上 下
81 / 95

クルル様と小さな聖女

しおりを挟む
「ミリ、ジュエルに乗って森に遊びに行きましょうか?

木の実やベリーをつみに行きましょう?

ジュエルお願いね?」

主であるリリスの呼びかけに応じ、キュンキュンと鳴きながらふたりに近づいてくる。

「ジュエルよろしく、ミリだよ?

サフィーのおねえちゃんでしょ?

あいたかった!」

ミリアは、ジュエルに抱きつく。

ジュエルは、ぺろぺろとミリアの頬をなめた。


「人見知りのジュエルが珍しいわね?

ミリはサフィーのお気に入りだからかしらね?

じゃあ、森に行きましょう。

ジュエルゆっくり飛んでね」


リリスは、ミリを自分の前に乗せてベルトで、固定した。


ジュエルは、ゆっくりと飛び立った。


「わぁ。みずうみがキラキラだよ?

りりたん!みて?キレイよ」


「キレイでしょ?

ジュエル!森の入口で降ろして?

ミリ!今から降りるからギュッと捕まって?」


「うん!りりたん、ギューッ」


思いっきりリリスに抱きつくミリの柔らかい温かさに幸せを噛みしめるリリス。


(小さくて、温かくて、ふわふわ…幸せだわ…レナ!リリスを産んでくれて有難う)


自分の産んだ子供達も大好きで愛しい存在なのですが…


大好きな妹レナの小さい頃に激似のミリアは別なのです。


可愛さ格別?


別腹?


ともかく、特別な存在なのです。


ジュエルに森の入口まで乗せてきてもらったふたりは…


森の中へ。


「ミリは何がしたい?」


「うんとね。もふもふちゃんと遊びたい!


うさぎさんとかリスちゃんとか?」


「うさぎの知り合いはいないわね?

リスではないけど…


私の使い魔と遊ぶ?」


「りりたんのつかいまさんは、もふもふな

の?みたい!あそびたい!」


「じゃあ、呼ぶわよ?

クルル!いるんでしょ?」


「主よ!

どうしたのだ?久しぶりではないか?」


リリスの肩に飛び乗ってきたのは、小さくてもふもふなリスではなく、森の守護神クルル様である。


リスのように見えるが聖獣なのだ。


決して、リスではありません!

 
「わぁ、かわいいつかいまさん!

こんにちは!わたしはミリよ。

あなたはなんていうの?」


「こんにちは!

我が名はクルル。

この森の守護神である。」


「クルルッていうの?

クルルのことだっこしたいな」

ミリはリリスの右肩に乗っているクルルを上目遣いで見つめる。


リリスは、抱っこさせてあげなさいよ?とクルルに無言の圧をかけてくる。


「少しだけならいいよ?

ただし、しっぽは触るなよ?」


「わーい、ありがとうクルル」


ミリアは、手の上に降りてきたクルルを抱っこした。


「クルル…もふもふ!もふい!

すきーっ、ミリもリスさんみたいなつかいまさんほしい」


ミリアは、森の守護神が気に入ったようである。


クルルのような聖獣は、他にもいるのか?

次回は、ミリの使い魔探しの巻き?





    
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】薔薇の花をあなたに贈ります

彩華(あやはな)
恋愛
レティシアは階段から落ちた。 目を覚ますと、何かがおかしかった。それは婚約者である殿下を覚えていなかったのだ。 ロベルトは、レティシアとの婚約解消になり、聖女ミランダとの婚約することになる。 たが、それに違和感を抱くようになる。 ロベルト殿下視点がおもになります。 前作を多少引きずってはいますが、今回は暗くはないです!! 11話完結です。

【完結】逆行した聖女

ウミ
恋愛
 1度目の生で、取り巻き達の罪まで着せられ処刑された公爵令嬢が、逆行してやり直す。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 初めて書いた作品で、色々矛盾があります。どうか寛大な心でお読みいただけるととても嬉しいですm(_ _)m

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

亡くなった王太子妃

沙耶
恋愛
王妃の茶会で毒を盛られてしまった王太子妃。 侍女の証言、王太子妃の親友、溺愛していた妹。 王太子妃を愛していた王太子が、全てを気付いた時にはもう遅かった。 なぜなら彼女は死んでしまったのだから。

懐妊を告げずに家を出ます。最愛のあなた、どうかお幸せに。

梅雨の人
恋愛
最愛の夫、ブラッド。 あなたと共に、人生が終わるその時まで互いに慈しみ、愛情に溢れる時を過ごしていけると信じていた。 その時までは。 どうか、幸せになってね。 愛しい人。 さようなら。

側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります。

とうや
恋愛
「私はシャーロットを妻にしようと思う。君は側妃になってくれ」 成婚の儀を迎える半年前。王太子セオドアは、15年も婚約者だったエマにそう言った。微笑んだままのエマ・シーグローブ公爵令嬢と、驚きの余り硬直する近衛騎士ケイレブ・シェパード。幼馴染だった3人の関係は、シャーロットという少女によって崩れた。 「側妃、で御座いますか?承知いたしました、ただし条件があります」 ********************************************        ATTENTION ******************************************** *世界軸は『側近候補を外されて覚醒したら〜』あたりの、なんちゃってヨーロッパ風。魔法はあるけれど魔王もいないし神様も遠い存在。そんなご都合主義で設定うすうすの世界です。 *いつものような残酷な表現はありませんが、倫理観に難ありで軽い胸糞です。タグを良くご覧ください。 *R-15は保険です。

【コミカライズ決定】婚約破棄され辺境伯との婚姻を命じられましたが、私の初恋の人はその義父です

灰銀猫
恋愛
両親と妹にはいない者として扱われながらも、王子の婚約者の肩書のお陰で何とか暮らしていたアレクシア。 顔だけの婚約者を実妹に奪われ、顔も性格も醜いと噂の辺境伯との結婚を命じられる。 辺境に追いやられ、婚約者からは白い結婚を打診されるも、婚約も結婚もこりごりと思っていたアレクシアには好都合で、しかも婚約者の義父は初恋の相手だった。 王都にいた時よりも好待遇で意外にも快適な日々を送る事に…でも、厄介事は向こうからやってきて… 婚約破棄物を書いてみたくなったので、書いてみました。 ありがちな内容ですが、よろしくお願いします。 設定は緩いしご都合主義です。難しく考えずにお読みいただけると嬉しいです。 他サイトでも掲載しています。 コミカライズ決定しました。申し訳ございませんが配信開始後は削除いたします。

王命を忘れた恋

須木 水夏
恋愛
『君はあの子よりも強いから』  そう言って貴方は私を見ることなく、この関係性を終わらせた。  強くいなければ、貴方のそばにいれなかったのに?貴方のそばにいる為に強くいたのに?  そんな痛む心を隠し。ユリアーナはただ静かに微笑むと、承知を告げた。

処理中です...