最弱な奴が実は最強?

レン

文字の大きさ
上 下
35 / 53

覚悟

しおりを挟む
 俺もクレアも能力を100%にまで上げた。
 これで二人とも全力だ。もうこれ以上の力はないだろう。
 『消滅』と『顕現』。この二つの能力が本気でぶつかり合ったらどうなるか俺には分からない。
 でもわかることが一つある。
 それはこの戦いが終わった時。それはどちらかが倒れている時でもある。
 お互いの全力がぶつかり合うのだ。勝ったとしても無事では済まされないだろう。
 俺は空中にいるクレアを見る。クレアも俺を見ていた。
 そんな中、一つが声が上がった。
「斗真!大丈夫!?」
 声の方向を見るとそこに居たのは天音だった。
 ロキを倒しここまで来たのだろう。それは嬉しいことだ。
 けど余りにもタイミングが悪かった。
 クレアが天音の存在に気づくとニヤリと嫌の笑みを浮かべた。
 するとクレアが声を上げた。
「『鉄剣』。」
 その言葉を発した瞬間、大剣が顕現され天音の方向に向き直り凄まじいスピードで突撃していた・・・。
 ・・・私はロキを倒し煌と別れたあと斗真を探していた。
 そして外から爆音が聞こえ私は爆音がした方向に足を運ぶとそこには斗真と見知らぬ男が居た。
 あれは誰なの?ネメシスはどこに? 
 色々なことが頭に浮かんでくる。
 そして見知らぬ男がいきなり私の身の丈はあるだろう巨大な剣を出していた。
 次の瞬間、私はその男との実力の差を理解した。
 あの巨大な剣に込められた力。ロキの球体とはまるでレベルが違かった。
 なんて禍々しい力。目の前に立つだけで気分が悪くなっていく。
 そして目の前の男は私に向かって出した大剣を投擲した。
 ・・・死の恐怖というのを感じるのはこれが初めてだった。
 先程のロキとの戦いも恐怖は抱いたがそれはロキに対する恐怖だ。
 けど今はもちろん目の前の男にも恐怖を抱いているがさっきは感じられなかった死に対する恐怖が全身を支配した。
 思わず目を瞑ってしまう。ここで死ぬんだと思ってしまう。
 そして先ほど聞いた爆音がまた鳴り響いた。
 けど数秒が経過しても私はまだ死んではいなかった。不思議に思うながらも恐る恐る目を開ける。
 すると目の前で斗真が大剣を受け止めていた。
「天音。大丈夫か!?」
「えぇ。ありがとう。お陰で大丈夫よ。」
 私は驚いていた。
 これがあの斗真?学校では「最弱」と罵られていたあの斗真なの?
 私はこの状況を理解できずにいた。
 そんな中、斗真は私に質問をしてきた。
「天音。煌はどうした?一緒じゃないのか?」
 私のその問いに対し少し答えづらそうに告げた。
「煌は・・・。ロキとの戦いで・・・。」
「そうか・・・。頑張ったな・・・。」
 斗真はこれ以上を追及してくることはなかった。
 多分、察してくれたのだろう。
 そして斗真は言葉を続ける。
「天音。少し離れていてくれるか?俺はあいつと決着をつける。」
 男と私の実力差は明白。ここに残っては足手纏いにしかならない。
 それが分かっているから私は悔しいけどその場を離れることにした・・・・。
 ・・・俺は怒っていた。天音の前では感情を表に出さなかったが俺はブチギレている。
 仲間に手を出したからだ。もう誰も失いたくはない。
 だからこそ俺は決意する。
 冷静にけれども確実な怒りと殺意を込めて俺はクレアに対し一拍置いて告げる。
「・・・俺はお前を殺すよ。」と・・・・。
 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた

リオール
恋愛
だから? それは最強の言葉 ~~~~~~~~~ ※全6話。短いです ※ダークです!ダークな終わりしてます! 筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。 スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。 ※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;

僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?

闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。 しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。 幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。 お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。 しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。 『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』 さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。 〈念の為〉 稚拙→ちせつ 愚父→ぐふ ⚠︎注意⚠︎ 不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

無能なので辞めさせていただきます!

サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。 マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。 えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって? 残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、 無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって? はいはいわかりました。 辞めますよ。 退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。 自分無能なんで、なんにもわかりませんから。 カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。

蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる

フルーツパフェ
大衆娯楽
 転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。  一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。  そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!  寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。 ――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです  そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。  大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。  相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。      

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった

なるとし
ファンタジー
 鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。  特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。  武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。  だけど、その母と娘二人は、    とおおおおんでもないヤンデレだった…… 第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断

Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。 23歳の公爵家当主ジークヴァルト。 年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。 ただの女友達だと彼は言う。 だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。 彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。 また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。 エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。 覆す事は出来ない。 溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。 そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。 二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。 これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。 エルネスティーネは限界だった。 一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。 初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。 だから愛する男の前で死を選ぶ。 永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。 矛盾した想いを抱え彼女は今――――。 長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。 センシティブな所へ触れるかもしれません。 これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。

処理中です...