抗え!悪役子息くん!

poyon1120

文字の大きさ
上 下
3 / 5

3未来のお兄様

しおりを挟む
制服を受け取りケインとはそこで別れた


「一緒に行かない?うちの馬車に乗ってもらっても全然いいけど」

「嬉しいお誘いなんだけど、僕早めに王都に行く約束なんだ。
お義兄さまと約束があって」


「それは早く行かなくちゃだね
じゃあ学園で会おうね」


そう言って別れた後
サイルーンでは諸々必要なものを買いまとめてマジックバッグに詰めておいた
これは兄様たちからのプレゼントだ
魔道具だから高いでしょって申し訳なくなってたら、2人の魔法で作り出したんだって!兄様たち凄すぎる...

まあ中の柄がクマさんとお星様柄なのがちょっと許せないけど、めちゃくちゃに可愛いから許すしかない

サイルーンから王都行きの馬車に乗り約1日


「ここがハイルラン....」



サイルーンも凄かったけど、それよりも大規模な街が出現した!見渡す限り建物が立ってる!

勿論緑の多い整備された綺麗な公園もあるし
山を背景に大きなお城

あれが王宮かぁ

白と青を基調に立てられたお城はもう建ててから600年も経つらしい
それにしても綺麗だなぁ

王宮は途轍もない規模の大きさで
王族が住む居住宮の他にも、パーティーや客室がある応接宮、貴族や平民に関わらず試験によって採用された役人が勤める王宮庁。
王宮庁にはさらに行政宮、軍宮、魔法宮、財政宮など沢山の宮が並んでいて国を作っている

ふわぁとお上りさんらしく
ハイルランの中央広場で感動していると


「ルナっ
お待たせ」


わっと後ろから肩を叩かれた


「!!ユレアス様!!!」


優雅に微笑んだユレアス様がいた
後ろには侯爵家の馬車と侍従もいる

綺麗な紫に光る淡い黒髪に
シュッとした知的な美しい顔

冷たい、無表情だと噂されるけど
本当は優しくて可愛らしい方


「ごめんね、待たせたかな?」


「いえ、今来たばかりです!
あの、今回はありがとうございます
僕の入学準備まで手伝ってもらって...王都の案内まで」


今回、僕の入学準備はユレアス様のご実家である
トラント侯爵家が面倒を見てくれたのだ

この前の顔合わせでユレアス様のご両親が
是非、と申し出てくださった

ユレアス様は5兄弟の末っ子で
歳をとってできたユレアス様をご両親とお兄様方は溺愛している。似たような境遇の僕にもとにかく優しくしてもらっているのだ。
特に弟のいないユレアス様は僕を本当に可愛がってくれて、僕も大好きだからお兄様になる日を待ち望んでいる。


「いいんだよ、ルナに頼ってもらえて僕は嬉しいから」


ふふっと笑って僕の手を取るユレアス様
あぁ...美しいなぁ

サン兄様もこんな美人ゲットするなんて隅に置けないな...


「あ!そうだった
サン兄様からお手紙とプレゼントを預かってきたんです。
絶対渡すようにと言われました」


鞄から封筒と小さな箱を出すと
きらきら目を輝かせて頬を染めたユレアス様

サン兄様のこと、本当に好きなんだなと胸が暖かくなる


「ここで、あ、開けてもいいかい?」


「はい!僕もプレゼント気になります」


馬車の中で手紙とプレゼントを開くユレアス様を
見つめていると
ぽわぽわとお花畑オーラを感じる


「サンティアが...僕に、あの、あい、あいしてるって」


手紙を読みながら泣きそうな顔で話すユレアス様
未だにサン兄様がユレアス様を愛していることを信じられないらしい。

オフホワイトの小さな箱には
ガラスで作られた輝くピアス
透明の中に輝く宝石が入っていた
緑の宝石や金、ダイヤのかけらが輝いて星空のようだ


「これ、サン兄様の手作りなんですよ
宝石も発掘しに行ってました。」


貧乏男爵家のうちだから高価な贈り物はできない
それでも何か贈りたいとサン兄様は仕事の合間を縫ってプレゼントはいつも手作りだった


「サンティアは、本当に格好良くて素敵な人で
僕なんかには勿体無いのに
...本当に僕と結婚してくれるんだね」


ユレアス様はすごく美人で優しいのになぜか自己評価が低い
ユレアス様の兄上である次期侯爵によると、幼年学園の時から内気だったせいか同級生に揶揄われたり虐められたりしていたみたい。そのせいで更にうちに籠るようになったとか


「だから、サンティアのような真っ直ぐな好青年に愛されて幸せになってほしいんだ。
アルン家の皆さんも温かい人ばかりで、アルンに嫁げるなんてこちらは万々歳さ」


次期侯爵はそう優しく微笑んで話してくれた



「サン兄様は勿論ですけど
僕もユレアス様がサン兄様のお嫁さんになって僕のお兄様になってくれるの待ってます
僕、ユレアス様のこと大大大好きですもん!」


そう言うと少しびっくりしたあと


「僕も、可愛いルナが弟になってくれる日を
ずっと待ち望んでるよ」

楽しみだね、と幸せそうに笑ってくれて
胸がホッとした



「うちの両親からはユレアス様と侯爵家の皆様に
お手紙とお土産があるんです
お屋敷でお渡ししますね」


「ありがとう。
お義父様とお義母様にお礼の手紙出すね」


ユレアス様と母様は気が合うようで
今は頻繁に文通をしているみたい。
嫁姑問題があったら大変だもんね!よかったよかった!
母様も優しいしユレアス様も優しいし、仲違いするわけないんだけどね!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

