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プロローグ
盗まれたメダル
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朝九時半に出館した田所はいつも通り展示室の電気を順番につけてまわった。ユニフォーム、スパイク、ボール、メダルなど、日本中を熱狂させた超人たちの遺産がガラスケースの中で静かに目を覚ます。
いつもと何ら変わらぬその1時間後に、まさかあんなことが起こるとは、田所は想像だにしていなかった。
彼と同世代の来館者に人気なのが一九六四年東京五輪の記念品だ。
人気ベストスリーは、東洋の魔女と呼ばれた日本女子バレーの白いユニフォーム、体操で金メダルを独占したチェコの名花ベラ・チャスラフスカの赤いレオタード、そして聖火を灯した銀のトーチだ。
ここにアベベの靴が無いのが残念でならない。あの日、トップでここへ帰ってきた黒い足首を包んでいたプーマがあれば来館者はもっと喜ぶだろうと田所は思っていた。
当時小学生だった彼にとって東京オリンピックは特別だ。白黒テレビで見た映像と実況が今も鮮やかに蘇る。
スポーツ歴史記念館の求人を見つけたとき、彼は飛びついた。高齢者枠なので時給は決して高くなかったが、採用が決まった時は年甲斐もなく小躍りした。
一ヵ月前、国立競技場の建て替えが検討されているとのニュースが出た。東京で二回目となる五輪招致が目的だという。想像しただけで田所の胸は膨らんだ。だが同時に不安にもなった。この記念館は国立競技場内に間借りしている。もし建て替えが決まれば、年金生活者の行く末は危うくなってしまう。
「田所さん、おはようございます」
彼より一回り以上も若い切符売り場の三好が、挨拶しながら掌を差し出してくる。
「なんだい。俺、手相は見られねえよ」
「違うでしょ。今日は何日」
「十四日だろ」
「ほら」手掌をさらに前へ突き出す。
「そうか、ごめん。昼休みにでも買ってくるよ」
義理チョコのお返しなどすっかり忘れていた。オープン以来ずっと務めているお局様のご機嫌を損ねると、仕事がしにくくなる。
「いいよ、冗談。ほら、もう十時だよ」
「おっと、いけねえ」
慌ててゲートへ向かう。
門前には彼と同年代の夫婦らしき男女、五十前後の女性、パーカーのフードを被った筋肉質な若者の計四名が並んでいた。
「お待たせしました。開門です。中の切符売り場へお進み下さい」
客が入って行くのを見届ける。
その尻を追うように最初の巡回に出る。巡回といっても、ただ館内を歩くだけだ。いつ質問されてもいいようにという名目だが、多くの場合、誰からも何も尋ねられない。でもそれでいいのだ。ここは来場者一人一人の想い出が主役だ。収蔵品をきっかけに客の脳裏にスター選手の活躍が蘇る。歓喜の絶叫が耳の奥に響く。自分はそれをどこで見たのかを語り合う。それがここの存在意義だ。
巡回を終えると事務所へ戻って、次の巡回まで雑務をこなす。
その日は名誉館長である奥田君子の週に一度の出勤日だった。元五輪メダリストは、現役時代が嘘のように今は福よかで髪も白い。毎回十一時丁度に出館する。
事務所に入ってきた彼女に挨拶をするために田所は立ち上がる。そのついでに二度目の巡回に出るのが水曜日だけのルーティーンだ。
「館長、おはようございます。ホワイトデーのブツはお昼休みにでも」
「あら、いいのよ、そんなの」
「いえいえ、いつもお世話になっていますので。では巡回に行って参ります」
調子よく軽口を叩いて事務所を出る。
切符売り場の前を通るとき、どうと訊く。三好が首を振る。客は少ないという意味だ。
だよねと頷きつつ、主要な展示物が並ぶ二階へと階段を登る。
館内は静まり返っていた。平日の来館者数は一日平均三十数人だ。巡回中に誰も居ないことは珍しくない。朝一番の四人も帰ったかも知れない。
野球や相撲など国内人気プロスポーツの記念品が陳列された無人の第一展示室の床に目をやる。ゴミや落とし物などが無いかを確認するのも彼の仕事だ。
フィールドを模した緑の絨毯の上をゆっくりと歩く。
春の陽光が窓から差し込み、壁のひび割れを目立たせている。
五輪記念品が並ぶ第二展示室へ進む。そこへ一歩足を踏み入れた瞬間、田所は微かな違和感を覚えた。その理由が何かは分からなかった。ただ少し埃っぽい臭いがした。
上下左右へ視線を動かす。異変は無い。気のせいなのか。壁際のショーウインドウを這うように見回す。大丈夫だ。
最後に中央に平置きされたガラスケースを覗き込んだ。
そのとき、心臓が一つどくんと跳ねた。
