59 / 61
第一章 カラス色の聖女
閑話 花嵐
しおりを挟む
「私はレイア・ディー・フィールと申します。つい先日、こちらに聖女として呼ばれましたの。――」
薔薇色の赤い髪を揺らしながら微笑む少女から、王国騎士団副団長のダニエル・フォン・ハイラインは挨拶を受けていた。
目の前の彼女は可愛らしい見た目をしているが、若さ故かその気の強さと高慢さは全く隠せていない。
(へぇ。この子が神殿直属の聖女なんだ。この様子なら扱い易そうだが……ん?“呼ばれた”ということは神殿はついに召喚に成功したのか)
ダニエルはレイアと話しながら、彼女の後ろにいる女性達にも目を向ける。
熱い視線を向けてくるレイアとは違い、後ろの二人の目は冷ややかだ。ダニエルの少々軽薄なその態度に好感を持たなかったことが見て取れる。
(このお嬢さんが召喚されたということは、後ろの二人もそうなのか?記録にある聖女召喚では一人だけが呼び出されたはずだったが……。うーん、こりゃ何か嫌な感じがするな…。まぁ今はとりあえず後ろのお嬢さんたちについてだな)
「――ではレイア嬢、後ろのお二人の紹介をしていただいても?」
レイアから後ろの女性達の紹介を受けたが、そのうちの一人だけ少々想定と違った物であった。名前さえ呼ばれなかった真っ黒な髪と瞳を持つ彼女は、聖女として呼ばれたにも関わらず魔力も魔術の属性もないらしい。
(レイア嬢が適当に言ってるのかとも思ったが、黒髪の彼女の反応からして真実らしいな。魔力が全くない人間になど初めて会ったぞ。しかし、それならば何故彼女が聖女として召喚されたんだ?)
こちらの世界ではその身に宿す属性によって、髪や瞳の色に影響が出ると言われている。火の属性ならば赤い色をその身に得ることが多い。
しかし、レイアの後ろに立つ彼女の髪と瞳は真っ黒だ。まるで何かに塗りつぶされたかのようなその黒い色は、こちらの世界ではとても珍しい。
(黒髪に黒い瞳。この子は一体何なんだろうか?)
ダニエルが笑顔を浮かべたまま考えて込んでいると、それまで後方で静観していた騎士団長であるカレンリードが近付いてくる気配を感じた。
このような場面でカレンリードが前に出ることは珍しい。いつもであれば、女性に甘い笑みで対応するダニエルが全てを請け負っているのだ。
(ほう?珍しい事もあったもんだな。まさかカレンのやつ、レイア嬢が気に入りでもしたか?…ンなわけないか)
「その子の名前は?」
ダニエルの横に並んだからカレンリードの口から発せられた言葉は、思いの外優しげなものであった。その問い掛けはレイアへ向けてであるはずなのに、カレンリード意識はそちらへ向いていない。
問い掛けられたレイアは、目の前に現れた見目麗しいカレンリードに目の色を変えた。そんなレイアに冷たい空気を醸し出すカレンリードの様子を、ダニエルはどこか面白そうな顔で眺める。
自己紹介を求められたカレンリードはその名を名乗らず、騎士団長という役職だけを伝えていた。それは自体は決して珍しい事ではなく、公式の場や高位者相手でない限りカレンリード自ら名乗る事は少ないのだ。いくら召喚された聖女と言えど、カレンリードがその膝を折ることはない。
(いやーいつ見ても面白い。女性に目の前で熱い視線を送られてその態度はないだろ。もう少し愛想ってもんをだな…。にしてもカレンがこういう場で前に出るだなんて、明日は雪でも降るんじゃないか?……ん?)
