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古の島編
ゴリラとの戦闘
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破裂した木の破片が飛び散り、顔に木片がぶつかる。
「痛って……」
ふぅ…なんとか迎撃できた…あのゴリラ、馬鹿みたいな腕力してやがる!巨大バッタと同等のスピードで木丸々一本の投擲が出来るとか、巨大バッタの脚力も大概だったが、腕力でそれとどっこいどっこいとか…って、考えてる暇ねえな。
「ウルゴオオォォッ!」
巨大ゴリラはまた叫び、また木を抜き始めた。
「やっべ…」
晃は木を抜いている隙に距離をとるために全力で逃げ出す。
いくら迎撃しても意味無えなこりゃ…とにかく、パワーだけが高くて重くて鈍い奴だと願って逃走だこの野郎!
「ウゴゴォォォォッ!!」
「うおっ!?」
危なかった…よく考えたら距離とってもあんま意味ないなコレ、投擲を迎撃しても効果は薄い、逃げ続けても投擲を回避し続けるのは無理がある。だからといってこっちが殴っても勝てる気しねぇ…てか、そもそも投擲のせいで近づくことすら厳しいぞこれ。
巨大ゴリラは木を投げつけ、また引っこ抜いて、ぶん投げるを繰り返している。辺りには木々が逆さまに突き刺さっていて、木が地面に刺さる度に土煙が上がり、辺りの視界はかなり悪い。
巨大ゴリラから距離を取ろうとすると木を投げつけた後、距離を詰めてくる。体力の消耗が激しい、あまり過剰に動き過ぎると折れて刺さった骨が傷を広げてしまう。
運良く肺や心臓には刺さってないが、どっちにしろ内出血が酷いので長期戦は危険だな、もう身体中が痛い。早く逃げないとまずい、このままじゃジリ貧だ。
「ヴゴガゴァァゥ!」
「ああ!クソッ!どうすりゃいいんだよ!?」
まだ死にたくねぇぞ俺は…どうせ死ぬなら可愛い可愛いミインの胸の中で死ぬことを選ぶぞ!選択肢があったらだがな。
「……まだ死ねないよなぁ…やっぱ」
ミインが待ってるかもしれない、あんだけ懐いてくれたんだ…他人の俺を、全く知らない俺を信用してくれたんだ…。こんな化け物みたいな力を持ってるを信じてくれたんだ…!
ここに来てるかは分からないが…助けを待ってるかも知れない、一目惚れなんて幻想だ?ロリコン野郎?知るか、ボケ。異世界転移からの謎の場所へ転移何て不条理で意味不明で非科学現象が起こるんなら、まだ一目惚れの存在の方が信じられるわ!
「絶対生きて帰ってやる!邪魔すんじゃねぇクソゴリラ!」
晃は巨大ゴリラの投擲を躱し、木を抜き始めたところを見計らって縮地を使って距離を詰めた。巨大ゴリラは急な接近に驚いたのか、一瞬だけ木を抜く腕の動きが止まった。
「オラァァッ!」
その一瞬の隙を見逃さず、巨大ゴリラが攻撃する体制を整える前に晃は全力の一撃を拳で腹部に叩き込んだ、その攻撃にゴリラ怯む─────────────ことは無く、
「ゴガァァァッ!」
抜いていた木を離してその剛腕を晃に向かって薙ぎ払ってきた。
「やッーーー」
咄嗟にきたゴリラの反撃に対し、縮地を使い背後に跳んだ。急なことだったので踏み込みが甘く、そのせいで後ろのめりな体制になってしまい、上手くスキルが使えなかったが、十分な距離を稼げた…と思っていた。
「ウゴゴガゥッ!」
巨大ゴリラの剛腕は想定以上にリーチがあり、巨大なゴリラの手のひらが晃のすぐ近くに迫っていた。当たれば間違いなく大ダメージ、今の負傷状態なら動くことが出来なくなるのはまず確実。巨大ゴリラの手のひらは晃の身体に当たりそうになった。
しかし、縮地を発動する際に体制を崩して身体が後ろに倒れて居たのが功を成し、巨大ゴリラの反撃は運良く掬い上げるような軌道だったので、晃の頭を本当にギリギリ掠めるか掠めないかの軌道で空を切り、辺りににグワンと大きな風切り音を残していった。