総長の彼氏が俺にだけ優しい

桜子あんこ
BL
ビビりな俺が付き合っている彼氏は、 関東で最強の暴走族の総長。 みんなからは恐れられ冷酷で悪魔と噂されるそんな俺の彼氏は何故か俺にだけ甘々で優しい。 そんな日常を描いた話である。

傾国のΩと呼ばれて破滅したと思えば人生をやり直すことになったので、今度は遠くから前世の番を見守ることにします

槿 資紀
BL
 傾国のΩと呼ばれた伯爵令息、リシャール・ロスフィードは、最愛の番である侯爵家嫡男ヨハネス・ケインを洗脳魔術によって不当に略奪され、無理やり番を解消させられた。  自らの半身にも等しいパートナーを失い狂気に堕ちたリシャールは、復讐の鬼と化し、自らを忘れてしまったヨハネスもろとも、ことを仕組んだ黒幕を一族郎党血祭りに上げた。そして、間もなく、その咎によって処刑される。  そんな彼の正気を呼び戻したのは、ヨハネスと出会う前の、9歳の自分として再び目覚めたという、にわかには信じがたい状況だった。  しかも、生まれ変わる前と違い、彼のすぐそばには、存在しなかったはずの双子の妹、ルトリューゼとかいうケッタイな娘までいるじゃないか。  さて、ルトリューゼはとかく奇妙な娘だった。何やら自分には前世の記憶があるだの、この世界は自分が前世で愛読していた小説の舞台であるだの、このままでは一族郎党処刑されて死んでしまうだの、そんな支離滅裂なことを口走るのである。ちらほらと心あたりがあるのがまた始末に負えない。  リシャールはそんな妹の話を聞き出すうちに、自らの価値観をまるきり塗り替える概念と出会う。  それこそ、『推し活』。愛する者を遠くから見守り、ただその者が幸せになることだけを一身に願って、まったくの赤の他人として尽くす、という営みである。  リシャールは正直なところ、もうあんな目に遭うのは懲り懲りだった。番だのΩだの傾国だのと鬱陶しく持て囃され、邪な欲望の的になるのも、愛する者を不当に奪われて、周囲の者もろとも人生を棒に振るのも。  愛する人を、自分の破滅に巻き込むのも、全部たくさんだった。  今もなお、ヨハネスのことを愛おしく思う気持ちに変わりはない。しかし、惨憺たる結末を変えるなら、彼と出会っていない今がチャンスだと、リシャールは確信した。  いざ、思いがけず手に入れた二度目の人生は、推し活に全てを捧げよう。愛するヨハネスのことは遠くで見守り、他人として、その幸せを願うのだ、と。  推し活を万全に営むため、露払いと称しては、無自覚に暗躍を始めるリシャール。かかわりを持たないよう徹底的に避けているにも関わらず、なぜか向こうから果敢に接近してくる終生の推しヨハネス。真意の読めない飄々とした顔で事あるごとにちょっかいをかけてくる王太子。頭の良さに割くべきリソースをすべて顔に費やした愛すべき妹ルトリューゼ。  不本意にも、様子のおかしい連中に囲まれるようになった彼が、平穏な推し活に勤しめる日は、果たして訪れるのだろうか。

【完結】僕の異世界転生先は卵で生まれて捨てられた竜でした

エウラ
BL
どうしてこうなったのか。 僕は今、卵の中。ここに生まれる前の記憶がある。 なんとなく異世界転生したんだと思うけど、捨てられたっぽい? 孵る前に死んじゃうよ!と思ったら誰かに助けられたみたい。 僕、頑張って大きくなって恩返しするからね! 天然記念物的な竜に転生した僕が、助けて育ててくれたエルフなお兄さんと旅をしながらのんびり過ごす話になる予定。 突発的に書き出したので先は分かりませんが短い予定です。 不定期投稿です。 本編完結で、番外編を更新予定です。不定期です。

姫を拐ったはずが勇者を拐ってしまった魔王

ミクリ21
BL
姫が拐われた! ……と思って慌てた皆は、姫が無事なのをみて安心する。 しかし、魔王は確かに誰かを拐っていった。 誰が拐われたのかを調べる皆。 一方魔王は? 「姫じゃなくて勇者なんだが」 「え?」 姫を拐ったはずが、勇者を拐ったのだった!?

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!

音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに! え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!! 調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。

気づいて欲しいんだけど、バレたくはない!

甘蜜 蜜華
BL
僕は、平凡で、平穏な学園生活を送って........................居たかった、でも無理だよね。だって昔の仲間が目の前にいるんだよ?そりゃぁ喋りたくて、気づいてほしくてメール送りますよね??突然失踪した族の総長として!! ※作者は豆腐メンタルです。※作者は語彙力皆無なんだなァァ!※1ヶ月は開けないようにします。※R15は保険ですが、もしかしたらR18に変わるかもしれません。

出戻り聖女はもう泣かない

たかせまこと
BL
西の森のとば口に住むジュタは、元聖女。 男だけど元聖女。 一人で静かに暮らしているジュタに、王宮からの使いが告げた。 「王が正室を迎えるので、言祝ぎをお願いしたい」 出戻りアンソロジー参加作品に加筆修正したものです。 ムーンライト・エブリスタにも掲載しています。 表紙絵:CK2さま

涙の悪役令息〜君の涙の理由が知りたい〜

ミクリ21
BL
悪役令息のルミナス・アルベラ。 彼は酷い言葉と行動で、皆を困らせていた。 誰もが嫌う悪役令息………しかし、主人公タナトス・リエリルは思う。 君は、どうしていつも泣いているのと………。 ルミナスは、悪行をする時に笑顔なのに涙を流す。 表情は楽しそうなのに、流れ続ける涙。 タナトスは、ルミナスのことが気になって仕方なかった。 そして………タナトスはみてしまった。 自殺をしようとするルミナスの姿を………。

処理中です...