透明の上蓋の角が浮いていた。しっかり嵌っていないのだ。
「さっきはこんなこと無かったよな」気づかなかっただけなのか。
元に戻そうと掌底で丸い角を押すとあっさり嵌った。ガラスだと思っていた天蓋は強化プラスチックのようだった。
正しい位置に戻った上蓋を改めて見ると、十円玉ほどの丸い跡がついているのに気づいた。いつも掃除婦が綺麗に磨いている。こんなことは初めてだ。何の跡だろう。指で擦ってみるとすぐに消えた。
そのとき田所の頭の中で何かが弾けた。
サーキットの観衆のような速さで眼球を左右に走らせる。ケースの中をつぶさに確認する。視線が一点で止まる。思わず息を呑んだ。客が帰った後の座布団のように、真ん中が凹んだメダルケースが目に飛び込んできた。
「大変だ」
田所は走った。老体に鞭打ち一段飛ばしで階段を駆け降りる。
三好が座る切符売り場の前を駆け抜け、一階奥にある事務所の扉を勢いよく開けると、その音に驚いて顔を上げた奥田と目が合った。
「館長」
「どうしたの」
「盗まれました」
「何が」
「メダルです。アテネの」
「えっ」
「第一回です。体操の優勝メダルです」
老眼鏡を外しながら彼女が茫然と立ち上がった。
アテネ五輪の収蔵品は一八九六年の第一回と、二〇〇四年の第二十八回の物があった。
無くなったのは近代オリンピック最初の大会の優勝メダルだった。
事務員全員で現場へ向かう。
「あそこです館長」田所が指差した場所へ駆け寄る。「ここです」
展示ケースに手をついた奥田が、主の居なくなったメダルケースを見下ろす。
「いつ」
「気づいたのは、ついさっきです。上蓋が外れていたので」
「上蓋が。鍵は掛かってなかったの」
「前面には掛かっているのですが、上はこのアクリル板をのっけているだけのようで」
「そんな」
「うっかり擦って消してしまったのですが、吸盤の丸い跡のようなものがありました。引っ付けて持ち上げたんじゃないかと」
数人の悲鳴の後、警察に電話してきます、と学芸員の男が事務所へ走った。
「盗まれたのはこれだけ」
「はい」
「そうだ、映っているわよね」青い顔をした彼女が天井の四隅を見回す。
騒ぎをきいて駆けつけていた三好が、後ろから静かに答えた。
「館長、ここ防犯カメラはついていません」
館内を誰よりも知る彼女の言葉に、奥田は顔を両手で覆った。
選手からの寄贈品で成り立っている低予算な記念館の信じがたい現実だった。
「なぜあのメダルなの。他にもいっぱいあるのに、なんで」
奥田はがくりと膝を折った。
いつもと何ら変わらぬその1時間後に、まさかあんなことが起こるとは、田所は想像だにしていなかった。
彼と同世代の来館者に人気なのが一九六四年東京五輪の記念品だ。
人気ベストスリーは、東洋の魔女と呼ばれた日本女子バレーの白いユニフォーム、体操で金メダルを独占したチェコの名花ベラ・チャスラフスカの赤いレオタード、そして聖火を灯した銀のトーチだ。
ここにアベベの靴が無いのが残念でならない。あの日、トップでここへ帰ってきた黒い足首を包んでいたプーマがあれば来館者はもっと喜ぶだろうと田所は思っていた。
当時小学生だった彼にとって東京オリンピックは特別だ。白黒テレビで見た映像と実況が今も鮮やかに蘇る。
スポーツ歴史記念館の求人を見つけたとき、彼は飛びついた。高齢者枠なので時給は決して高くなかったが、採用が決まった時は年甲斐もなく小躍りした。
一ヵ月前、国立競技場の建て替えが検討されているとのニュースが出た。東京で二回目となる五輪招致が目的だという。想像しただけで田所の胸は膨らんだ。だが同時に不安にもなった。この記念館は国立競技場内に間借りしている。もし建て替えが決まれば、年金生活者の行く末は危うくなってしまう。
「田所さん、おはようございます」
彼より一回り以上も若い切符売り場の三好が、挨拶しながら掌を差し出してくる。
「なんだい。俺、手相は見られねえよ」
「違うでしょ。今日は何日」
「十四日だろ」
「ほら」手掌をさらに前へ突き出す。
「そうか、ごめん。昼休みにでも買ってくるよ」
義理チョコのお返しなどすっかり忘れていた。オープン以来ずっと務めているお局様のご機嫌を損ねると、仕事がしにくくなる。
「いいよ、冗談。ほら、もう十時だよ」
「おっと、いけねえ」
慌ててゲートへ向かう。
門前には彼と同年代の夫婦らしき男女、五十前後の女性、パーカーのフードを被った筋肉質な若者の計四名が並んでいた。
「お待たせしました。開門です。中の切符売り場へお進み下さい」
客が入って行くのを見届ける。
