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二章 最強の叛逆
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そしてそれからも俺は日にちを決め施設から無能力者を解放していった。
茜の方も何とかやっているようだ。
まぁ元々、『スラム』に住んでいた人たちが大半なので顔見知りが多かったと言うのも要因の一つだろう。
ちなみに今のところ政府の奴らには無能力者の居所はバレていない。
何せ国の奴らは『スラム』の事など眼中にないし人間だと思っていない。
だから『スラム』のあったこの場所になど誰も立ち寄ろうとしない。
だからこそここは良い隠れ場所なのである。
クレア達が見つからなかった理由にも納得だな。
現在の状況というと国の連中が大騒ぎしている。
原因は俺なのだが。無能力者の味方をする能力者が居るとテレビでも報じられていた。
そして俺はいつからか無能力者や能力者からこう呼ばれるようになった。
叛逆者の意味を持つ言葉である『レベリオー』と。
ちなみに今も仮面と変声器をつけて行動しているのだが俺の素顔を知るのは茜だけだ。
茜に顔を見せたあとは他の無能力者の皆んなにも俺の顔を明かしていない。
大勢に明かして何処からか情報が漏れてしまっては取り返しがつかないからな。
——今日も今日とて俺は無能力者を解放し『スラム』まで無能力者の人たちと共に足を運んでいた。
館だけでは物足りないので周りにある瓦礫を組み立てて仮住宅を作った。
『スラム』の人たちは自分の力だけで生きていかないといけないので意外にも働ける人が多い。
だからみんなで協力してかろうじて原型のある瓦礫を組み立てた。
にしても中々の出来だ。雨風を凌げるぐらいにはちゃんと出来ている。
無能力者を無事、建物内に案内したあと茜が話しかけてきた。
「よ!元気にやってるか?!」
俺は茜の方を向き答える。
「あぁ。そっちこそどうなんだよ?」
「私か?私なら大丈夫だよ!あんたの助けもあるし!」
茜には俺が頼んで館や廃墟にいる無能力者のリーダーしてもらっている。
思った通りリーダーにぴったりだな。ここはそのまま茜に任せても問題はなさそうだな。
「これからは何をするの?」
茜は不意にそんなことを聞いてくる。
「何をって研究所の襲撃以外何かあるのか?」
その答えに茜は少し不満気味に声を上げた。
「あんた。最近ずっとやってるだろ?少し休んだらどうだ?休むことも大事だぞ!」
お前は俺の母ちゃんか!とツッコミたくなるところだが茜がいうことにも一理ある。
確かにここ最近は襲撃ばかりしたりしていて疲れた。
俺は少しの間、思案して答えを出した。
「分かった。休もう。」
「本当だろうな?」
俺の言葉を信用してないのか茜は睨めつけるような目で俺を見ていた。
「本当だって・・・。けど一つだけ良いか?」
「なに?」
「少し仲間を増やそう思っている。能力者である人間が仲間に欲しい。」
「無能力者の人たちじゃダメなの?」
「ダメというわけじゃない。だがこれからの戦いのことを考えると能力者のほうが戦力になるというだけだ。」
「俺はせっかく救った無能力者を死なせるようなことはできないからな。」
「それにしたって誰が私たちの味方になってくれるのよ?まさか心当たりでもあるの?」
「あるさ・・・。一人だけな。『あいつ』一人だけでも心強いし戦力にもなる。」
「へぇ~。そんな奴がいるんだ?」
「だが心当たりがあると言っても『あいつ』が仲間になってくれるかは会ってみないと分からないな。」
「と言うわけで明日の一週間後の深夜に行ってくる。それだけは行かせてほしい。」
茜は少しの間、思案し言った。
「分かったわ。気を付けて行ってらっしゃい。でも帰ってきたらしっかり休むこと!良いわね!」
「分かった・・・。」
そうして俺は『あいつ』に会いに行くために準備を進めるのであった。
———とある場所の明かりもない地下で一人の男がベットに座っていた。
そしてその男は両手を封じられたままされど笑いながら言った。
「何か面白いことが起きそうだな・・・。」
「なぁ斗真よ・・・。」
茜の方も何とかやっているようだ。
