ピンク頭で男爵令嬢だからと言って勝手にお花畑ヒロインだと決めつけないで下さい

まゆら

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和国の大使館にて

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「縁日体験の方々はこちらになります」


アイラ達は朝から和国大使館を訪れていた。

単なる縁日体験ではなく、準備の段階から見せて欲しいとレイナ様を通してお願いしてあったのだ。

屋台の設営や、屋台で出す商品の準備等…

お客様として、縁日体験をするのはマイヤーズ商会の新人男女とレイナ様とレイナ様の弟のジョナス様だ。

新人の男女は、まイヤーズ商会イチオシの向日葵柄の浴衣や、小物を身につけ嬉しそうだ。

お似合いのふたりだなぁと感じたアイラは、付き合い始めの男女が縁日に行くという設定で縁日体験をしてみてね?とふたりにお願いをした。

レイナ様とジョナス様は、お揃いの浴衣を着こなし手を繋いでいる。

普段は和国住みのジョナス様は、たまたま遊びに来ていたようで留守番するよりは一緒に縁日体験がしたいと着いてきたようである。

アイラと急遽同行する事になった商会のベテラン勢は裏方に回って、大使館のスタッフに教えを乞いながら屋台やテントを設営していく。

アイラは、ベビーカステラの生地を作る手伝いをしたり、りんごやいちごに飴をからませる方法を伝授してもらったり、試食をしたりと楽しそうである。

和国のマイヤーズ商会で取り扱いのない商品の仕入先を教えてもらったアイラは、直ぐに大使館御用達の商会に繋ぎを取って縁日に必要な物のリストを出してもらい、和国のマイヤーズ商会を通した方が良いのかとか、細かい部分を全マイヤーズ商会を、仕切る兄に丸投げすべく念話でお願いをしておいた。


アイラのざっくりした話では詳細が分からなかったらしく…


兄から直接、和国の商会に話をしてくれる事になったようだ。


アイラは、面倒事からイチヌケして…


レイナ様達と合流し、金魚すくいや、ヨーヨー釣り、射的を楽しんでいる。


「姉様も、アイラ様も…

僕に任せてよ?

僕…射的得意なんだから!

どれを取って欲しいの?」


「そうねぇ…

私は、猫のぬいぐるみがいいわ!

アイラさんは、何がよいかしら?」


「私は…

うんまい棒のビックサイズでお願いしますジョナス様」

「OK!

僕に任せておいて」

ジョナス様は、大好きな姉と姉の友人の前で良いところを見せたいらしい。


成程…

普段、離れて暮らしている家族の絆を再確認するのもいいものね。

家族で家紋入りの浴衣やお揃いの浴衣で縁日に行くのも悪くないわね…


浴衣の生産ライン見直してみようらさかしら?

夫婦や恋人同士だけではなく、家族でお揃いはアリだわ…

そうなると和装小物も、家族で使い回し出来る物を仕入れないと…


ジョナスが張り切って射的体験をしているのを眺めながら、アイラは新たな商戦の始まりの予感にワクワクするのであった。

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