人狼と眼鏡男子魔法使い

フェレイル

文字の大きさ
73 / 93
人狼と眼鏡男子魔法使い4話

1

しおりを挟む
休日の朝、鍛錬場の射撃場に、僕とジーニアスはいた。朝から鍛錬に勤しむのは、僕達以外には数人の弓道部の面々で。僕はライフル銃型の魔法銃を、ジーニアスは拳銃型の魔法銃2丁を両手に持ち、射撃練習をしていた。僕は、最初は実弾で打っていたが、次は自分の魔力を玉の形にし、普通だと火薬が担うところも火の魔法の魔力で再現する、魔法銃でしか出来ない射撃の練習をしていた。

媒体を込めた実弾だと、そんなに魔力は消費しないのだけれども、全てを魔法で賄う、魔力射撃は、1発打つ事にゴリゴリと魔力の残量を減らしていく。傍目から見たよりもよっぽど疲れる射撃なのであるが、治癒魔法や補助魔法を魔法銃で飛ばすのにはこれしかないのだ。けれども魔法銃を使って飛ばせる距離は、ロッドやら杖やらで普通に魔法を飛ばすのよりも格段に命中率は高いし、そして最大の問題である空中を飛んでるあいだに魔法自体が減少する減少率を、飛んでるスピードの速さを高めることで時短になって、効率的に抑えることが出来る。後方支援を目的とするならば、魔法銃は非常に長けた支援方法なのである。

と、長々と講釈してしまったけれども、見た目がかっこいいってので、得物にしたというところも、あったりする。魔法銃の銃口に魔法陣が展開するのとか、ちょっと高等テクニックだけれども、弾丸の軌跡を魔法で変えたりすることとか。

まあ、男のロマンだなと、僕と同じく魔法銃を使う父さんはそう言っていた。メンテとか射撃訓練とか必須だから、使う人少ないんだけどさ。



「……。」



隣ではゴーグルを付けたジーニアスが、僕とは違う形の小さい形の魔法銃を2丁持って、ガンガンと目標に向かって魔法弾を打ち込んでいる。結構前に僕が魔法銃のメンテをジーニアスの工房に持ち込んだ時、ジーニアスは魔法銃というもの自体に興味を持って、最初はロッドを使っていたのだけれども、僕経由で拳銃型の魔法銃を取り寄せて使っている。

薬莢が出てない、かつ、この大量の量を絶え間なく打っているということは、これ全部魔法射撃だな……。魔力を使う魔法射撃だが、ジーニアス曰く、元手は魔力が有ればいいから安上がりだ、だそうだ。僕よりも魔力量はかなりあるジーニアスだけれども、本人が1発打つのにかなり魔法を消費する高等魔術を使うことにはとんと興味がないのか、こうして手数を多くする方を選択しているようだった。

僕もジーニアスのような魔力量だったら、前に使った広範囲の濃霧爆散も自分の魔力だけで賄えたかもしれない。まあ、無理だから魔力を込めたアクセサリーで補給したのだけれども。



「……ふう……。」



「相変わらず派手にやるなあ、ジーニアス。」



「そうか?」



ジーニアスの射撃訓練が終わったのを見て声を掛ける。魔力をあれだけ使ったのにも関わらず、汗ぐらいしか出てないのが、なんかかっこよくて悔しいなあ。



「サイラスもあんだけ遠い的によく当てられるもんだなってオレはいつも感心してるぜ。」



くいっと、顎をしゃくって、僕が使っていた的を示す。まあ、射撃距離違うからなあ。魔法銃の形がそもそも違うから。



「ありがとう。そう言ってくれると、山場を無事越えられそうな気がするな。」



「超えてやろうぜ、オレらでな。」



にやっと笑ったジーニアスとこつんと拳をぶつけ合う。……たまには格好つけてもいいだろう?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

強制悪役劣等生、レベル99の超人達の激重愛に逃げられない

砂糖犬
BL
悪名高い乙女ゲームの悪役令息に生まれ変わった主人公。 自分の未来は自分で変えると強制力に抗う事に。 ただ平穏に暮らしたい、それだけだった。 とあるきっかけフラグのせいで、友情ルートは崩れ去っていく。 恋愛ルートを認めない弱々キャラにわからせ愛を仕掛ける攻略キャラクター達。 ヒロインは?悪役令嬢は?それどころではない。 落第が掛かっている大事な時に、主人公は及第点を取れるのか!? 最強の力を内に憑依する時、その力は目覚める。 12人の攻略キャラクター×強制力に苦しむ悪役劣等生

