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俺の名前は杉谷幸平、召喚された時は18歳で城東大学の1年生だった。
だった、というか鏡を見た限り今もどうやら18歳のままらしい。
実際の中身は20歳越えちゃってるけどね。
この部屋はワンルームマンションで、俺はここで一人暮らしをしている。
夏休み初日だったあの日(カレンダー上の日付では昨日)、俺はこれから始まる夏休みの解放感にテンションが上がり、徹夜でゲームをやろうと意気込んで――寝落ちした。
で、起きて見たらそこは……異世界。
何の因果か勇者としてファンタジーな異世界に召喚された俺。
いくつものチート能力を与えられ、多くの問題を解決しながら仲間と出会い、力を合わせて魔王を倒し世界を救った。
勇者としての向こうの生活や谷間や美脚に未練がなかったといえば嘘になる。
でもやっぱりこの元の世界が恋しかった。
だから俺は帰ってきた、この元の世界に。
ちなみに髭面で頑固で酒飲みな短足のオッサンには未練はない。
「お前の餌、どうすんだよ……」
バルサが見つかれば世界中が大混乱になるとか、マスコミが押し寄せるとか下手すりゃ解剖されるとか、いろいろ心配はある。
でも俺の頭に最初に浮かんだのはバルサの餌の心配だった。
バルサは見かけによらず大食漢だ。
身体は小さいくせに、山ほど食べる。
それも、肉ばっかり。
肉の種類は問わないが、とにかく大量に食べるのだ。
その量1日におよそ2~3キロと言ったところだろうか。
向こうの世界ではバルサの餌としていつもアイテムボックスの中にモンスターの肉を入れていた。
アイテムボックスの中は時間の経過の影響を受けず、物が腐る心配もない。
モンスターなんて山ほど倒す訳だし、餌で頭を悩ます必要は全くなかった。
だが、こっちの世界ではそうはいかない。
この世界で毎日2~3キロの肉。
種類は問わないとはいえ、一番安い肉でも相当な金額になるだろう。
勇者ならともかく、ただの大学生には到底払える訳がない。
「ご飯だったら自分で狩って来るから大丈夫だよ?」
バルサは無邪気に言ってのける。
「そんなの無理だって……」
無理だ、無理なんだよ、バルサ。
この世界には勝手に狩っていい動物なんかいないんだ。
ましてここは西日本の中心、大坂市という都会のど真ん中。
狩っても怒られない動物なんてネズミやカラスぐらいしかいない。
しかも人に見つかっちゃダメなんだから。
誰にも見られずにネズミやカラスを毎日2~3キロ捕まえるなんて無理だろ?
毎日ネズミ食べてるドラゴンなんて嫌だし。
人を襲うのは論外として、バルサが周りの家のペットでも勝手に食べたら大変な事になる。
バレたら動物愛護団体から非難轟々、害獣認定100パーセント間違いない。
保健所や、下手したら猟友会に狙われることになるだろう。
それともドラゴンだから警察、いや自衛隊かな。
どうすりゃいいんだ……いっそのこと動物園にでも預けようか。
ダメだ、それこそ大騒ぎになる。
完全に八方ふさがりだ。
だった、というか鏡を見た限り今もどうやら18歳のままらしい。
実際の中身は20歳越えちゃってるけどね。
この部屋はワンルームマンションで、俺はここで一人暮らしをしている。
夏休み初日だったあの日(カレンダー上の日付では昨日)、俺はこれから始まる夏休みの解放感にテンションが上がり、徹夜でゲームをやろうと意気込んで――寝落ちした。
で、起きて見たらそこは……異世界。
何の因果か勇者としてファンタジーな異世界に召喚された俺。
いくつものチート能力を与えられ、多くの問題を解決しながら仲間と出会い、力を合わせて魔王を倒し世界を救った。
勇者としての向こうの生活や谷間や美脚に未練がなかったといえば嘘になる。
でもやっぱりこの元の世界が恋しかった。
だから俺は帰ってきた、この元の世界に。
ちなみに髭面で頑固で酒飲みな短足のオッサンには未練はない。
「お前の餌、どうすんだよ……」
バルサが見つかれば世界中が大混乱になるとか、マスコミが押し寄せるとか下手すりゃ解剖されるとか、いろいろ心配はある。
でも俺の頭に最初に浮かんだのはバルサの餌の心配だった。
バルサは見かけによらず大食漢だ。
身体は小さいくせに、山ほど食べる。
それも、肉ばっかり。
肉の種類は問わないが、とにかく大量に食べるのだ。
その量1日におよそ2~3キロと言ったところだろうか。
向こうの世界ではバルサの餌としていつもアイテムボックスの中にモンスターの肉を入れていた。
アイテムボックスの中は時間の経過の影響を受けず、物が腐る心配もない。
モンスターなんて山ほど倒す訳だし、餌で頭を悩ます必要は全くなかった。
だが、こっちの世界ではそうはいかない。
この世界で毎日2~3キロの肉。
種類は問わないとはいえ、一番安い肉でも相当な金額になるだろう。
勇者ならともかく、ただの大学生には到底払える訳がない。
「ご飯だったら自分で狩って来るから大丈夫だよ?」
バルサは無邪気に言ってのける。
「そんなの無理だって……」
無理だ、無理なんだよ、バルサ。
この世界には勝手に狩っていい動物なんかいないんだ。
ましてここは西日本の中心、大坂市という都会のど真ん中。
狩っても怒られない動物なんてネズミやカラスぐらいしかいない。
しかも人に見つかっちゃダメなんだから。
誰にも見られずにネズミやカラスを毎日2~3キロ捕まえるなんて無理だろ?
毎日ネズミ食べてるドラゴンなんて嫌だし。
人を襲うのは論外として、バルサが周りの家のペットでも勝手に食べたら大変な事になる。
バレたら動物愛護団体から非難轟々、害獣認定100パーセント間違いない。
保健所や、下手したら猟友会に狙われることになるだろう。
それともドラゴンだから警察、いや自衛隊かな。
どうすりゃいいんだ……いっそのこと動物園にでも預けようか。
ダメだ、それこそ大騒ぎになる。
完全に八方ふさがりだ。
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