その尻を追うように最初の巡回に出る。巡回といっても、ただ館内を歩くだけだ。いつ質問されてもいいようにという名目だが、多くの場合、誰からも何も尋ねられない。でもそれでいいのだ。ここは来場者一人一人の想い出が主役だ。収蔵品をきっかけに客の脳裏にスター選手の活躍が蘇る。歓喜の絶叫が耳の奥に響く。自分はそれをどこで見たのかを語り合う。それがここの存在意義だ。
巡回を終えると事務所へ戻って、次の巡回まで雑務をこなす。
その日は名誉館長である奥田君子の週に一度の出勤日だった。元五輪メダリストは、現役時代が嘘のように今は福よかで髪も白い。毎回十一時丁度に出館する。
事務所に入ってきた彼女に挨拶をするために田所は立ち上がる。そのついでに二度目の巡回に出るのが水曜日だけのルーティーンだ。
「館長、おはようございます。ホワイトデーのブツはお昼休みにでも」
「あら、いいのよ、そんなの」
「いえいえ、いつもお世話になっていますので。では巡回に行って参ります」
調子よく軽口を叩いて事務所を出る。
切符売り場の前を通るとき、どうと訊く。三好が首を振る。客は少ないという意味だ。
だよねと頷きつつ、主要な展示物が並ぶ二階へと階段を登る。
館内は静まり返っていた。平日の来館者数は一日平均三十数人だ。巡回中に誰も居ないことは珍しくない。朝一番の四人も帰ったかも知れない。
野球や相撲など国内人気プロスポーツの記念品が陳列された無人の第一展示室の床に目をやる。ゴミや落とし物などが無いかを確認するのも彼の仕事だ。
フィールドを模した緑の絨毯の上をゆっくりと歩く。
春の陽光が窓から差し込み、壁のひび割れを目立たせている。
五輪記念品が並ぶ第二展示室へ進む。そこへ一歩足を踏み入れた瞬間、田所は微かな違和感を覚えた。その理由が何かは分からなかった。ただ少し埃っぽい臭いがした。
上下左右へ視線を動かす。異変は無い。気のせいなのか。壁際のショーウインドウを這うように見回す。大丈夫だ。
最後に中央に平置きされたガラスケースを覗き込んだ。
そのとき、心臓が一つどくんと跳ねた。
透明の上蓋の角が浮いていた。しっかり嵌っていないのだ。
「さっきはこんなこと無かったよな」気づかなかっただけなのか。
元に戻そうと掌底で丸い角を押すとあっさり嵌った。ガラスだと思っていた天蓋は強化プラスチックのようだった。
正しい位置に戻った上蓋を改めて見ると、十円玉ほどの丸い跡がついているのに気づいた。いつも掃除婦が綺麗に磨いている。こんなことは初めてだ。何の跡だろう。指で擦ってみるとすぐに消えた。
そのとき田所の頭の中で何かが弾けた。
サーキットの観衆のような速さで眼球を左右に走らせる。ケースの中をつぶさに確認する。視線が一点で止まる。思わず息を呑んだ。客が帰った後の座布団のように、真ん中が凹んだメダルケースが目に飛び込んできた。
「大変だ」
田所は走った。老体に鞭打ち一段飛ばしで階段を駆け降りる。
三好が座る切符売り場の前を駆け抜け、一階奥にある事務所の扉を勢いよく開けると、その音に驚いて顔を上げた奥田と目が合った。
「館長」
「どうしたの」
「盗まれました」
「何が」
「メダルです。アテネの」
「えっ」
「第一回です。体操の優勝メダルです」
老眼鏡を外しながら彼女が茫然と立ち上がった。
アテネ五輪の収蔵品は一八九六年の第一回と、二〇〇四年の第二十八回の物があった。
無くなったのは近代オリンピック最初の大会の優勝メダルだった。
事務員全員で現場へ向かう。
「あそこです館長」田所が指差した場所へ駆け寄る。「ここです」
展示ケースに手をついた奥田が、主の居なくなったメダルケースを見下ろす。
「いつ」
「気づいたのは、ついさっきです。上蓋が外れていたので」
「上蓋が。鍵は掛かってなかったの」
「前面には掛かっているのですが、上はこのアクリル板をのっけているだけのようで」
「そんな」
「うっかり擦って消してしまったのですが、吸盤の丸い跡のようなものがありました。引っ付けて持ち上げたんじゃないかと」
数人の悲鳴の後、警察に電話してきます、と学芸員の男が事務所へ走った。
「盗まれたのはこれだけ」
「はい」
「そうだ、映っているわよね」青い顔をした彼女が天井の四隅を見回す。
騒ぎをきいて駆けつけていた三好が、後ろから静かに答えた。
「館長、ここ防犯カメラはついていません」
館内を誰よりも知る彼女の言葉に、奥田は顔を両手で覆った。
選手からの寄贈品で成り立っている低予算な記念館の信じがたい現実だった。
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