まぁ元々、『スラム』に住んでいた人たちが大半なので顔見知りが多かったと言うのも要因の一つだろう。
ちなみに今のところ政府の奴らには無能力者の居所はバレていない。
何せ国の奴らは『スラム』の事など眼中にないし人間だと思っていない。
だから『スラム』のあったこの場所になど誰も立ち寄ろうとしない。
だからこそここは良い隠れ場所なのである。
クレア達が見つからなかった理由にも納得だな。
現在の状況というと国の連中が大騒ぎしている。
原因は俺なのだが。無能力者の味方をする能力者が居るとテレビでも報じられていた。
そして俺はいつからか無能力者や能力者からこう呼ばれるようになった。
叛逆者の意味を持つ言葉である『レベリオー』と。
ちなみに今も仮面と変声器をつけて行動しているのだが俺の素顔を知るのは茜だけだ。
茜に顔を見せたあとは他の無能力者の皆んなにも俺の顔を明かしていない。
大勢に明かして何処からか情報が漏れてしまっては取り返しがつかないからな。
——今日も今日とて俺は無能力者を解放し『スラム』まで無能力者の人たちと共に足を運んでいた。
館だけでは物足りないので周りにある瓦礫を組み立てて仮住宅を作った。
『スラム』の人たちは自分の力だけで生きていかないといけないので意外にも働ける人が多い。
だからみんなで協力してかろうじて原型のある瓦礫を組み立てた。
にしても中々の出来だ。雨風を凌げるぐらいにはちゃんと出来ている。
無能力者を無事、建物内に案内したあと茜が話しかけてきた。
「よ!元気にやってるか?!」
俺は茜の方を向き答える。
「あぁ。そっちこそどうなんだよ?」
「私か?私なら大丈夫だよ!あんたの助けもあるし!」
茜には俺が頼んで館や廃墟にいる無能力者のリーダーしてもらっている。
思った通りリーダーにぴったりだな。ここはそのまま茜に任せても問題はなさそうだな。
「これからは何をするの?」
茜は不意にそんなことを聞いてくる。
「何をって研究所の襲撃以外何かあるのか?」
その答えに茜は少し不満気味に声を上げた。
「あんた。最近ずっとやってるだろ?少し休んだらどうだ?休むことも大事だぞ!」
お前は俺の母ちゃんか!とツッコミたくなるところだが茜がいうことにも一理ある。
確かにここ最近は襲撃ばかりしたりしていて疲れた。
俺は少しの間、思案して答えを出した。
「分かった。休もう。」
「本当だろうな?」
俺の言葉を信用してないのか茜は睨めつけるような目で俺を見ていた。
「本当だって・・・。けど一つだけ良いか?」
「なに?」
「少し仲間を増やそう思っている。能力者である人間が仲間に欲しい。」
「無能力者の人たちじゃダメなの?」
「ダメというわけじゃない。だがこれからの戦いのことを考えると能力者のほうが戦力になるというだけだ。」
「俺はせっかく救った無能力者を死なせるようなことはできないからな。」
「それにしたって誰が私たちの味方になってくれるのよ?まさか心当たりでもあるの?」
「あるさ・・・。一人だけな。『あいつ』一人だけでも心強いし戦力にもなる。」
「へぇ~。そんな奴がいるんだ?」
「だが心当たりがあると言っても『あいつ』が仲間になってくれるかは会ってみないと分からないな。」
「と言うわけで明日の一週間後の深夜に行ってくる。それだけは行かせてほしい。」
茜は少しの間、思案し言った。
「分かったわ。気を付けて行ってらっしゃい。でも帰ってきたらしっかり休むこと!良いわね!」
「分かった・・・。」
そうして俺は『あいつ』に会いに行くために準備を進めるのであった。
———とある場所の明かりもない地下で一人の男がベットに座っていた。
そしてその男は両手を封じられたままされど笑いながら言った。
「何か面白いことが起きそうだな・・・。」
「なぁ斗真よ・・・。」
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旧題『義妹ができましたが大嫌いです。〜断罪劇の次世代たち〜』
※初投稿です。話に粗やご都合主義的な部分があるかもしれません。生あたたかい目で見守ってください。
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