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第十話

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リカルドside

リリス先生の名前を出したら父上も焦ったのか、私の謹慎は解かれ直ぐにシャルマン家に返事を出せ!と逆に急かされた。

父上から予定は空いているのでそちらの都合の良い日に伺いますと書け!と言われて書いたら、まだレナへの愛のメッセージも書いていないのに…

「誰か!もう誰でもよいから大至急シャルマン家にこれを届けてくれ!いいか?スピード勝負だぞ?

少しでも速くだ!

遅くなれば…明日には我が国は滅ぶかもしれんぞ?

これは最重要任務だ!

速く…」

狂ったように叫ぶ父上…

どうやらリリス先生から何か脅されたらしい。

私の謹慎が直ぐに解かれたのもそのせいだろう。

あらゆる魔法を好きなように操るリリス先生は…

聖女というより、魔女?

1部の信者からは大魔女リリス様と呼ばれていると聞く。

学園でもリリス先生の執務室は、恋に悩む少年少女が常に悩み相談に訪れお守りやパワーストーンをリリス先生御用達の商会を通じて購入しているとか。

私も1度レナと両想いになるお守りをお願いしたのだが…

丁寧に断られました。

何故?

リリス先生は、ずっとレナの側にいたいらしく私達の結婚でレナが王宮に住む事になるのが嫌みたい。

それなら、リリス先生の部屋も王宮にご用意します!とお伝えしたのだが…

王宮は窮屈だから住みたくないと…

こうなれば、私が次期王を辞退して何処か住みやすいところに領地をもらい、リリス先生も一緒に住む事にしたらよくないかな?

よし!

晩餐会の後にリリス先生に時間をもらって話を進めよう。

私は王になるより、レナと添い遂げる道を選ぶ!

◇◇◇◇

側近から、リカルド様?妄想は大概になさいませ。

先ずはレナ様からの承諾がないと無理でしょう。

シャルマン家からも皇太子でなくなるなら婚約解消と言われる可能性大ですよ?と諭されたんだが…

何故?

私が心の中で考えていた事が分かったんだろうな…

おかしい…

お前…私の心を読む魔法が使えるのか?と考えていたら…

「殿下…殿下は気づいてないですけど、お考えを小声で呟いていおられますが?」と指摘されてしまった。

私とした事が…

心の内を自ら暴露していたとは…

私が色々考えている間にシャルマン家に訪問するのが明日に決まったようなので…

リリス先生が気に入るようなレアなお菓子を探さなければ…

レナを手に入れる為には先ずはリリス先生に気に入られるしか手はない!とようやく気づいた私である。

レナ!覚悟しておいてくれよ。

私は皇太子の地位を手放しても君の手は離さない!

殿下…

顔はいいけど…残念王子…と後ろで側近が呟いておりますが、今回はこの辺りで!





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