巨大ゴリラは大振りで急な反撃だった為か、強く脚を踏ん張って体制を崩すのを耐えていてかなり隙が出来た、地面は余りの力のかかる強さにメリメリと音が聞こえる。その隙に体制を整える為、両手を地面に着いて力任せにバク転し、晃はなんとか地面を滑りながら着地した。
「っと…危な!死ぬかと思った!マジで駄目だと思った!」
あの腕のリーチを見誤った、想像以上に長いとは…体制を崩してなかったら死んでたぞ………怖っ…。それ以前にあの腹筋だ、馬鹿みたいに硬いぞ…まるで厚いゴム板を何枚も重ねたのを殴ったみたいな硬さだ、元の世界のゴリラは脂肪が多く腹が出ていて、その上でその下に筋肉が多い訳でもないから弱点らしいが、あの巨大ゴリラはもうただの筋肉の塊、鉄よりよっぽど硬いぞ、アレ。
「さて…どうするか…」
やっぱ少しずつ距離を取っていくか?……いやダメだな、ただでさえ疲労してるのにこれ以上スタミナを削りたくない。じゃあ倒すか?短期決戦で決着をつければ…いやだがさっきの攻撃が効いてないんだ、倒せる保証はない。
「ウゴォォッ!!!」
「っと…」
あんまり考えてる暇はなさそうだ。
ゴリラは木を抜くのをやめてこちらに接近してきた、投擲攻撃から殴るのに変更したようだ。
木を投擲したり、その隙に攻撃されたことに気づいて殴るのに変更するって、地味に賢いな。
「ウゴガァァァッ!」
巨大ゴリラは拳を握り殴りかかってきて、何とか晃はそれを転がって回避し、立ち上がって縮地で距離を取る。巨大ゴリラは晃を睨みつけ、身体が強張るような低い声で唸る。
「くっそ…勘弁してくれよ」
今ので分かった、巨大ゴリラの攻撃は避けるのが精一杯だ、反撃しようにもあの巨体からは考えられないくらいの速い動きで反射神経も半端ない。
…さて、俺はどこまで喰いつけるかな。
「はぁっ…はぁっ…」
速い、そして威力が半端ではない。今の身体の状態では絶対当たってはいけないことを再認識させられる。そして溜まっていた疲労が身体を蝕んでいく、骨も折れていて満身創痍だ、身体がどんどん重くなってきた。
「ウルゴォォォッ!!」
一方、巨大ゴリラの方はまだまだ元気、むしろ晃ををなかなか仕留められない上にたまに攻撃されることにキレて、さっきまでよりも動きが活発になってる。もともと技術なんてものは無いから怒ればどんどんパワーが上がって攻撃間隔は短くなってく代わりに、もともと直線的だった動きがさらに単調になるのが唯一の救いだろう。
しかし、晃の身体がもう限界に近づいてるのに対して巨大ゴリラは怒り、暴れ狂うほど元気が有り余ってる。晃にもう余力は無く、ズタボロの身体をどう動かして、地面に転がり回ってどうやって生き残るかをろくに回転しない脳みそを必死に動かし、巨大ゴリラの攻撃を何とか避けている。
「死ん…で………たま、る、か、」
呼吸が荒い、しっかり呼吸が出来ない、酸素が充分に脳に届いてないせいで頭が酷く痛え、脚やら腕やら頭やら身体の中やら、もう身体中が痛すぎてどこが無事なのかも分からん…。
どうすれば良い?どうすれば生き残れる?逃げれない、なら倒すしか無い、不可能だ、なら逃げれる状況を何とか作るしか無い、無理だ、無理だった、なら死ぬしか無い、ふざけんな、まだ死にたくない、いきたい、みいんにあいたい、あきととみさきにあいたい、とうさんにあいたい、かあさんのりょうりがたべたい……かぞく、にあい、たい。
心が、折れる。
「痛って……」
ふぅ…なんとか迎撃できた…あのゴリラ、馬鹿みたいな腕力してやがる!巨大バッタと同等のスピードで木丸々一本の投擲が出来るとか、巨大バッタの脚力も大概だったが、腕力でそれとどっこいどっこいとか…って、考えてる暇ねえな。
「ウルゴオオォォッ!」
巨大ゴリラはまた叫び、また木を抜き始めた。
「やっべ…」
晃は木を抜いている隙に距離をとるために全力で逃げ出す。
いくら迎撃しても意味無えなこりゃ…とにかく、パワーだけが高くて重くて鈍い奴だと願って逃走だこの野郎!
