【完結】婚約破棄しろとうるさい幼なじみを溺愛して幸せな結婚を目指します!

まゆら

文字の大きさ
上 下
12 / 95

第十二話

しおりを挟む
リカルドside

私は緊張している。

今、シャルマン家でレナの母上とふたりでお茶を飲んでいるのだが…

何故なんだろう?

晩餐会の前にレナに直接お土産を渡したくて早く来たのが失敗だったらしい。

私はそんなに社交が得意でなく、ご婦人と楽しく会話をするのはどちらかというと苦手だし…

ともかく、レナの母上に嫌われないよう頑張って相槌を打つ事に必死になっていると…

「リカルド様は、うちのレナのどんなところがお好きなの?」という素晴らしい質問をされたので

私は、レナの魅力のありったけをレナの母上にお伝えしようと話していたのだが、途中で止められてしまった。

何故だ!

レナについてもう少し語らせてくれないか?と無言でレナの母上を見つめると…


「リカルド様のそのお気持ちは、レナにはまるっきり伝わってない事はお分かりですか?」と、私があ然とする事実を突きつけられた。

えっ!

私のこの熱い想いが一切レナに伝わっていない?

何故だ?

こんなにレナが好きなのに?

考えこんでいる私に、

「リカルド様、女はいつも愛しい方からの愛の囁きを待っていますのよ。

高価なプレゼントや花束や宝石では気持ちは伝わりませんわ。

それよりも、たったひと言が欲しいのですよ。

レナもそうですよ。

リカルド様の熱い想いをあの娘に伝えて下さいませんか?

あの娘は、世間知らずで恋の駆け引きなど知らずに育っておりますから、初恋の王子様であるあなたにどう接してよいかわからないのです」

「心得た。私はレナの優しさや控えめな態度に甘えてきたようだ。

レナは、私の気持ちを察していると勝手に思っていたようだ。

忠告してくれた事を感謝しております。

これからも、何かあればご指摘下さい」

私は、レナの母上に頭を下げた。

「殿下…駄目ですわ。

私に頭を下げるなど…

勿体のうございます」

「私の間違いを指摘してくれた敬愛する人生の先輩としてですから…」

私がそう告げるとレナの母上は、レナそっくりの可愛らしい笑顔を見せてくれた。

「リカルド様、もう一杯お茶をのみませんこと?頭が冴えるハーブティーですの」

「それは飲んでみたい!一杯いただけますか?」

その後、晩餐会が始まるまでレナの母上からレナの好みについて教えてもらったり、リリス先生の弱点を聞いたりと楽しい時間を過ごした。

後は…

晩餐会の後、レナに私の熱い想いを告白するだけ!

その前に…

晩餐会…緊張してきたかも?

ヤバいな…

王子らしく、レナの婚約者らしく振る舞わなければ…



しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】「私は善意に殺された」

まほりろ
恋愛
筆頭公爵家の娘である私が、母親は身分が低い王太子殿下の後ろ盾になるため、彼の婚約者になるのは自然な流れだった。 誰もが私が王太子妃になると信じて疑わなかった。 私も殿下と婚約してから一度も、彼との結婚を疑ったことはない。 だが殿下が病に倒れ、その治療のため異世界から聖女が召喚され二人が愛し合ったことで……全ての運命が狂い出す。 どなたにも悪意はなかった……私が不運な星の下に生まれた……ただそれだけ。 ※無断転載を禁止します。 ※朗読動画の無断配信も禁止します。 ※他サイトにも投稿中。 ※表紙素材はあぐりりんこ様よりお借りしております。 「Copyright(C)2022-九頭竜坂まほろん」 ※小説家になろうにて2022年11月19日昼、日間異世界恋愛ランキング38位、総合59位まで上がった作品です!

その婚約破棄喜んで

空月 若葉
恋愛
 婚約者のエスコートなしに卒業パーティーにいる私は不思議がられていた。けれどなんとなく気がついている人もこの中に何人かは居るだろう。  そして、私も知っている。これから私がどうなるのか。私の婚約者がどこにいるのか。知っているのはそれだけじゃないわ。私、知っているの。この世界の秘密を、ね。 注意…主人公がちょっと怖いかも(笑) 4話で完結します。短いです。の割に詰め込んだので、かなりめちゃくちゃで読みにくいかもしれません。もし改善できるところを見つけてくださった方がいれば、教えていただけると嬉しいです。 完結後、番外編を付け足しました。 カクヨムにも掲載しています。

悪役令嬢は天然

西楓
恋愛
死んだと思ったら乙女ゲームの悪役令嬢に転生⁉︎転生したがゲームの存在を知らず天然に振る舞う悪役令嬢に対し、ゲームだと知っているヒロインは…

婚約破棄された私は、処刑台へ送られるそうです

秋月乃衣
恋愛
ある日システィーナは婚約者であるイデオンの王子クロードから、王宮敷地内に存在する聖堂へと呼び出される。 そこで聖女への非道な行いを咎められ、婚約破棄を言い渡された挙句投獄されることとなる。 いわれの無い罪を否定する機会すら与えられず、寒く冷たい牢の中で断頭台に登るその時を待つシスティーナだったが── 他サイト様でも掲載しております。

婚約破棄? 五年かかりますけど。

冬吹せいら
恋愛
娼婦に惚れたから、婚約破棄? 我が国の規則を……ご存じないのですか?

婚約破棄はまだですか?─豊穣をもたらす伝説の公爵令嬢に転生したけど、王太子がなかなか婚約破棄してこない

nanahi
恋愛
火事のあと、私は王太子の婚約者:シンシア・ウォーレンに転生した。王国に豊穣をもたらすという伝説の黒髪黒眼の公爵令嬢だ。王太子は婚約者の私がいながら、男爵令嬢ケリーを愛していた。「王太子から婚約破棄されるパターンね」…私はつらい前世から解放された喜びから、破棄を進んで受け入れようと自由に振る舞っていた。ところが王太子はなかなか破棄を告げてこなくて…?

運命に勝てない当て馬令嬢の幕引き。

ぽんぽこ狸
恋愛
 気高き公爵家令嬢オリヴィアの護衛騎士であるテオは、ある日、主に天啓を受けたと打ち明けられた。  その内容は運命の女神の聖女として召喚されたマイという少女と、オリヴィアの婚約者であるカルステンをめぐって死闘を繰り広げ命を失うというものだったらしい。  だからこそ、オリヴィアはもう何も望まない。テオは立場を失うオリヴィアの事は忘れて、自らの道を歩むようにと言われてしまう。  しかし、そんなことは出来るはずもなく、テオも将来の王妃をめぐる運命の争いの中に巻き込まれていくのだった。  五万文字いかない程度のお話です。さくっと終わりますので読者様の暇つぶしになればと思います。

断罪される前に市井で暮らそうとした悪役令嬢は幸せに酔いしれる

葉柚
恋愛
侯爵令嬢であるアマリアは、男爵家の養女であるアンナライラに婚約者のユースフェリア王子を盗られそうになる。 アンナライラに呪いをかけたのはアマリアだと言いアマリアを追い詰める。 アマリアは断罪される前に市井に溶け込み侯爵令嬢ではなく一市民として生きようとする。 市井ではどこかの王子が呪いにより猫になってしまったという噂がまことしやかに流れており……。

処理中です...