ニヤニヤとカレンリードを眺めていたダニエルは、彼の目が優しげである事に気が付いた。その視線の先を辿れば、黒髪の彼女へと続いている。そのカレンリードの視線に気付いた黒髪の彼女は少し困ったような顔になっている。
おやおやこれは、とダニエルが意味深な笑みを深めていると、その彼女が遠慮がちに口を開いた。花柳小鳥、そう名乗った名前はこちらでは聞き慣れない響きであった。
ダニエルは軽口を叩きながら小鳥の前へと踊り出し、華奢な手をするりと取った。そこへ挨拶の口付けを落とせば、ぴくりと小鳥の身体が強張る。
(へー可愛いね。この程度で照れるだなんて擦れてない子なんだな。爪の手入れは不足しているが、手は荒れてないし日焼けもない。そこそこ良い所の出か?さてさて、肝心のカレンの反応は……げっ)
間近に見たその手から平民ではなく、大きめの商家か下級の貴族あたりの出身ではないかと推測をする。初々しい反応をする小鳥を、ダニエルは軽くからかいながらカレンリードに目向けようとしたが、それより早く背後から冷たい空気が漂ってきた。
「ダニエル」
その地を這うような冷え冷えとした声から少々やりすぎた事に気が付いたが、後悔するにはもう手遅れであった。
「おっと。あんなところで小鳥嬢と密会かぁ。あいつが自分から女性を誘ったところなんぞ初めて見たな。あのカレンを籠絡した小鳥嬢は一体何者なんだろうか……」
ダニエルは美しい庭園の一角にある東屋を遠目に眺めていた。
つい先ほどまでレイアと共にいたが、女好きの不誠実な騎士など不要だとお役御免となったのだった。レイアの相手をするほど暇ではないため、それはわざとでもあったのだが、当のレイアは気が付いていないだろう。今は彼女の薔薇色の瞳には鼻の下を伸ばしている若い騎士に相手をさせている。
「アンジェリカ嬢からも話は聞けたが有益な情報はなかったな。にしても、あの間合いの取り方や雰囲気。彼女は騎士としての訓練を受けているんじゃないか?それも相当腕が立つと見えたが…」
大きな木に身体を預けて考え事をしながらも、その目は東屋へと向けている。万が一、何者かの襲撃があればこの位置からならばすぐに気がつく事が出来るのだ。
(ま、俺が手を出す前にカレンがどうにかするだろうがな。……ん?あいつが笑ってる?社交場でもない上に女性相手に!?小鳥嬢は一体どんな秘術を使ったんだ……?)
ダニエルは愕然とした表情で優しく微笑むカレンリードを見ていた。社交場で見せる上っ面だけの笑みではなく、心からのその微笑みに思わず前のめりになる。
「はっ!あいつが女性相手にあんな顔が出来るとはな。その顔をあのお姫さんにも見せてやればいいものを…」
深いため息を吐きながら再び木に背中を預けると、胸元から懐中時計を取り出す。そろそろ仕事の時間だが、今呼びに行くのは少々気が引けた。
懐中時計を閉じ再び東屋へと視線を移せば、今度は周りの様子の変化に気が付く。自然豊かな場所に妖精がいる事は珍しい事ではない。しかし、カレンリードと小鳥がいる東屋に集まっている妖精の数は明らかに異常だ。
(今度はなんだ?カレンが妖精に愛でも囁いたか?)
ダニエルが東屋の妖精達に注視していると、そよそよと吹く春風が微かに歌声を運んできた。その歌声は澄んだ春の空のようで驚くほどに心地良い。
「これは……小鳥嬢か?」
歌声に誘われるようにダニエルは東屋へと足を向けた。一歩近づく度に妖精達の歓喜の声が大きくなり、彼らの喜びの花びらが雪のように舞い踊る。
伸びやかな歌声が止むと、妖精達は嬉しそうに自身の花を小鳥へと差し出していった。どしどしと降るその花の雨から守るように、カレンリードがマントの中へと包み込む。
(あいつのこんな姿を見たら王都の女性達がどうなることやら……。この間便宜を図ってもらったし、ナターリエ様には今度会った時に話しておくか。ご婦人方のお茶会の良いネタになるだろ)
東屋の外まで舞い散る花びらを踏み締めると、邪魔だと言わんばかりのカレンリードの視線とかち合った。ダニエルもわざわざカレンリードを不機嫌にさせたい訳ではないのだが、そろそろ仕事の時間である。
カレンリードが名残惜しそうに小鳥の髪から手を離すと、その機嫌を隠しもせずダニエルの元へやって来た。
「おー怖い怖い。俺だって邪魔したい訳じゃないんだからそんな顔するなよ。それにしても小鳥嬢と随分と良い雰囲気だったが、お前にもようやく春が来たのか?」
そんな軽口を受け、カレンリードはダニエルに良い笑顔を向けた。それは騎士達が見たら青ざめてしまう笑顔だ。
「ダニエル。君はそんなに鍛錬をしたいのかい。その気持ちは良く分かったから期待しておくといい。何を呆けている?早々に仕事を終わらせよう」
ダニエルは項垂れたまま、マントを翻しカレンリードの後に続いて歩き出した。
薔薇色の赤い髪を揺らしながら微笑む少女から、王国騎士団副団長のダニエル・フォン・ハイラインは挨拶を受けていた。
目の前の彼女は可愛らしい見た目をしているが、若さ故かその気の強さと高慢さは全く隠せていない。
(へぇ。この子が神殿直属の聖女なんだ。この様子なら扱い易そうだが……ん?“呼ばれた”ということは神殿はついに召喚に成功したのか)
ダニエルはレイアと話しながら、彼女の後ろにいる女性達にも目を向ける。
熱い視線を向けてくるレイアとは違い、後ろの二人の目は冷ややかだ。ダニエルの少々軽薄なその態度に好感を持たなかったことが見て取れる。
(このお嬢さんが召喚されたということは、後ろの二人もそうなのか?記録にある聖女召喚では一人だけが呼び出されたはずだったが……。うーん、こりゃ何か嫌な感じがするな…。まぁ今はとりあえず後ろのお嬢さんたちについてだな)
「――ではレイア嬢、後ろのお二人の紹介をしていただいても?」
レイアから後ろの女性達の紹介を受けたが、そのうちの一人だけ少々想定と違った物であった。名前さえ呼ばれなかった真っ黒な髪と瞳を持つ彼女は、聖女として呼ばれたにも関わらず魔力も魔術の属性もないらしい。
(レイア嬢が適当に言ってるのかとも思ったが、黒髪の彼女の反応からして真実らしいな。魔力が全くない人間になど初めて会ったぞ。しかし、それならば何故彼女が聖女として召喚されたんだ?)