「ウゴゴォォォォッ!!」
「うおっ!?」
危なかった…よく考えたら距離とってもあんま意味ないなコレ、投擲を迎撃しても効果は薄い、逃げ続けても投擲を回避し続けるのは無理がある。だからといってこっちが殴っても勝てる気しねぇ…てか、そもそも投擲のせいで近づくことすら厳しいぞこれ。
巨大ゴリラは木を投げつけ、また引っこ抜いて、ぶん投げるを繰り返している。辺りには木々が逆さまに突き刺さっていて、木が地面に刺さる度に土煙が上がり、辺りの視界はかなり悪い。
巨大ゴリラから距離を取ろうとすると木を投げつけた後、距離を詰めてくる。体力の消耗が激しい、あまり過剰に動き過ぎると折れて刺さった骨が傷を広げてしまう。
運良く肺や心臓には刺さってないが、どっちにしろ内出血が酷いので長期戦は危険だな、もう身体中が痛い。早く逃げないとまずい、このままじゃジリ貧だ。
「ヴゴガゴァァゥ!」
「ああ!クソッ!どうすりゃいいんだよ!?」
まだ死にたくねぇぞ俺は…どうせ死ぬなら可愛い可愛いミインの胸の中で死ぬことを選ぶぞ!選択肢があったらだがな。
「……まだ死ねないよなぁ…やっぱ」
ミインが待ってるかもしれない、あんだけ懐いてくれたんだ…他人の俺を、全く知らない俺を信用してくれたんだ…。こんな化け物みたいな力を持ってるを信じてくれたんだ…!
ここに来てるかは分からないが…助けを待ってるかも知れない、一目惚れなんて幻想だ?ロリコン野郎?知るか、ボケ。異世界転移からの謎の場所へ転移何て不条理で意味不明で非科学現象が起こるんなら、まだ一目惚れの存在の方が信じられるわ!
「絶対生きて帰ってやる!邪魔すんじゃねぇクソゴリラ!」
晃は巨大ゴリラの投擲を躱し、木を抜き始めたところを見計らって縮地を使って距離を詰めた。巨大ゴリラは急な接近に驚いたのか、一瞬だけ木を抜く腕の動きが止まった。
「オラァァッ!」
その一瞬の隙を見逃さず、巨大ゴリラが攻撃する体制を整える前に晃は全力の一撃を拳で腹部に叩き込んだ、その攻撃にゴリラ怯む─────────────ことは無く、
「ゴガァァァッ!」
抜いていた木を離してその剛腕を晃に向かって薙ぎ払ってきた。
「やッーーー」
咄嗟にきたゴリラの反撃に対し、縮地を使い背後に跳んだ。急なことだったので踏み込みが甘く、そのせいで後ろのめりな体制になってしまい、上手くスキルが使えなかったが、十分な距離を稼げた…と思っていた。
「ウゴゴガゥッ!」
巨大ゴリラの剛腕は想定以上にリーチがあり、巨大なゴリラの手のひらが晃のすぐ近くに迫っていた。当たれば間違いなく大ダメージ、今の負傷状態なら動くことが出来なくなるのはまず確実。巨大ゴリラの手のひらは晃の身体に当たりそうになった。
しかし、縮地を発動する際に体制を崩して身体が後ろに倒れて居たのが功を成し、巨大ゴリラの反撃は運良く掬い上げるような軌道だったので、晃の頭を本当にギリギリ掠めるか掠めないかの軌道で空を切り、辺りににグワンと大きな風切り音を残していった。
巨大ゴリラは大振りで急な反撃だった為か、強く脚を踏ん張って体制を崩すのを耐えていてかなり隙が出来た、地面は余りの力のかかる強さにメリメリと音が聞こえる。その隙に体制を整える為、両手を地面に着いて力任せにバク転し、晃はなんとか地面を滑りながら着地した。
「っと…危な!死ぬかと思った!マジで駄目だと思った!」
あの腕のリーチを見誤った、想像以上に長いとは…体制を崩してなかったら死んでたぞ………怖っ…。それ以前にあの腹筋だ、馬鹿みたいに硬いぞ…まるで厚いゴム板を何枚も重ねたのを殴ったみたいな硬さだ、元の世界のゴリラは脂肪が多く腹が出ていて、その上でその下に筋肉が多い訳でもないから弱点らしいが、あの巨大ゴリラはもうただの筋肉の塊、鉄よりよっぽど硬いぞ、アレ。
「さて…どうするか…」
やっぱ少しずつ距離を取っていくか?……いやダメだな、ただでさえ疲労してるのにこれ以上スタミナを削りたくない。じゃあ倒すか?短期決戦で決着をつければ…いやだがさっきの攻撃が効いてないんだ、倒せる保証はない。
「ウゴォォッ!!!」
「っと…」
あんまり考えてる暇はなさそうだ。
ゴリラは木を抜くのをやめてこちらに接近してきた、投擲攻撃から殴るのに変更したようだ。
木を投擲したり、その隙に攻撃されたことに気づいて殴るのに変更するって、地味に賢いな。
「ウゴガァァァッ!」
巨大ゴリラは拳を握り殴りかかってきて、何とか晃はそれを転がって回避し、立ち上がって縮地で距離を取る。巨大ゴリラは晃を睨みつけ、身体が強張るような低い声で唸る。
「くっそ…勘弁してくれよ」
今ので分かった、巨大ゴリラの攻撃は避けるのが精一杯だ、反撃しようにもあの巨体からは考えられないくらいの速い動きで反射神経も半端ない。
…さて、俺はどこまで喰いつけるかな。
「はぁっ…はぁっ…」
速い、そして威力が半端ではない。今の身体の状態では絶対当たってはいけないことを再認識させられる。そして溜まっていた疲労が身体を蝕んでいく、骨も折れていて満身創痍だ、身体がどんどん重くなってきた。
「ウルゴォォォッ!!」
一方、巨大ゴリラの方はまだまだ元気、むしろ晃ををなかなか仕留められない上にたまに攻撃されることにキレて、さっきまでよりも動きが活発になってる。もともと技術なんてものは無いから怒ればどんどんパワーが上がって攻撃間隔は短くなってく代わりに、もともと直線的だった動きがさらに単調になるのが唯一の救いだろう。
しかし、晃の身体がもう限界に近づいてるのに対して巨大ゴリラは怒り、暴れ狂うほど元気が有り余ってる。晃にもう余力は無く、ズタボロの身体をどう動かして、地面に転がり回ってどうやって生き残るかをろくに回転しない脳みそを必死に動かし、巨大ゴリラの攻撃を何とか避けている。
「死ん…で………たま、る、か、」
呼吸が荒い、しっかり呼吸が出来ない、酸素が充分に脳に届いてないせいで頭が酷く痛え、脚やら腕やら頭やら身体の中やら、もう身体中が痛すぎてどこが無事なのかも分からん…。
どうすれば良い?どうすれば生き残れる?逃げれない、なら倒すしか無い、不可能だ、なら逃げれる状況を何とか作るしか無い、無理だ、無理だった、なら死ぬしか無い、ふざけんな、まだ死にたくない、いきたい、みいんにあいたい、あきととみさきにあいたい、とうさんにあいたい、かあさんのりょうりがたべたい……かぞく、にあい、たい。
心が、折れる。
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