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ケンカ両成敗?

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さっきまで仲良く遊んでいたはずなのに…

今はおもちゃの取り合いをしている…


子供って可愛いだけじゃないのよね。

泣き叫ぶ双子だが、レナはしばらく様子を見るようだ。

くちげんかだけなら、スルーしとこう!

聞こえないからね!


ママには何も聞こえませんよ?

今日は、書類関係の仕事だからと商会には出向かずに執務室で仕事していたら…


「ママ!あそぼ?」 

「ママー。みてみて!」

双子がおもちゃ持参で遊びに来た。

仕事の邪魔をしないなら、執務室で遊んでもよいと伝えたら大人しく絵を描いていたので安心していたら…

突然、ふたりが泣きがはじめたのだ。



これはいつ泣き止むのかな?

「ママー、ミリがぼくのおもちゃとったー、ミリーが…グジュグジュ…」


「ミリはわるくないもん!

ルドがかしてくれないから、かしてもらっただけだもん」

「ママー、ミリーがぼくのおもちゃ…」

これは、一度話を聞かないとずっとループするパターンか?

「ふたりとも、静かにして?

ルドは泣き止む!ミリアは怒鳴らないで?」

レナは、ハロルドの頭を撫でながら顔を覗き込む。



「ルドはどうして泣いたの?おもちゃをミリアに貸したくなかったの?

教えてくれる?」

「わたしがかしてっていったら、いやだっていうの。

ルドがおえかきしているから、おもちゃかりたかったの。

ミリはわるくないよ?」

レナは抱きついてきたミリアを抱きしめながら言い聞かせた。

「ミリー、今ママはルドとお話してるのよ。

少しだけ待っていてくれる?

ルドの話を聞いてから、ミリーの話を聞くからね。

ママはどちらが悪いかを聞きたいわけじゃないのよ?」

「わかった、わたしまってる」


ハロルドは、頭の中で考えている事を直ぐに言葉にするのが苦手だから泣いて訴える傾向があるのだ。

ミリアは、自分の思っている事を直ぐに口にする為、それを聞いたルドが反論出来ずに泣きわめくというのが毎度の事なのだ。

ルドは、ようやく泣き止んで自分の思いを口にする。

「ミリーは、ぼくがいいよっていうまえにぼくのおもちゃつかうからいやだったの。

ミリーはぼくのはなしきいてくれないんだもん」

「ルドは、ミリーとちゃんと話をしたかったのね。

ミリーは、自分が貸してって言ったからそれでいいと思ったのかしら?

ミリーにお願いがあるの。

ルドは自分の思ったことをおしゃべりするまでに時間がかかるのよ。

ミリーみたいに、直ぐに話せないの。

だからね。

ちょっとだけ、待ってあげて欲しいのよ。

あなたは、こども園にいる時は周りの子が話すのを待っているでしょ?

ルドと遊ぶ時もそうして欲しいのよ」

「でも…ルドはちいさくないよ?

ミリとおなじだもん!」

ミリアは不満そうである。

「あのね、ミリー。

年は関係ないのよ。性格の問題なの。

ルドはおっとりしているでしょ?

あなたは、何でも早くしないと気が済まないタイプだからね。

双子だけど、違うの。

違うからいいのよ。

ルドがあなたと同じ性格だったら、今よりもっとケンカになっていると思うわ。

だからね、ミリーは待つ事を覚えてね。

ルドは、ミリーに今考えているから、ちょっと待ってねって言ってあげて。

ミリーが忘れちゃうから。

相手の事を考えて行動するのが大事よ?」

「「わかった」」

「ミリはルドをまつ!」

「ルドはミリにまってっていう」

「そう!

それでやってみてくれる?

せっかくふたりでいるのに、楽しく遊べる方がいいでしょ?

じゃあ、ママはお仕事だからケンカしないで遊んでね?

ふたりがお利口さんだったら、新作のお菓子をおやつに食べてもいいわよ?」

「ルドはけんかしない!」

「ミリも!おかしたべたい!」

ふたりは手をつないで走っていった。

今の説明で分かってくれたかしら?

子育てって難しいわね…


私も色々勉強しないと!

レナは双子とおやつを食べる為に、頑張って仕事を片付けるのだった。


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