こちらの世界ではその身に宿す属性によって、髪や瞳の色に影響が出ると言われている。火の属性ならば赤い色をその身に得ることが多い。
しかし、レイアの後ろに立つ彼女の髪と瞳は真っ黒だ。まるで何かに塗りつぶされたかのようなその黒い色は、こちらの世界ではとても珍しい。
(黒髪に黒い瞳。この子は一体何なんだろうか?)
ダニエルが笑顔を浮かべたまま考えて込んでいると、それまで後方で静観していた騎士団長であるカレンリードが近付いてくる気配を感じた。
このような場面でカレンリードが前に出ることは珍しい。いつもであれば、女性に甘い笑みで対応するダニエルが全てを請け負っているのだ。
(ほう?珍しい事もあったもんだな。まさかカレンのやつ、レイア嬢が気に入りでもしたか?…ンなわけないか)
「その子の名前は?」
ダニエルの横に並んだからカレンリードの口から発せられた言葉は、思いの外優しげなものであった。その問い掛けはレイアへ向けてであるはずなのに、カレンリード意識はそちらへ向いていない。
問い掛けられたレイアは、目の前に現れた見目麗しいカレンリードに目の色を変えた。そんなレイアに冷たい空気を醸し出すカレンリードの様子を、ダニエルはどこか面白そうな顔で眺める。
自己紹介を求められたカレンリードはその名を名乗らず、騎士団長という役職だけを伝えていた。それは自体は決して珍しい事ではなく、公式の場や高位者相手でない限りカレンリード自ら名乗る事は少ないのだ。いくら召喚された聖女と言えど、カレンリードがその膝を折ることはない。
(いやーいつ見ても面白い。女性に目の前で熱い視線を送られてその態度はないだろ。もう少し愛想ってもんをだな…。にしてもカレンがこういう場で前に出るだなんて、明日は雪でも降るんじゃないか?……ん?)
ニヤニヤとカレンリードを眺めていたダニエルは、彼の目が優しげである事に気が付いた。その視線の先を辿れば、黒髪の彼女へと続いている。そのカレンリードの視線に気付いた黒髪の彼女は少し困ったような顔になっている。
おやおやこれは、とダニエルが意味深な笑みを深めていると、その彼女が遠慮がちに口を開いた。花柳小鳥、そう名乗った名前はこちらでは聞き慣れない響きであった。
ダニエルは軽口を叩きながら小鳥の前へと踊り出し、華奢な手をするりと取った。そこへ挨拶の口付けを落とせば、ぴくりと小鳥の身体が強張る。
(へー可愛いね。この程度で照れるだなんて擦れてない子なんだな。爪の手入れは不足しているが、手は荒れてないし日焼けもない。そこそこ良い所の出か?さてさて、肝心のカレンの反応は……げっ)
間近に見たその手から平民ではなく、大きめの商家か下級の貴族あたりの出身ではないかと推測をする。初々しい反応をする小鳥を、ダニエルは軽くからかいながらカレンリードに目向けようとしたが、それより早く背後から冷たい空気が漂ってきた。
「ダニエル」
その地を這うような冷え冷えとした声から少々やりすぎた事に気が付いたが、後悔するにはもう手遅れであった。
「おっと。あんなところで小鳥嬢と密会かぁ。あいつが自分から女性を誘ったところなんぞ初めて見たな。あのカレンを籠絡した小鳥嬢は一体何者なんだろうか……」
ダニエルは美しい庭園の一角にある東屋を遠目に眺めていた。
つい先ほどまでレイアと共にいたが、女好きの不誠実な騎士など不要だとお役御免となったのだった。レイアの相手をするほど暇ではないため、それはわざとでもあったのだが、当のレイアは気が付いていないだろう。今は彼女の薔薇色の瞳には鼻の下を伸ばしている若い騎士に相手をさせている。
「アンジェリカ嬢からも話は聞けたが有益な情報はなかったな。にしても、あの間合いの取り方や雰囲気。彼女は騎士としての訓練を受けているんじゃないか?それも相当腕が立つと見えたが…」
大きな木に身体を預けて考え事をしながらも、その目は東屋へと向けている。万が一、何者かの襲撃があればこの位置からならばすぐに気がつく事が出来るのだ。
(ま、俺が手を出す前にカレンがどうにかするだろうがな。……ん?あいつが笑ってる?社交場でもない上に女性相手に!?小鳥嬢は一体どんな秘術を使ったんだ……?)
