【完結】婚約破棄され国外追放された姫は隣国で最強冒険者になる

まゆら

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番外編 夢を叶える為の一歩

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職人ギルドへやってきた三人は…

受付で話を聞いている。

登録する際の注意書きを読んでいたミルティーヌが念話で何か思っていたのと違うから登録は保留にする!と伝えてきたので…

「有難う。

じゃあ、これを読んで相談してからまた来ますね。

今日は代理でこちらに来ましたので、失礼します」と丁寧な挨拶をするミディに、

「「失礼します!」」と一緒に挨拶した二人だった。

◇◇◇◇◇◇

「どうしたの?

何がダメだった?」

「何か、ギルドに入ると細かい誓約が沢山あって違反したら罰金だけじゃなく、商売が出来なくなるみたいだよ?

アーライとは違うみたい!

ゼルダはギルドに登録してるのか聞かないと…」

「ミル…

楽しそうね。

やりたい事が見つかって良かったわね。

ゼルダに色々聞いてみたら?

自分で商会を開くと雑務だらけで商品開発している時間は中々とれないわよ?

最初は、工房を作ってみるとか?

ひとり作業なら工房もいらないのでは?」

「そうよね。

先ずは私が作る物を買う人がいなければ何も始まらないもの…」

「ミルが何を作りたいのかをまとめる事からよね。

ミルの作業部屋作っちゃう?

御祖父様に言ったら立派な工房建てそう…」

「うん!

しかも、明日には出来てそうでこわい」

三人は、帰ってデイブが作ったみたらし団子と草団子を取り合うのだった。

「ミルティーヌさんは、冒険者登録してきたの?

ギルドはどうだった?

冒険したくなったかい?」

デイブからの質問に、頬張っていた団子を飲み込むとむせたので慌ててお茶を流し込んでひと息ついたミルティーヌは、

「それが…

私、魔力鑑定した時に水晶玉からあなたは回復魔法に優れていますって言われて、冒険者にならなくていいや!って思ったんです。

何でだろう?

ずっと、アイリス様やミディ姉に憧れて戦う聖女になりたいって思っていたけれど…

私、人を傷つける事がこわくて、ザイラス兄様から剣技を教えてもらっている時も本気で向かっていく事が出来なかったのです。

それでも、人を守りたいという気持ちはあったので、騎士科に入りたかったのですが父は花嫁修行しろと、淑女科に私を入れようとしていたので納得いかずに家を出たのです」

「成程…

ミルティーヌさんも色々あったんだな。

私も自分が家督を継ぐ器じゃないと祖国から逃げ出した弱虫野郎なんだよ…

まぁ、祖国から逃げたからミディみたいに素敵な女性と出逢えたから結果オーライかな?

ミルティーヌさんのやりたい事がハッキリするまでここにいたらいいよ。

ノティス家対策はミディがやってくれるから安心して!

そうだろ、ミディ?」

「勿論よ!

私はミルの味方よ!

ミルの気持ちを聞かないで淑女科に進学させようとするおじ様が悪い!

ミルはずっとここにいたらいいわよ。

ただ飯食らいというわけにはいかないから、しばらくは午前中だけ桜庵のお手伝いをしてくれる?

やりたい事が出来たらやればいいわよ?」

「デイブさん!ミディ姉有難う!

桜庵お手伝いさせてください!

私も美味しい和菓子作りたいの」

「じゃあ、明日から頼むよ」

ミルは、桜庵で働く事になった。

聖女アイリスの面影のある可憐な少女が働いていると噂になり、桜庵は益々忙しくなるのだが…

この話は別の機会に。

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