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ユリアの想い
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住居スペースへの、家具の搬入も終わり、使用人たちはホッとしていた。
執事長であるジェイムスは、ロペスと何やら雑談中。
ユリアは駆けつけてくれたゼルダに、ノティス家の侍女になってくれそうな人がいないかと相談している。
「ゼルダさんは、ジュビアに詳しいでしょ?
こっちには、パローワークはないの?
なるべく早くに、三人位は侍女が欲しいのよ…」
「そうね。
こっちには、パロワがないのよ。
商業ギルドに求人を出せるのだけど、ロクな人材がいないのよね…
商業ギルドが腐ってるのよ。
だから、私はアーライのパロワで求人募集をしたり、知人に頼んでるの」
「成程…それだったら、ディオン様にお願いした方がよいかしら?」
「そうね。
出自がハッキリしない人をミルティーヌ様のお傍には置けないわね。
ディオン様にお願いすれば間違いないわね。
以前、ミルティーヌ様付きだった方は?」
「ミルティーヌ様が家出した後、奥様が首にしたのです…
私は、ディオン様の紹介だったので首にはならなかったのですが…」
「そうだったのね。
首になった人達も災難だったわね…」
ミルティーヌが家出した後、ノティス家では内紛があったようだ。
「旦那様と奥様が家から出ていかれた時には、みんなホッとしたのです。
ミルティーヌ様が出ていかれてからというもの、屋敷内は殺伐としていましたからね」
「大変だったわね。
これからは、ミルティーヌ様が女主人になるから大丈夫じゃないの?
私は少しだけしか、関わってないけどミルティーヌ様は信頼出来るし、温かい方だわ?」
「ゼルダさん…
そうなんです!ミルティーヌ様は、温かくて私たち使用人にも優しくしてくれますから!
私はミルティーヌ様にしかお仕えしたくないのです」
「ユリア!
わかるわ。私もミディ様にしか、仕えたくないもの…
ミルティーヌ様とユリアが納得出来る人材が見つかるとよいわね」
「ジェイムスさんからディオン様にお願いしてもらわないと…」
◇◇◇◇◇◇
ミディがルファード家から出た後も、ずっとミディの専属侍女であるゼルダの存在はユリアが目指す侍女の姿なのだ。
その上、ゼルダはノティス商会の専属デザイナーとしての顔も持っているのだから…
ユリアにとっては、憧れの存在である。
(ミルティーヌ様がゼルダさんと働く事になるなんて…ゼルダさんと接点が持てて幸せだわ!)
ユリアがとある才能を発揮して活躍するお話は、また別の機会に!
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「そうね。
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だから、私はアーライのパロワで求人募集をしたり、知人に頼んでるの」
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これからは、ミルティーヌ様が女主人になるから大丈夫じゃないの?
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そうなんです!ミルティーヌ様は、温かくて私たち使用人にも優しくしてくれますから!
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「ユリア!
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◇◇◇◇◇◇
ミディがルファード家から出た後も、ずっとミディの専属侍女であるゼルダの存在はユリアが目指す侍女の姿なのだ。
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