【本編完結】転生したら、チートな僕が世界の男たちに溺愛される件

表示されませんでした
BL
ごく普通のサラリーマンだった織田悠真は、不慮の事故で命を落とし、ファンタジー世界の男爵家の三男ユウマとして生まれ変わる。 病弱だった前世のユウマとは違い、転生した彼は「創造魔法」というチート能力を手にしていた。 この魔法は、ありとあらゆるものを生み出す究極の力。 しかし、その力を使うたび、ユウマの体からは、男たちを狂おしいほどに惹きつける特殊なフェロモンが放出されるようになる。 ユウマの前に現れるのは、冷酷な魔王、忠実な騎士団長、天才魔法使い、ミステリアスな獣人族の王子、そして実の兄と弟。 強大な力と魅惑のフェロモンに翻弄されるユウマは、彼らの熱い視線と独占欲に囲まれ、愛と欲望が渦巻くハーレムの中心に立つことになる。 これは、転生した少年が、最強のチート能力と最強の愛を手に入れるまでの物語。 甘く、激しく、そして少しだけ危険な、ユウマのハーレム生活が今、始まる――。 本編完結しました。 続いて閑話などを書いているので良かったら引き続きお読みください

竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

牛獣人の僕のお乳で育った子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!!

ほじにほじほじ
BL
牛獣人のモノアの一族は代々牛乳売りの仕事を生業としてきた。 牛乳には2種類ある、家畜の牛から出る牛乳と牛獣人から出る牛乳だ。 牛獣人の女性は一定の年齢になると自らの意思てお乳を出すことが出来る。 そして、僕たち家族普段は家畜の牛の牛乳を売っているが母と姉達の牛乳は濃厚で喉越しや舌触りが良いお貴族様に高値で売っていた。 ある日僕たち一家を呼んだお貴族様のご子息様がお乳を呑まないと相談を受けたのが全ての始まりー 母や姉達の牛乳を詰めた哺乳瓶を与えてみても、母や姉達のお乳を直接与えてみても飲んでくれない赤子。 そんな時ふと赤子と目が合うと僕を見て何かを訴えてくるー 「え?僕のお乳が飲みたいの?」 「僕はまだ子供でしかも男だからでないよ。」 「え?何言ってるの姉さん達!僕のお乳に牛乳を垂らして飲ませてみろだなんて!そんなの上手くいくわけ…え、飲んでるよ?え?」 そんなこんなで、お乳を呑まない赤子が飲んだ噂は広がり他のお貴族様達にもうちの子がお乳を飲んでくれないの!と言う相談を受けて、他のほとんどの子は母や姉達のお乳で飲んでくれる子だったけど何故か数人には僕のお乳がお気に召したようでー 昔お乳をあたえた子達が僕のお乳が忘れられないと迫ってきます!! 「僕はお乳を貸しただけで牛乳は母さんと姉さん達のなのに!どうしてこうなった!?」 * 総受けで、固定カプを決めるかはまだまだ不明です。 いいね♡やお気に入り登録☆をしてくださいますと励みになります(><) 誤字脱字、言葉使いが変な所がありましたら脳内変換して頂けますと幸いです。

小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)

九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。 半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。 そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。 これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。 注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。 *ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)

嫌われ将軍(おっさん)ですがなぜか年下の美形騎士が離してくれない

天岸 あおい
BL
第12回BL大賞・奨励賞を受賞しました(旧タイトル『嫌われ将軍、実は傾国の愛されおっさんでした』)。そして12月に新タイトルで書籍が発売されます。 「ガイ・デオタード将軍、そなたに邪竜討伐の任を与える。我が命を果たすまで、この国に戻ることは許さぬ」 ――新王から事実上の追放を受けたガイ。 副官を始め、部下たちも冷ややかな態度。 ずっと感じていたが、自分は嫌われていたのだと悟りながらガイは王命を受け、邪竜討伐の旅に出る。 その際、一人の若き青年エリクがガイのお供を申し出る。 兵を辞めてまで英雄を手伝いたいというエリクに野心があるように感じつつ、ガイはエリクを連れて旅立つ。 エリクの野心も、新王の冷遇も、部下たちの冷ややかさも、すべてはガイへの愛だと知らずに―― 筋肉おっさん受け好きに捧げる、実は愛されおっさん冒険譚。 ※12/1ごろから書籍化記念の番外編を連載予定。二人と一匹のハイテンションラブな後日談です。

色狂い×真面目×××

135
BL
色狂いと名高いイケメン×王太子と婚約を解消した真面目青年 ニコニコニコニコニコとしているお話です。むずかしいことは考えずどうぞ。

異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた

k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
 病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。  言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。  小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。  しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。  湊の生活は以前のような日に戻った。  一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。  ただ、明らかに成長スピードが早い。  どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。  弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。  お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。  あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。  後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。  気づけば少年の住む異世界に来ていた。  二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。  序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。

処理中です...