
『嫌だよ!! あんな可愛い子に着るなとかお前言えんのか?』
『もうあれっすよ、写真取らせてもらって今後CMモデルとかでもいいんじゃないっすか?』
『『それだ!!』』
それだ!! じゃねーっ。と言うかシロネコジャンパー着たまま来た俺が悪いのか。でもこれはちょっと今ワケアリ状態だから身から離せないんだよね。
「ユリアナ、そこ乗って」
と後ろの荷台に横向きに座らせて、俺は急いでクロウサ号で逃げ出した。自転車の2人乗りは禁止されているが、これは緊急避難なんです。見逃してつかさい。
しかし、走り出して2秒で俺は自転車をセレクトした自分を呪った。
これミニスカートだと超不安な気持ちになることが判った。こんな格好で自転車乗った事なかったから知らなかったし、知りたくなかったよ……
0
お気に入りに追加
295
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!
どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入!
舐めた奴らに、真実が牙を剥く!
何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ?
しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない?
訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、
なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト!
そして…わかってくる、この異世界の異常性。
出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。
主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。
相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。
ハーレム要素は、不明とします。
復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。
追記
2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。
8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。
2024/02/23
アルファポリスオンリーを解除しました。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
システムバグで輪廻の輪から外れましたが、便利グッズ詰め合わせ付きで他の星に転生しました。
大国 鹿児
ファンタジー
輪廻転生のシステムのバグで輪廻の輪から外れちゃった!
でも神様から便利なチートグッズ(笑)の詰め合わせをもらって、
他の星に転生しました!特に使命も無いなら自由気ままに生きてみよう!
主人公はチート無双するのか!? それともハーレムか!?
はたまた、壮大なファンタジーが始まるのか!?
いえ、実は単なる趣味全開の主人公です。
色々な秘密がだんだん明らかになりますので、ゆっくりとお楽しみください。
*** 作品について ***
この作品は、真面目なチート物ではありません。
コメディーやギャグ要素やネタの多い作品となっております
重厚な世界観や派手な戦闘描写、ざまあ展開などをお求めの方は、
この作品をスルーして下さい。
*カクヨム様,小説家になろう様でも、別PNで先行して投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる