異世界転移したけど王様がクズなので旅をします。〜邪神に選ばれし男は神へと至る〜

悪鬼さん

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序章

四王会議

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「四王会議を」
この一言でマントの男、魔王エレヴェンと他3名の顔が一気に真面目な表情になる。
「まず、召喚した国についてだが…」
「エルクス王国だろう、エレヴェンよ、そんな事をいちいち確認せずに早く進めろ」 
エメラルドの目をした男、龍王ラガスト反論する
「まあまあ、落ち着けよ龍王。焦る気持ちは分かるぜ、龍種が転移者に狙われやすいのは知ってるからさぁ」
短い金髪の男、悪魔王サタンが落ち着いた声で言う、しかしその男をエレヴェンは睨み付けた。
「サタン、それはお前も同じだ。エルクス王国は魔族と悪魔を災厄の存在して扱う国、狙われないわけがない」
「ははは、昔は兄さんと読んでくれたのになぁ」
「どうでもいいわ、会話は控えなさいサッサッと進めるわよ」
コウモリの羽の生えた女性、吸血女王クリムゾンが睨みつけながら言う
「ははは、手厳しいなぁクリムゾンは…」ヘラヘラしているサタンに痺れを切らしたのかラガストが
「いい加減にしろ!貴様ら!」と怒鳴りつけた。

「…進めるぞ、最初は龍の眷族の竜の事についてからだ」
「それについては残念ながら手の施しようがないな、竜種、下位の龍は知能が低く、命令が通じにくい」
竜王が溜め息をついて悲しそうに言う
「上位の龍は直ぐには殺られることは無いし、意味無いわね」
「……そうだな、ただ龍王であるお前に従わない、お前に並ぶ力を持った龍が五体ほどいたがそっちはどうなっているんだ?」
「……彼奴らは駄目だ、能力や力は強いが、限りなく自由で厄介だ」
「それを纏めるのが龍王さんの仕事だろうに…」
ラガストの機嫌がかなり悪くなり、力の一部が漏れ出す
「まあ良いわ、アレは放置でいいでしょう、それを言ったら私以外の始祖達姉妹もそうだしサタン以外の七つの大罪お馬鹿さん達もそうよ?無論エレヴェンの所にも同じようなのが居るでしょう?」
「……まあエルクス王国クソ共には密偵を送ってある、情報が入り次第、魔連石から連絡がくる」
送った密偵は三名、一人は変身魔法の使い手で鑑定擬装も使える、城に侵入しているがばれる事はないだろう。もう一人は旅人を装って情報を集めている、あの辺りなら危険もないだろう。あと一人は城内に隠れながら情報を集めている、隙があれば王を暗殺しろとは言ったがあの王は警戒心が強い、期待はしない方がいいだろう。
「おやおや、手が早いなぁ相変わらず、じゃあそれまではお茶でも飲もうか。良いお茶が手に入ったんだよ」
こいつは何を言っているんだ……、いつものことか、だがこんな状況でこんなことを言ったら、ラガストが怒る…、はぁ…全くサタンは変わらんな、しかしラガストを止めなければ。
「貴様!またくだらん事を!王としての誇りは無いのか!」
「はぁ、また始まったわ」
「別にいいだろう?ラガスト、こんなピリピリした空気にピッタリだぜ。まあ、そもそも俺達悪魔は基本自由、悪魔にとって王なんて称号は強さ以外の意味は無いし、悪魔は人間とも契約する、この会議には俺個人として参加してるんだよ、他の悪魔に協力しろなんて言っても下位悪魔レッサーデーモンぐらいしか従わないよ。まぁ俺の私兵ならいくらでも貸し出すけどさ」
まあもっともである。サタンは我が父である先代魔王に出会い家族として迎えられた、俺とサタンは兄弟のような関係でありサタンは俺より年上だ、あんな性格だが兄としては慕っている…いや慕っていたか?まあいい、七つの大罪の悪魔、人数は六人でサタンが傲慢と憤怒の悪魔であり序列は一位、は俺と出会う前の出来事でついたらしいが憤怒がついた時は……いや辞めておこう思い出したくない、それよりラガストだ。  
「形はどうあれ王と言う称号を得たからには誇りを持てと言っているんだ俺は!」
 「だから種族柄、王の称号があるだけで、導くとか上に立つ者の責任とかないんだよ!」
「もう…またこのパターンなの…?」
ヒートアップしてきたな、さてとどう止めるか…
「だあ!もういい表に出ろ!その捻くれた性格を端正してくれる!」
……む、しょうがないあの手でいくか。
「上等だ!そのアダマンタイトより硬い頭を「いい加減にしろお前ら!」
俺が叫ぶと同時に二人の動きが止まる、
「王の誇りなど今はどうでもいい!必要なのは力と対策、そして同族を守る心だけだ!」

その言葉にラガストがぬっ、と言葉を詰まらせる。

「サタン!貴様もだ!ラガストが怒るような事を毎回するな!学習しろ!」
「え~だけどなぁ」

サタンが反論しようとするが、それを許さず俺は叫んだ

「そしてお互い、いちいち相手の発言に反応するな!子供じゃないんだぞ!」

喧嘩両成敗、これでまぁ問題ないだろう、しかし…こいつらは本当に子供っぽいところがあるな…、毎度毎度喧嘩して、疲れる…おい、クリムゾンよ俺を哀れむような目を向けるな…頼むから。

「むー、はぁ、分かったよエレヴェン、でも俺の協力は個人的なものだからそこら辺忘れないでな」

「ぬぅ、すまん、つい頭に血が上ってだな…」

はぁ、これで一件落着か…、そんなことを思いっていると、自分の右腕にある水色の宝玉をつけた腕輪が光りだした。これは、情報が手に入ったか…何?それなら…
「くくっ」

「どうかしたのかしら?エレヴェン?」

「いや、今入った情報を使えばだな」

俺は一回咳払いをし…


そう言った。

これが上手くいけば、かなりの余裕ができるはずだ。







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