【完結】婚約破棄しろとうるさい幼なじみを溺愛して幸せな結婚を目指します！

第五話

リカルドside

私は隣国での視察をようやく終えて帰れる事になった。

レナが喜びそうな銀細工の華奢で綺麗なアクセサリーを手に入れた事もあり、久々にシャルマン家を訪ねるつもりだ。

レナどうしてるんだろうな？

私に会えなくて泣いてたりしないか？

帰りの馬車の中でひとりニヤニヤする私を側近のひとりであり、乳兄弟のライルが気持ち悪いモノを見た！というような顔で見ている。

「殿下！そのような締りのないお顔は見苦しいですよ？

レナ様から本当にきらわれたらおしまいですからね？

殿下…そのムダにイケメンなお顔は武器として活用すべきですよ？」

なんて忠告してくるんだけど…何なの？

レナの名前呼ぶのやめてくれないかな？

レナの名前を呼んでいいのは、私だけなんだけど？

はぁ、早く帰りたい…

「ライル、お前はこのまま王宮に帰って父上に私の代理で報告書出しといてくれ。
私は今からシャルマン家に突撃してくるから！

後よろしく！」

そう告げた次の瞬間、馬車からリカルドは消えた。

「あの…わがまま王子め！

帰ったらお仕置きですからね！」

ライルは怒りながらも、王への言い訳を考え…

なるべく、主がお咎めを受けないようにと作戦を立てていた。

その頃…

ドッキリお宅訪問をしちゃうつもりのリカルドは、シャルマン家の客間でリリス先生から説教されていた。

肝心のレナ様はお母様と教会のバザーに参加していて留守だったらしい。

先ぶれもなく、突撃訪問したリカルドは、リリス様から王族の心得をもっとしっかり学びなさいとか…

男ならもっとドッシリ構えていないとレナにフラれるわよ？等と言われ凹んでいた。

最終的に今日は帰って、明日出直しなさいとリリス先生の魔法で王宮に強制送還され…

父王から、頼むからこれ以上聖女リリスを怒らせないでくれと懇願され…

しばらく、自室謹慎にされたのだった。

哀れ…リカルド…

レナにいつ会えるのか？