ダニエルは愕然とした表情で優しく微笑むカレンリードを見ていた。社交場で見せる上っ面だけの笑みではなく、心からのその微笑みに思わず前のめりになる。
「はっ!あいつが女性相手にあんな顔が出来るとはな。その顔をあのお姫さんにも見せてやればいいものを…」
深いため息を吐きながら再び木に背中を預けると、胸元から懐中時計を取り出す。そろそろ仕事の時間だが、今呼びに行くのは少々気が引けた。
懐中時計を閉じ再び東屋へと視線を移せば、今度は周りの様子の変化に気が付く。自然豊かな場所に妖精がいる事は珍しい事ではない。しかし、カレンリードと小鳥がいる東屋に集まっている妖精の数は明らかに異常だ。
(今度はなんだ?カレンが妖精に愛でも囁いたか?)
ダニエルが東屋の妖精達に注視していると、そよそよと吹く春風が微かに歌声を運んできた。その歌声は澄んだ春の空のようで驚くほどに心地良い。
「これは……小鳥嬢か?」
歌声に誘われるようにダニエルは東屋へと足を向けた。一歩近づく度に妖精達の歓喜の声が大きくなり、彼らの喜びの花びらが雪のように舞い踊る。
伸びやかな歌声が止むと、妖精達は嬉しそうに自身の花を小鳥へと差し出していった。どしどしと降るその花の雨から守るように、カレンリードがマントの中へと包み込む。
(あいつのこんな姿を見たら王都の女性達がどうなることやら……。この間便宜を図ってもらったし、ナターリエ様には今度会った時に話しておくか。ご婦人方のお茶会の良いネタになるだろ)
東屋の外まで舞い散る花びらを踏み締めると、邪魔だと言わんばかりのカレンリードの視線とかち合った。ダニエルもわざわざカレンリードを不機嫌にさせたい訳ではないのだが、そろそろ仕事の時間である。
カレンリードが名残惜しそうに小鳥の髪から手を離すと、その機嫌を隠しもせずダニエルの元へやって来た。
「おー怖い怖い。俺だって邪魔したい訳じゃないんだからそんな顔するなよ。それにしても小鳥嬢と随分と良い雰囲気だったが、お前にもようやく春が来たのか?」
そんな軽口を受け、カレンリードはダニエルに良い笑顔を向けた。それは騎士達が見たら青ざめてしまう笑顔だ。
「ダニエル。君はそんなに鍛錬をしたいのかい。その気持ちは良く分かったから期待しておくといい。何を呆けている?早々に仕事を終わらせよう」
ダニエルは項垂れたまま、マントを翻しカレンリードの後に続いて歩き出した。
0
お気に入りに追加
446
あなたにおすすめの小説
王命を忘れた恋
須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』
そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。
強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?
そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
冷宮の人形姫
りーさん
ファンタジー
冷宮に閉じ込められて育てられた姫がいた。父親である皇帝には関心を持たれず、少しの使用人と母親と共に育ってきた。
幼少の頃からの虐待により、感情を表に出せなくなった姫は、5歳になった時に母親が亡くなった。そんな時、皇帝が姫を迎えに来た。
※すみません、完全にファンタジーになりそうなので、ファンタジーにしますね。
※皇帝のミドルネームを、イント→レントに変えます。(第一皇妃のミドルネームと被りそうなので)
そして、レンド→レクトに変えます。(皇帝のミドルネームと似てしまうため)変わってないよというところがあれば教えてください。
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる