最弱な奴が実は最強?

レン

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進化

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 昔の私は弱かった。
 今でこそあの学校でNo.2と謳われてはいるがそこに辿り着くまで血の滲むような努力をしたからである。
 私はお金持ちの家に三人兄妹のうち末っ子として生まれた。
 お兄様二人に私。とても仲は良かったが決定的が違いがあった。
 それは単純は強さである。
 この世界は能力至上主義が定着している。
 能力の有無で今後の人生が決まると言っても過言ではない。
 強き者が弱き者を虐げるような世界である。
 お兄様二人は頭脳と実力両方に秀でていたためお父様から溺愛されていた。
 それに比べて私は劣っていた。
 勉学の方は多少なりともできたが当時、実力の方は皆無に等しかった。
 私の能力は皆んなには「鎌鼬を操る能力」だと言っているが本質は違う。
 本当の能力は「風を操る能力」である。
 鎌鼬に関しては能力を巧みに使い風の刃を発生させている。
 なぜ本当のことを言わなかったかというと仕事の関係上、あまり自身の能力の詳細を言ってはいけないのだ。
 お兄様二人とお母様はこんな私でも快く接してくれていたのだが父は違った。
 お母様は大した事ではないがお父様は能力至上主義の思想が顕著に出ていた。
 だからこそ私を認めたくはなかったのだろう。
 家での待遇はひどいものだった。
 お父様の指示なのだろう。私は家の隅にある一室に閉じ込められた。
 学校やお手洗い以外の時間はずっと部屋に居た。
 その間、私は自分の弱さをすごく憎んだ。あまりにも無力な自分を呪った。
 自分が強かったらこんな場所に閉じ込められなかったのだから・・・。
 それから数年が経過した今、学校に通いながら私は一人暮らしをしている。
 あの家から出たかったという気持ちもあるがお父様から追い出された。
 それからも努力を続けた結果、今の私がいる。
 今思えば私は誰かに認めてもらいたかったのかもしれない。
 こんな私でも人の役に立って誰かに認めてもらいたかった。
 だからこそ私は敵と向き合わないといけない。
 煌に守られてばかりではあの頃の自分と変わっていない。
 変わるでしょ!? 風神 天音! 今ここで・・・!
 ———能力というものについては未だに分からないことが多数ある。
 だが研究を重ね分かったこともある。
 能力というのはその人の個性や精神状態によって決まっている。
 ならばその人の心や精神が「成長」を遂げたら?
 その人の精神状態によって左右されるのなら能力はどうなる?
 今宵もう一つ能力に関する謎が解き明かされる。
       能力は「進化」する!!
 ・・・俺はロキの攻撃に対して防戦一方だった。
 そしてロキの攻撃にたじろいで隙を晒してしまった。
 一撃をもらうと思った直後、ロキが吹き飛んだ。 
 何が起きたのかすぐには分からなかった。
 でも彼女は俺の前に居た。
 風をその身にまといし彼女が立っていた。
 「お前その姿どうしたんだ?」
 俺は天音の変化に驚きを隠せなかった。
 「さぁ?私にも分からない。」
 「でも不思議と力が湧いてくるの。今ならなんだってできそう。」
 天音からは以前とは比べものにならないほどの力を感じる。
 これならロキを倒せるかもしれない・・・。
「天音。やれるか?」
「えぇ。さっさと倒すわよ。」
 ロキと二人の戦いは最終局面を迎えたのであった。
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