最弱な奴が実は最強?

レン

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奪還

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 聞いたところによるともう奈津の居場所は分かっているらしいのだ。
 理由は奈津が行方不明事件の調査を学校側に依頼したときに万が一のために上層部からGPS発信機を渡されていたようだった。
 そのことを知ったと同時にもう一つの事実を知った。
 奈津が行方不明事件の調査に固執する理由は他クラスにいる奈津の友達が関係している様だった。
 数日前に姿を消した友人を一刻も早く見つけるため今回の行方不明事件の調査に乗り気だったのだろう。
 だとしたら焦っていた事にも納得がいく。
 なるほど友達を救いたかったのか。だとしても自分が捕まっては世話ないぞ・・・。と内心ため息をつく。
 今回に関しては俺にも非がある。あの様子から何かやばいことは察せられた。なのに無視をしたのだ。
 今回ばかりは俺も助けに向かうとしよう。会ったら謝罪の一つや二つするとするか。
 そんなこんなで俺は奈津を助けに行くことを決意したのであった。
 ちなみに任務に赴く者は俺を含むクラスのサポート系の能力者と戦闘系の能力者である。
 だが気がかりなこともいくつかある。 
 それは奈津が持っていったGPS発信機についてだ。
 ブレエドにも相当な手練れがいることは間違いない。
 だからこそ、たかがGPS発信機に気付かないなんてありえないのだ。
 これ以上考えても仕方がないので俺は黙って移動手段である車に乗り込む事にした。
 車の中で今回の作戦が言い渡された。
 内容としては大勢で乗り込んで敵に発見されるのを防ぐため俺や煌そして天音の三人で乗り込むことになっている。
 なぜ俺みたいな奴が作戦に参加できるかと言うと自ら志願したのである。
 最初は断られたものの何度も交渉した末に相手の方が根負けして承諾してくれたのだ。
 なにせこうなったのも元はと言えば俺の失態のせいなのである。
 自分の失敗の償いは自分でしないといけない。だからこそ志願したのだ。
 それからも数分間、移動しようやくブレエドの根城であろう館に到着した。
 場所は昔、例の事件によって無くなった「スラム」があった所である。
 準備を済ませ俺たちは館の中に入るのであった。
 入ってみると内装はちゃんとしていた。目の前には階段があり見上げるとシャンデリアがあった。
 少しの間、探索しているとナイフを持った輩どもが辺りを囲っていた。
 やはり俺たちが来ることを予想していたらしい。対応が早すぎる。
 俺も護身用に持ってきたナイフを出し構える。
 だがそのナイフは使う事がなかった。
 なぜなら相手が襲いかかってくると同時に煌と天音が二人で一掃したのだ。
 さすが学校が誇る二人である。他のやつでは相手にもならない。
 だけどさっきの奴らは組織の中でも下っ端の下っ端だろう。
 敵を倒したあと少し歩いて俺たちは何やら実験室みたいな場所にたどり着いた。
 よく見ると何かを保存するための機械の様なものがあった。
 そしてその中に奈津の姿があるのを確認したのだった・・・。
 
 

 
 
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